「葦の髄から天井を覗く」とはどんな意味?その由来や類語語は?
自分の視野が狭いことを意味することわざ、それが「葦の髄から天井を覗く」です。
しかし、そもそもこの言葉はどのような状況を意味するのでしょうか。
今回は「葦の髄から天井を覗く」の意味と併せて由来や類義語についても解説します。
「葦の髄から天井を覗く」とは
ここでは「葦の髄から天井を覗く」の意味を解説します。
「葦の髄から天井を覗く」の意味
「葦の髄から天井を覗く」は、自分の狭い見識に基づいて物事を勝手に判断することを例えたことわざです。
言葉自体は細い葦の茎の管を通して天井を見ただけで天井全体を見たと思い込むことを意味しています。
転じて、浅い知識で自分勝手に判断してしまうことを意味するようになったとか。
「葦の髄から天井を覗く」の用い方・例文
「葦の髄から天井を覗く」は、見識や知識の浅さや狭さに対して使用します。
現代では「葦の髄から天井を見る」のように表現されることもありますが、どちらも意味合いとしては同じです。
・例文1:彼は自分の狭い見識だけで物事を判断しているからか他人から信用されていない。葦の髄から天井を覗くとはこのことである。
・例文2:彼女は葦の髄から天井を覗くように、いつも自分の浅い知識だけで勝手に物事を判断してしまう節がある。
このように狭い見識や浅い知識で物事を判断していることに対して使用するのが「葦の髄から天井を覗く」となります。
ただし、戒めの意味で使用されることもあるので注意したいです。
・例文3:1つの物事だけで判断していては真実など見えてこない。葦の髄から天井を覗いていては本当に大切なものを見失うぞ。
このように、自分自身の見識の狭さや知識の浅さに対して使用する場合もあります。
「葦の髄から天井を覗く」の成り立ち
ここからは「葦の髄から天井を覗く」の成り立ちを解説します。
「葦の髄から天井を覗く」は葦の性質が由来
「葦の髄から天井を覗く」は植物の「葦」の性質が由来となっています。
「葦」はイネ科の多年生植物で、茎が空洞になっているのが特徴です。
もともと「葦」は地中を這うように伸びる地下茎を持ち、その節からひげ根を伸ばして生長していくという特性を持っています。
そのため、断面から覗くと穴から先が見える構造となっています。
転じて、その「葦」の性質から「葦の髄から天井を覗く」という言葉が生まれました。
葦には「あし」と「よし」の読み方があるけれど・・・
「葦の髄から天井を覗く」の「葦」には2つの読み方があります。
1つが「あし」で、もう1つが「よし」です。
一般的に植物としての「葦」は「あし」と読みます。
しかし、ことわざの「葦」では「よし」と読まれます。
この違いがあるということも合わせて覚えておきたいです。
「葦の髄から天井を覗く」の類義語
ここからは「葦の髄から天井を覗く」の類義語を紹介します。
井の中の蛙大海を知らず
「井の中の蛙大海を知らず」は、自分の狭い見識や浅い知識に囚われてしまって物事の大局的な判断ができないことを例えたことわざです。
井戸の中にいる蛙は井戸の中の世界しか見たことがありません。
当然ながら、知っていることは井戸の中のことだけで広い海のことなど知りようもありません。
転じて、狭い見識や浅い知識に囚われて大局的な判断ができないこととして例えられるようになったとされています。
その点が「葦の髄から天井を覗く」と重なるのではないでしょうか。
貝殻で海を量る
「貝殻で海を量る」は、自分の狭い見識や浅い知識で議論することを例えたことわざです。
いくら小さな貝殻で海の水の量を測ろうとしても無理があります。
転じて、特定の問題に対して無謀な計画で議論することを「貝殻で海を量る」と表現するようになったのだとか。
その点が「葦の髄から天井を覗く」に通ずるのではないでしょうか。
夏の虫氷を笑う
「夏の虫氷を笑う」は、見聞のない人間が傲慢に構えることの例えです。
この言葉自体は夏の間だけ生きている虫は世間に氷というものがあることなど知らないから笑っていられるということを意味します。
転じて、知見のない人間があたかもすべて知っているように振る舞うような様子を指すようになったのだとか。
その点が「葦の髄から天井を覗く」と似ているかもしれません。
まとめ
「葦の髄から天井を覗く」は小さな物事から大きな物事を判断しようとする見識の狭さを意味することわざです。
この言葉は茎が空洞になっている植物「葦」から来た言葉で、その穴から天井を覗くことを例えた表現となっています。
特に自分の狭い見識や知識に基づいて物事を勝手に判断すること意味するので、日常生活でも使用してみてはいかがでしょうか?
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