ライバルはピラニアシャークとベビー・ヨーダ? A24製作『ディックス!! ザ・ミュージカル』下水道ボーイズにインタビュー[ホラー通信]
ちょっぴりキモくてなんだか可愛らしいクリーチャーが来日。“下水道ボーイズ”と称されるこの二匹(?)、人間をいたぶりながら骨まで食い尽くしそうなナイスなホラー顔をしているのだが、出演しているのはホラー映画ではなく、クィアなミュージカル映画だという。……嘘だろ?
彼らが登場するのは、『ミッドサマー』『Pearl パール』などを世に送り出したA24が製作する『ディックス!! ザ・ミュージカル』。家族ドラマ、ラブストーリー、SF、スリラー、コメディが混然一体となったオフ・ブロードウェイのコメディミュージカルが原案となっており、『ボラット 栄光ナル国家カザフスタンのためのアメリカ文化学習』『オレの獲物はビンラディン』のラリー・チャールズが監督を務めている。なお、映倫のレーティングはR15+だが、下ネタが満載すぎるあまり、配給サイドではR18+を推奨しているという。情報量が多いな。
ストーリーは、女と権力が大好きなモテ男ふたりが会社のライバルとして出会うも、やがて自分たちが生き別れの双子だと気付き、離婚した両親を復縁させて“完璧な家族”を取り戻そうとする……というもの。下水道ボーイズはかつて下水道に棲んでいたが、今はわけあって双子の父親ハリス(ネイサン・レーン)の家で暮らしている。
クリーチャー好きとしてはちょっと気になってしまうこの子たち。せっかくなのでインタビューを行ってみたぞ。
画像:取材中もお手々をつないでいる仲良しぶり
――おふたりの自己紹介をお願いします。チャームポイントもぜひ教えてください。
ウィスパー&バックパック:下水道ボーイズです☆ どうぞよろしくお願いします!
――(かわいいな……)
ウィスパー:僕はウィスパー。青白いヌメヌメの肌と頭のちょろ毛がチャームポイント! あとおしゃべりも大好き!
バックパック:バックパックです。特技は歌とダンス。好きな食べ物は加工肉! たまに人間も……もごもご(ウィスパーに口を抑えられる)!
――ストレートな質問になりますが、あなたたちは一体どんな生き物なんでしょうか?
バックパック:ニューヨークの下水道には人間たちの知らない広大な世界が広がっているんだ。ほら、うっかり人間はトイレにワニとかピラニアとかサメとかを流しちゃうだろう? 彼らは汚水の中を力強く生き抜いて……あとは元から住んでいたネズミとか亀とか、多種多様な生物が強く生き延びて繫栄しているのが今のニューヨーク下水道都市なんだ。
ウィスパー:で、そんな多種多様の生き物たちが交配を繰り返した末に生まれたのが僕らってわけだ。そういえば近所には、カンフーが得意な亀の兄弟たちが住んでいるよ。
画像:オムツをしていますね
――(ター◯ルズのことか……)日本の印象はいかがですか?
ウィスパー:日本の下水道は奇麗だね!とっても住み心地が良さそう!
バックパック:コンビニの鶏むね肉ダイスキ!!
――日本でやりたいことはありますか?
ウィスパー:実は日本には遠い親戚が住んでいるんだ。彼は下水道じゃなくて海に住んでいるんだけど、僕らに会いに来てくれるらしい。彼は世界で大人気の俳優でもあって、時々、口から光線を出すけどとってもいいやつだよ!
――(ゴ◯ラのことか……)
バックパック:僕はあれだな~。ぜひ全マシマシの◯郎ラーメンに頭からダイブしてみたいね。
――映画では双子のお父さんのハリスと暮らしていましたね。ハリスとの暮らしはいかがでしたか? ごはんのあげ方がかなり独特だなと思ったのですが……。
バックパック:ハリスはお洒落でいい人。
ウィスパー:そうそう、歌が上手いしね。でも、彼の息子達はめちゃくちゃ騒々しいな。すぐに下品なことを歌いながら踊りだすんだ。
バックパック:ああ、それと、ハリスが口の中でぬちゃぬちゃと噛み砕いた肉片は最高のご馳走だ!
ウィスパー:顔に肉片をまんべんなくかけてくれるのがいいね。人間の唾液とハムのマリアージュに病みつきだよ。
――(ゾワッ……)たびたび脱走しているようでしたが、やはり下水道のほうが快適ですか?
ウィスパー:ハリスのフラットはNYの一等地にあってとっても快適なんだけど、たまには檻の外に出て冒険してみたいよね。
バックパック:それに実は僕らは本当のパパとママを探しているんだ。ずっと昔にニューヨークの下水道で迷って離れ離れになってしまって……。 二人がまだ元気で生きているって信じているし、いつかは再会して一緒に暮らしたいって思っているんだ。
――クレイグとトレヴァーの双子と想いは一緒なんですね。瞳の色も同じですし、彼らにシンパシーを感じますか? 彼らにはどんな印象を持ちましたか?
バックパック:いけ好かない人間だなーって思うよ。クレイグなんか僕らを見てずっと「キモイ」と悲鳴を上げているんだ。彼らはニューヨークのトップセールスマンで、人間のヒエラルキーで上位だと自負しているみたいだけど実際にはどうかな~。
ウィスパー:トレヴァーはこの間、週末に遊ぶ友人がいないってリビングで泣いていたよ。強がっていないで素直になればいいのにね。せっかく歌とダンスが上手いのに!
バックパック:そうそう、僕らを見習ってね!
――あなたたちのライバルはいますか?
バックパック:僕はたまに下水道でピラニアシャークと喧嘩している。
ウィスパー:『ディックス‼ ザ・ミュージカル』の監督のラリー(・チャールズ)は僕たちのライバルは、“ベビー・ヨーダ”だって言っていたっけな(笑)クリスマスに僕らの人形を売り出して、大儲けしたかったらしいが、A24に却下されたと嘆いていたなぁ。
――日本の観客に伝えたいことはありますか?
ウィスパー:僕らが出演する『ディックス‼ ザ・ミュージカル』は、おそらく宇宙一変わった誰も観たことのない突飛で過激なミュージカル映画なんだけど、テーマは人間が発明した一番シンプルで素晴らしいもの――「愛」について描かれているんだ。
バックパック:『ラ・ラ・ランド』や『グレイティスト・ショーマン』のスタッフが参加した、ピー音が満載のノリノリな音楽もぜひ楽しんで欲しい。愛があればいいじゃない!
『ディックス!! ザ・ミュージカル』
2025年1月17日(金)新宿ピカデリー、渋谷ホワイト シネクイント他公開
画像:やる気満々で質問に答える顔がカワイイ
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