「能ある鷹は爪隠す」とはどんな意味?

褒め言葉に使用されることわざ、それが「能ある鷹は爪隠す」です。
しかし、そもそも「能ある鷹は爪隠す」は何を意味するのでしょうか?

この記事では「能ある鷹は爪隠す」がどのような言葉なのかを解説します。

「能ある鷹は爪隠す」とは

ここでは「能ある鷹は爪隠す」の意味を解説します。

「能ある鷹は爪隠す」の意味

「能ある鷹は爪隠す」は、実力のある者ほどそれを表面に現さないことの例えです。

ここでの「能」は「能力」の意味であり「脳」ではないので注意しましょう。

あくまでも「能ある鷹は爪隠す」はスキルやテクニックがあるにもかかわらず自ら見せびらかすようなことはしないというニュアンスで使用されます。

逆に能力がない人ほど自分が持っている能力をひけらかし、あたかも力があるように振る舞うものです。

「能ある鷹は爪隠す」はそういった人には使用されません。
むしろ目立ちはしないものの確かな力を持っている人に対して使用される言葉といえるでしょう。

「能ある鷹は爪隠す」は褒め言葉として用いられる

「能ある鷹は爪隠す」は褒め言葉として使用するのが一般的です。
特に本当の実力の持ち主はみだりに人に見せびらかすようなことはしないという意味合いで使用します。

例えば、普段から「自分は頭が良いのだ」と言わんばかりにベラベラと話している人より、ある日突然実力を発揮した人の方が印象に残るのではないでしょうか。

「能ある鷹は爪隠す」はそういった人に対して使用することわざです。
逆に、自ら自分の能力を過信して自慢するような人に対して「能ある鷹は爪隠す」とは表現しません。

本当は能力があるのに他人にひけらかしたりしない人に対して使用する言葉です。

「能ある鷹は爪隠す」の類義語

ここからは「能ある鷹は爪隠す」の類義語を紹介します。

大賢は愚なるが如し

「大賢は愚なるが如し」は、賢い人ほど愚かな人に見えることの例えです。

非常に賢い人は自ら知識や技術を表面に見せるということはしません。
他人に対して自ら進んで「自分には実力がある」と自慢することもありません。

しかし、それゆえにちょっと見たところでは愚かな人に見えてしまうものです。
そういった一種の逆転現象を例えたのが「大賢は愚なるが如し」となります。

転じて、この言葉には「賢い人ほど自慢しないものだ」という意味が含まれるようになったと考えられています。

その点が「能ある鷹は爪隠す」に通じるのではないでしょうか。

深い川は静かに流れる

「深い川は静かに流れる」は、中身が伴っている人ほど過度に騒ぎ立てたりせず物静かなものであるということの例えです。

内容のある充実した人生を送っている人ほど物静かだという例えでもあります。
実際に深い川は静かに流れるのに対して、浅い川は騒々しいものです。

転じて、実績がある人ほど過度に自慢したりしないことの例えとして使用されるようになったとされています。

その点が「能ある鷹は爪隠す」と似ているのではないでしょうか。

「能ある鷹は爪隠す」の対義語

ここからは「能ある鷹は爪隠す」の対義語を紹介します。

空き樽は音が高い

「空き樽は音が高い」は、中身のない人に限って大袈裟な言動をするものだという例えです。

中が空の樽を叩くと高い音がしますが、中が満たされた樽は低い音がします。

転じて、中身のない軽薄な人ほど表現が大袈裟である例えとなったとか。

その点が「能ある鷹は爪隠す」と相反するのではないでしょうか。

鳴く猫は鼠を捕らぬ

「鳴く猫は鼠を捕らぬ」は、口数の多い人間に限って喋るばかりで実行が伴わないものだという例えです。

本来、猫は鼠を捕るのが得意な生き物とされています。
しかし、しきりに鳴く猫はあまり鼠を捕るのが上手ではありません。

転じて、実行力がない人への例えとして使用されるようになったとか。

その点が「能ある鷹は爪隠す」と反対の意味といえるでしょう。

まとめ

「能ある鷹は爪隠す」は能力のある人ほど自分の力は自慢しないものだということを例えたことわざです。

実際に実力のある人は自ら自慢するようなことはしません。

力がない人ほど「自分には力がある」と強がるものです。
そういった状況を例えたのが「能ある鷹は爪隠す」となります。

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