「Earthship」が、秩父多摩甲斐国立公園に初のフラッグシップ拠点を設立!
日本の豊かな自然環境を活用した持続可能な観光モデルを目指す「Earthship(アースシップ)」が、日本・シンガポール・英国・米国のエンジェル投資家からの支援を受け、プレシードラウンドでの資金調達を完了。この節目を迎え、秩父多摩甲斐国立公園に、初のフラッグシップ拠点を設立し、自然環境を保護しながら地域社会を活性化させる新しい観光モデルを構築していく。
日本では大規模なリゾート開発が困難
日本は国土の約68%が森林で覆われ、70%が山岳地帯という自然の宝庫。この環境は、エコ志向の旅行者やアドベンチャーツーリズムを求める層にとって、まさに理想の目的地だ。
その反面、厳しい開発規制の影響により、大規模なリゾート開発は困難を極めているとのこと。その結果、多くの観光資源が活かされず、日本のサステナブルな観光市場において大きな機会損失が生じているという。
グローバル市場での成長を目指すEarthship
また近年、日本の観光需要は主要都市から地方へと広がりつつあり、特にミレニアル世代やZ世代の旅行者は、自然、文化、サステナビリティが融合したユニークな体験を求め、まだ知られていない場所での新しい発見に期待を寄せている。
一方、アメリカ(Postcard Cabins)、オーストラリア(Unyoked)、イギリス(Unplugged)、ドイツ(RAUS)では、トレーラーハウスといったオルタナティブ・ホスピタリティ市場が急成長しているが、日本国内およびアジア全域には、この分野で明確なリーダーが存在していないとのこと。
2024年に設立され、東京、長野、大分、オーストラリアなどにメンバーが点在するスタートアップ・Earthshipは、日本でブランドリーダーの地位を確立し、次にアジア全域への展開を進め、最終的にはグローバル市場での成長を目指していく。
今回投資家たちから集まった資金は、秩父多摩甲斐国立公園内の土地確保と、トレーラーハウスの建設に使用される。
地域と共存しながら持続可能な成長を実現
地域のリソースとインフラを最大限活用し、地域と共存しながら持続可能な成長を実現するモデルとなっているEarthship。
2025~2029年にかけて、日本国内の国立公園やアジアを舞台に拡大計画を進め、地域資源を最大限に活用して、持続可能で地域に根ざしたホスピタリティを提供することで、自然と人をつなぐ全く新しい旅の形を提案する。
2025年は、首都圏の住民や訪日外国人をターゲットに、東京近郊の国立公園(秩父多摩甲斐国立公園)を中心に拠点を開発。この地域は、都会からのアクセスが良い一方で、手つかずの自然が多く残るエリアなので、静けさと自然の癒しを求める旅行者にとって、理想的な場所を提供する。
2026年は、関東圏を超えつつも、東京から少し足を伸ばした場所に位置する日光国立公園や尾瀬国立公園など、四季折々の豊かな自然が楽しめるエリアに拠点を展開。豊かな自然に加え、日光東照宮や華厳滝、草津温泉といった歴史的・文化的な観光資源が豊富で、美しい景観と地域の文化を同時に楽しむことができるため、国内外の幅広い層をターゲットに新しい旅の体験を提供する。
2027年はさらに範囲を広げ、沖縄や九州地方の国立公園(屋久島国立公園、慶良間諸島国立公園など)での展開を開始。これらの地域では、熱帯の豊かな生態系や独自の文化を活かし、没入感のある体験をゲストに提供する。
特に離島では、シュノーケリングや地元文化との交流など、都市部では体験できない特別な価値を提供するという。
2028年は、日本国内での基盤を強固にした後、韓国やタイといったアジア市場に進出。日本での成功事例を活用し、各国の国立公園との連携を図ることで、持続可能で地域密着型のホスピタリティを広げる。
2029年は、東南アジアでの展開をさらに拡大しつつ、日本国内では北海道から沖縄まで全国の国立公園を網羅。自然体験を通じて、地域の活性化と持続可能な観光を推し、グローバルなホスピタリティブランドとしての地位を確立する。
Earthshipの今後の活動に注目
世界中の投資家からの支援やトレーラーハウスの購入を通じて、日本の国立公園や地域コミュニティが持つ潜在的な価値を最大限に引き出し、持続可能な未来を創造することを目指すEarthship。自然環境を保護しながら地域社会を活性化させる、今後の活動に注目だ。
(佐藤ゆり)
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