「寄らば大樹の陰」とはどんな意味?その類義語や対義語は?

頼りにすることを例えたことわざ、それが「寄らば大樹の陰」です。
しかし、この言葉はどのような状況を意味するのでしょうか?

今回は類義語や対義語と併せて「寄らば大樹の陰」の意味を解説します。

「寄らば大樹の陰」とは

ここでは「寄らば大樹の陰」の意味を解説します。

「寄らば大樹の陰」の意味

「寄らば大樹の陰」は、頼るなら力のある人物の方が良いことの例えです。

現代では何かに属するなら大きな組織の方が良いという意味でも使用されます。

この言葉はもともと「同じように身を寄せるならば小さな木よりも大きな木を選ぶべきである」という教訓の意味を持っていることわざです。

実際に身を寄せるならば小さな木より大きな木の方が安全です。
頑丈で屈強な木であれば強風や豪雨にも耐えてくれます。

転じて、助勢を頼むなら勢力のある人物・組織を選ぶべきだという意味で使用されるようになったとされています。

「寄らば大樹の陰」の用い方・例文

「寄らば大樹の陰」は、何かに頼る場面で使用することわざです。

・例文1:サラリーマンになるなら寄らば大樹の陰で生きる心構えが必要だ。なぜなら、勤め人は所属する会社や企業で役回りが変わるからである。
・例文2:世渡り上手になりたいなら寄らば大樹の陰の精神を持とう。末端の平社員に媚びを売るより中核の役員に媚びを売った方が生き残れるのさ。

このように「寄らば大樹の陰」は頼るなら小さなものより大きなものの方が良いという場面で使用します。

ただし、基本的にはポジティブにもネガティブにも使用できるものの場面によってニュアンスが変わるという点には注意が必要です。

・例文3:寄らば大樹の陰と言わんばかりに有象無象が集まったところで結局は自分の力しか頼りにならないのが世の常だ。

このようにある種の戒めとして「寄らば大樹の陰」を使用する場合もあります。

「寄らば大樹の陰」の類義語

ここからは「寄らば大樹の陰」の類義語を紹介します。

箸と主とは太いがよい

「箸と主とは太いがよい」は、箸は太くてしっかりしたものが良いように人に仕えるなら頼りになる主人が良いということを例えたことわざです。

箸が細いと何を掴むにしても頼りなく感じてしまうものです。
しかし、丈夫なものであればどのようなものも簡単に掴めます。

転じて、人に仕えるなら頼りになる主人を選ぶべきという意味で使用されるようになったとされています。

その点が「寄らば大樹の陰」と重なるのではないでしょうか。

鰯の頭をせんより鯛の尾に付け

「鰯の頭をせんより鯛の尾に付け」は、小さくて弱いものの頭になるよりも大きくて強いものの尾についていく方が確実であるということを例えたことわざです。

弱者より強者に頼った方が安全であるという意味もあります。

その点が「寄らば大樹の陰」に通ずるのではないでしょうか。

長いものには巻かれろ

「長いものには巻かれろ」は、勝ち目のない相手には抵抗するよりも服従した方がかえって良いということを例えたことわざです。

現代では社長など権力のある人に盾を突くよりは大人しく従っていた方が安全であるという意味で使用されます。

その点が「寄らば大樹の陰」に似ているかもしれません。

「寄らば大樹の陰」の対義語

ここからは「寄らば大樹の陰」の対義語を紹介します。

鶏口牛後

「鶏口牛後」は、大きな組織などに従うよりかは小さな組織などの長になる方が良いことを例えた四字熟語です。

「鶏口」は鶏のくちばしの意味で小さな組織の長の例えとされます。
「牛後」は牛のお尻の意味で大きな組織の後の例えとされます。

もともとは古代中国の言葉で、強国の秦に屈するか戦うか迷っていた韓の恵宣王に対し遊説家の蘇秦が抗う道を説いたという故事に由来するそうです。

転じて、大きな組織に従うより小さな組織の長になる方が良いという意味で使用されるようになったとされています。

その点が「寄らば大樹の陰」と相反する意味と言えるでしょう。

大鳥の尾より小鳥の頭

「大鳥の尾より小鳥の頭」は、大きな組織で人の尾についているより小さな組織でも頭になった方が良いということを例えたことわざです。

「大鳥」が大きな組織、「小鳥」が小さな組織を意味します。

その点が弱者より強者に頼るという意味の「寄らば大樹の陰」とは別物と言えるでしょう。

まとめ

「寄らば大樹の陰」は頼るなら力のある人に頼るべきだということを例えたことわざです。

細くて小さな木に集まっても心許ないですが、太くて大きな木に集まれば安心できるのではないでしょうか。

そういった状況を例えたのが「寄らば大樹の陰」となります。
現代では人物に対して使用されるのが一般的なので、ぜひ日常生活でも使用してみてはいかがでしょうか。

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