2025年度の税制改正で、マイホームを買うとどんな減税を受けられる?各制度を詳しく解説

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2024年末に与党の「税制改正大綱」が閣議決定したことを受けて、国土交通省が「令和7年度税制改正における住宅関係税制」についての概要をまとめた。令和7年度の住宅関係税制は、前年度とあまり大きな変更はないが、どういった減税制度が利用できるのか確認をしておこう。

【今週の住活トピック】
令和7年度税制改正における住宅関係税制のご案内/国土交通省

住宅ローン減税は2024年度を踏襲

マイホームを取得する多くの人が利用する「住宅ローン減税」は、2024年度と同様になる。もともと令和6年度税制改正大綱にも、令和7年度も同様の措置を検討するとなっていたので、予定通りと言える。

既存住宅のリフォーム係る特定措置

※「19歳未満の子を有する世帯」又は「夫婦のいずれかが40歳未満の世帯」
住宅ローン減税の概要(国土交通省「令和7年度住宅税制改正概要」より)

まず、住宅ローン減税について説明しよう。

この制度は、住宅ローンの年末残高の「0.7%」を「中古住宅は10年」、「新築住宅は13年」にわたり、所得税から控除するもの。不動産会社などが中古住宅を買い取ってリフォームし、売主となって販売する「買取再販住宅」は、建物価格に消費税10%がかかる(個人が売主の中古住宅は消費税がかからない)ため、新築住宅の扱いとなる。ただし、新築住宅でも、現行の省エネ基準を満たしていない場合は、住宅ローン減税そのものが適用外となる。

控除の対象となる住宅ローンの残高については上限額が定められており、中古住宅で上限が2000万円、新築住宅(省エネ基準適合)で3000万円となるが、省エネ性などが高いものほど上限額が高くなる仕組みとなっている。

令和7年度については、新築住宅(買取再販含む)の控除対象の上限額が「認定住宅(長期優良住宅・低炭素住宅)」で4500万円、「ZEH水準省エネ住宅」で3500万円、「省エネ基準適合住宅」で3000万円となるが、子育て世代を支援するために「19歳未満の子を有する世帯」または「夫婦のいずれかが40歳未満の世帯」については、令和4・5年度の上限額まで引き上げられる。

住宅ローン減税が適用されるには、住宅ローン利用者の控除を受ける年の合計所得金額が2000万円以下、住宅の床面積が50平方メートル以上などの条件があるが、引き続き、新築住宅に限り合計所得金額が1000万円以下の人なら、住宅の床面積が40平方メートル以上に緩和される。

なお、控除額の全額が所得税から引ききれなかった場合は、住民税からも一部控除される。

また、この住宅ローン減税については、2025年12月末入居までの制度となっており、2026年以降はどうなるか未定だ。

リフォームに関する減税制度も2024年と同様

次に、リフォームに関する減税について見ていこう。令和6年度と同様に、子育て支援の減税を継続する。

既存住宅のリフォーム係る特定措置

※カッコ内の金額は、太陽光発電設備を設置する場合
既存住宅のリフォーム係る特定措置(国土交通省「令和6年度 国土交通省税制改正事項(住宅局関係抜粋)」より)

リフォームについては、耐震、バリアフリー、省エネ、三世代同居、長期優良住宅化のリフォームで、工事年の所得税から工事費の一部を減税する措置がある。令和6年度に、子育て世帯(「19歳未満の子を有する世帯」または「夫婦のいずれかが40歳未満の世帯」)が、子育てに対応した住宅へのリフォーム(子どもの事故を防止する工事や対面式キッチンへの交換工事など)を行った場合の減税措置が加わった。令和7年度も子育てリフォームの減税措置を継続する。

なお、いずれのリフォームでも対象工事限度額を超えた分や同時に行うその他のリフォーム工事については、5%減税する措置が併用できるので、実際の控除額は増える場合が多い。

また、これらのリフォームに関する減税については、2025年12月末までの工事が対象となっており、2026年以降はどうなるか未定だ。

ほかにもマイホーム取得に有利な制度はある

紹介した2つの減税制度のほかにも、いくつか期限が延長されたものがある。ただし、個人がマイホームを取得した場合に直接減税となるものではないので、ここでは割愛する。しかし、令和6年度で延長された減税制度の中には有利なものがあるので、おさらいとして説明しておこう。

覚えておきたいのは、「親・祖父母からの住宅資金の贈与税の非課税制度」(2026年12月末まで)だ。贈与税は極めて税率の高いものだが、住宅取得の資金として親・祖父母から贈与された場合は、一定額まで非課税になるので、頭金や諸費用、リフォーム費用などを援助してもらう場合に有効活用できる。

非課税枠は、「質の高い住宅で1000万円」・「一般の住宅で500万円」までだ。たとえば、通常に親から500万円贈与されると贈与税は70万円、1000万円贈与されると贈与税は210万円になる。住宅取得のための資金であれば0円となるので、覚えておきたい減税制度だ。

減税ではないが、2025年度に利用できるものに、省エネ性の高い新築住宅やリフォームについて補助金が出る「子育てグリーン住宅支援事業」もある。省エネ性能に応じて、新築住宅は戸当たり40万円~160万円が補助され、リフォームは工事ごとの補助額を合計した上限額が戸当たり40万円~60万円まで補助される。(詳しくは、「最大で160万円補助の「子育てグリーン住宅支援事業」が求める高い省エネ住宅とは?」を参照)

なお、税制改正については、2025年1月に召集される次期通常国会で関連税制法が成立することが前提となる。同様に、「子育てグリーン住宅支援事業」も国会で予算が成立することが前提だ。また、これらの優遇措置については、記載した以外にもさまざまな要件があるので、十分に確認してほしい。

●関連サイト
令和7年度税制改正における住宅関係税制のご案内(国土交通省)
令和7年度住宅税制改正概要(国土交通省)

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