<ライブレポート>NCT WISH、フレッシュなパフォーマンスでシズニを魅了 デビュー後初のツアーを開催

 昨年、7月に放送がスタートしたSM ENTERTAINMENT初のプレデビュー・リアリティ番組『NCT Universe : LASTART』で選ばれ、“無限拡張”を掲げる“NCT”最後のグループとして結成されたNCT WISH。今年の2月28日にデビューした彼らが、デビュー後初のアジアツアー【2024 NCT WISH ASIA TOUR LOG in JAPAN】を、11月3日の石川公演を皮切りにスタートした。本稿では、11月27日に神奈川・パシフィコ横浜国立大ホールにて開催された公演の模様をレポートする。

 デビュー曲「WISH (Japanese Ver.)」が会場に流れると、5人が登場(リクは休養中のため不参加)。シオンが「シズニ(NCTのファンネーム)、叫べ~!」と呼びかけると、それに応えるように会場からは溢れんばかりの歓声が湧きあがる。フレッシュな魅力を存分に見せつけると、奇跡的な出会いが永遠に続くことを願う気持ちを表現した「Steady」、デビュー・シングル収録曲「Sail Away (Japanese Ver.)」を続けて披露。キレのあるダンスパフォーマンスで、オープニングから会場中のシズニを魅了した。

 ステージからメンバーが去ると、ビジョンには恋愛ゲームのような映像が映し出される。今回のツアー・コンセプトは、ゲームの世界に引き込まれたNCT WISHが、パフォーマンスを通してゲームを観客とともにクリアしていくというものになっており、VTRやパフォーマンスでもその要素が盛り込まれていた。映像では、スーツ姿のシオンが会社員の設定で「仕事終わったらごはん一緒に食べる?」と問いかけたり、制服姿のリクが卒業式という設定のもと第二ボタンをシズニに渡すなど、バラエティに富んだシチュエーションに会場からは悲鳴に似た歓声が上がる。鐘が鳴り、ゲームの世界から出てきたように、制服風の衣装に着替えたメンバーが再び登場すると、「3 Minutes」をパフォーマンス。机が並んだ学校のようなステージで、真っ直ぐな気持ちを歌唱する。

 シオンの「2024 NCT WISH AISA Tour LOG in JAPANにようこそ!」という挨拶からそれぞれの自己紹介へ。ジェヒの「会いたかったです! 言わないつもりだったけど、無理だ。シズニ、愛してる」と、先ほどの恋愛ゲームでも出てきたセリフを使った挨拶は、会場中のシズニの目がハートに。シオンは横浜で公演をすることについて、「横浜はイベントで来たことがあるのですが、今日、ついにNCT WISHのツアーとして来れて、うれしおん」と、自分の名前を入れて喜びを表した。

 「カバー曲でシズニのハートをGETせよ!」というミッションのもとカバー・ステージも披露。NCT WISHのプロデュースを手がけたBoaの「No.1(JPN ver.)」や、NCT Uの「Make A Wish」を大人びた表情でキレキレに踊ると、その熱気を保ったまま、「Hands Up」「Dunk Shot」をパフォーマンス。「Dunk Shot」では、曲中にシュート・チャレンジが行われたが、成功したのはユウシのみ。罰ゲームとして、キリンや牛、天使などの被り物をかぶって踊ることになり、その姿に会場の各地からは「かわいい!」の声があがった。

 公演当日にデジタル・リリースされた日本1stアルバム『WISHFUL』の収録曲も披露し、盛り上がりを見せた。「CHOO CHOO」と「NASA」を披露した後のMCでは、「ライブで見るほうがもっといい?」というシオンの問いかけに、シズニは元気に返事をする。また、アルバムのティザーについて話題があがると、リョウは「ダンスシーンが一つもなくて、ストーリーで構成されているので、ぜひショート映画みたいに楽しんでもらえたら嬉しい」とコメントした。

 ライブもあっという間に終盤に。遠くに飛んでいきたい気持ちを表すような振り付けが特徴的な「FAR AWAY」と、軽快なリズムのサウンドで思わず体が動いてしまう「Touchdown」、最後は中毒性のあるギターリフが際立つ「Songbird (Japanese Ver.)」と、ジャンル豊かなトラックをパシフィコに響かせ、本編の幕を下ろした。

 アンコールを求めて、シズニが「Tears Are Falling(Japanese Ver.)」を歌うと、衣装チェンジしたメンバーが登場。大変なことが起きてもいつも傍で力になるという、シズニに贈る「Tears Are Falling(Japanese Ver.)」を柔らかな笑顔で歌い、オーディエンスもペンライトを一生懸命に振ったり一緒に歌ったりと、会場が一体感に包まれる。

 NCT WISHへの思いが溢れて止まらない中、それぞれ最後の挨拶へ。「シズニに会うのが一番の幸せ。京都の公演が終わって二週間ぶりだったんですけど、本当に長かったです。会えて嬉しかったです。やっぱりシズニしかいないですね、大好きです」(ジェヒ)、「趣味がなくてもシズニとステージをすることが、一番たのしおんです」(シオン)と、それぞれシズニへの思いを伝えた。ユウシは、広い会場を見渡して、「こんなにたくさんの方が来てくれて、会えて嬉しかったです」と感慨深そうに語った。公演の前(11月18日)に誕生日を迎えたサクヤは、シズニからのバースデーコメントにも感謝を伝えた。リョウは、「これからもっともっと大きくなっても、みなさんずっと一緒にいてくれますよね? (大きな返事が返ってくる)僕たちはその言葉だけを信じて頑張っていきます。あんがと!」と力強く語った。

 「一番温かい曲、Wishful Winter、Let’s go!」(シオン)という呼びかけのもと、アルバムのリード曲「Wishful Winter」を披露。スタンドマイクを使い、ホリデーの特別感を感じさせる温かな歌声を響かせた。最後は「Our Adventures」を、客席を歩き、シズニと近い距離で笑顔を見せあいながら歌い、感謝と愛を届けてステージを後にした。デビューから約9か月ながら、パワフルなパフォーマンスで会場中を魅了したNCT WISH。12月25日には日本1stアルバム『WISHFUL』のリリースも決定しており、エネルギーに満ちた6人の今後に目が離せない。

Text by Sakika Kumagai

◎公演情報
【2024 NCT WISH ASIA TOUR LOG in JAPAN】
11月3日(日)石川・本多の森北電ホール
11月4日(月・祝)石川・本多の森北電ホール
11月9日(土)京都・ロームシアター京都
11月10日(日)京都・ロームシアター京都
11月27日(水)神奈川・パシフィコ横浜国立大ホール
11月28日(木)神奈川・パシフィコ横浜国立大ホール
11月30日(土)兵庫・あましんアルカイックホール
12月1日(日)兵庫・あましんアルカイックホール
12月6日(金)福岡・福岡サンパレス ホテル&ホール
12月7日(土)福岡・福岡サンパレス ホテル&ホール
12月12日(木)愛知・Niterra日本特殊陶業市民会館 フォレストホール
12月13日(金)愛知・Niterra日本特殊陶業市民会館 フォレストホール

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