『天空の城ラピュタ』のインスピレーションとなった国「ウェールズ」大阪万博をはじめ2025年はイベント目白押し
英国を構成する4つの国のうちの1つ「ウェールズ」をご存知ですか?グレートブリテン島南西部の半島状の地域で、美しい自然や古城、伝統的な文化など、多彩な魅力が満載です。そんなウェールズが、「Wales and Japan 2025」キャンペーン年と称し、さまざまな企画を展開します。
4月~10月 2025年大阪万博でのウェールズデー開催
2025年大阪・関西万博の英国パビリオンの公式パートナーとなっているウェールズ。このパートナーシップを通じて、ウェールズは英国パビリオンでイベントを主催。英国のナショナルデーにウェールズからパフォーマーを派遣したり、ウェールズやウェールズが提供するビジネスの機会についての専門家による講演を予定しています。ウェールズデーは、万博期間中に2日間、開催されます。
最初のウェールズデーは4月29日(火・祝)に開催され、ウェールズを祝う日となります。このイベントでは、文化、芸術、パフォーマンス、食品と飲料、クリエイティブ、観光、スポーツ、教育などの分野で、ウェールズが誇る素晴らしいモノ、コトを紹介いたします。またこの日は、ウェールズの「未来世代のためのWell-being法」の10周年に当たり、一般の人々がウェールズが唯一無二である理由について知ることができる機会となっています。
ウェールズデー2日目の6月24日(火)は、英国企業が来日し健康にフォーカスする日となります。ウェールズは英国パビリオンにて、健康イノベーションおよび健康、幸福、芸術に関するイベントを二つ主催します。
ウェールズと日本のビジネス上のつながり
日本からウェールズへの投資は深く根付いており、ソニー、シャープ、トヨタ自動車(ハイブリッドエンジンを生産するトヨタ初の海外工場)、パナソニック、GSユアサ、大和ハウス工業、カルビーなどの有名企業がDraig Gochの名の下に事業を展開しています。ウェールズではすでに55社もの日本企業が進出しており、約6800人の雇用を生み出しています。ウェールズの首都カーディフでは、日本人社員の子供たちのために毎週土曜日、日本人学校が開かれています。
ソニーの最初の工場は1973年に南ウェールズに開設され、ウェールズ最大の雇用企業の一つとなりました。二つ目の工場は現在、英国に残る唯一のソニーの製造工場であり、カメラ、放送機器、有名なRaspberry Pi回路基板をこれまでに5000万個以上生産しています。
宮崎駿氏も訪れた アニメをはじめとした文化的つながり
2019年、北ウェールズのコンウィ城と、白鷺城の愛称で知られる兵庫県の姫路城という二つのユネスコ世界遺産が初めて姉妹都市提携を結びました。これはウェールズと日本にとって記念すべき関係の始まりであり、両地域に共通するさまざまなものを祝う機会となりました。今年は記念イベントが開催される予定。
日本の伝説的なアニメーターであり、スタジオジブリの創設者の一人である宮崎駿氏は、同スタジオの1作目『天空の城ラピュタ』の製作中、南ウェールズの渓谷に作品のインスピレーションを求めました。ウェールズを2度訪れた宮崎監督は、映画の中の多くの風景をウェールズの鉱山の町をもとに描いたと言われています。
ウェールズと日本は、森林の持つ美しさとその精神的、生物多様性に富んだ風土への愛を共有しています。これを体現しているのは、有名なウェールズ人であるC.W.ニコル氏です。素晴らしい生涯を送ったニコル氏は、日本国籍を取得。ウェールズのルーツを生かして、石炭の採掘とその後の廃坑のために荒れ果てていた森、アファン・アルゴードが人々の運動により見事に森林公園として蘇った歴史に習い、荒れていた長野県黒姫の里山を世生き返らせ日本森林保護に人生を捧げました。故郷の森にちなんで長野県黒姫の森を「アファンの森」と名づけウェールズの森と姉妹森となりました。今もニコル氏の遺志を継いだ「アファンの森財団」が長野県黒姫にて積極的なSDGsに繋がる活動を継続しています。
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