【特別企画】 「羊皮紙をめぐる冒険」刊行記念対談              八木健治(羊皮紙工房)・植村愛音(古本と手製本ヨンネ)           モノづくりでは遠回りも無駄じゃない

【特別企画】 「羊皮紙をめぐる冒険」刊行記念対談              八木健治(羊皮紙工房)・植村愛音(古本と手製本ヨンネ)           モノづくりでは遠回りも無駄じゃない

ヤ(八木) はじめまして。よろしくお願いします。ヨンネさん、植村さん、どちらでお呼びすればいいでしょうか? ヨンネさんの名前の由来は何ですか?

ヨ(植村) はじめまして。どちらでも好きなほうが呼んでください(笑)。「ヨンネ」は一箱古本市などに出店する時と同じように屋号があったら覚えてもらいやすいかなと思い、自分の名前が愛音(あいね)なので「ね」を入れた名前でうちの夫に考えてもらいました。

 そうなんですか。対談していただけるということで、ヨンネさんが「本の雑誌」(2022年9月号)の「特集 本を直す!」で服部文祥さんの壊れた本を修復されたときの記事を読ませていただいたんです.その印象は作業工程をしっかり書いていてものすごく真面目な方というか職人気質な方。あと「絶景本棚3」(本の雑誌社)でヨンネさんの本棚の本も見せていただいたんですが……。

 ヤバい!

 一面本棚になっていてすごいなあと。本の内容はすごく謎でした。「ゲゲゲの鬼太郎」もあればロックの本もあって破天荒というか(笑)。

ヨ そんなにたくさん読んでるわけでもないし読書家とは違いますけど本は好きです。積読状態のものもいっぱいあるんですよ。あれは床に積まれていた本を本棚に詰め込んだので一見きれいに撮ってもらってます(笑)。

 本の雑誌で読んだ記事の印象とすごく違っていて面白いなと思いました。お話しするのが楽しみです。よろしくお願いします。

H1_A_C_02a_obi_light (1).jpg 11月29日 本の雑誌社より発売「羊皮紙をめぐる冒険」

 「羊皮紙をめぐる冒険」をいち早く読ませていただきました。面白くてすごい速さで読みました。

 うれしいです。不安で不安でしょうがないから(笑)。羊皮紙について書くのは気分が楽なんですけど、今回は「八木さん自身のことを書いてください」と依頼を受けて、自分のことになると本当にわかんないので、これが拒否られたらどうしようっていう恐怖があって(笑)。

 執筆依頼から1か月ぐらいで10万字、一気に書かれたと編集者さんから伺ったのですが、その勢いを文章から感じるからこちらも一気に読めちゃった感じでした。あの突き進んでいく感じが面白い。羊皮紙ではなくても何かにハマっている人はみんな共感できると思います。八木さんの「真面目なオタク」ぶりというか、追究心がすごい! 疑問に思ったら調べて実践して現場に調べに行く。それがドラクエ観を出して書かれているから、メチャメチャ面白い。

 ありがとうございます。安心しました(笑)。現場に行くのはすごく学びになりますよね。現場に行ってそこの人に触れて、そこにあるものを見る。日本でぐるぐる考えているだけでは本当にわかんなかったですから。

 最近は現場行かない人が多い気がするんです。ネット上で調べようと思えばある程度のことが調べられるのでそれで終わりっていうパターンも多い。YouTubeで見てこれぐらいわかればOK!ってなればそれでもいいですけど、やっぱり実際に見ないとわからないことがいっぱいある。それを実践していらっしゃるのは八木さんはすごい。なにかにハマっている「沼の人」は疑問に思ったところを追究していくと思うんです。「なんでこうなってるんだろう」「どうしてこうできてるんだろう」と思ったところを「知ってみる」「やってみる」のは私にも共通点しているところだと思いました。

 あと、読んでいてまず気になったんですが、ご自宅のお風呂場に8日間羊皮紙を漬けているとき、ご家族の入浴はどうされていたんですか? 

 衣装ケースに入れていつもは台所に置いてあって皮を洗うときだけ風呂で持っていくので。

 ああ! いつも置いているのは台所のところなんですか!

 そうなんです。

ヨ 密封していても臭わないんでしょうか?

 臭いは個人的にはしないと思ってるんですけど……。

 羊皮紙づくりに疲れて途中でよい香りのアロマにハマった話も出てきますが、「アロマも買うんじゃなくて八木さんは自分で作るんだ!」ってびっくりました。

 自分のパターンなんでしょうね。あのときは植物の栽培からやりました(笑)。

 あと、この本を読んで面白いと感じたのは、本の各部の名称に体の部位の名前があることとの関係です。「背」「のど」「小口」という呼び名がありますが、羊皮紙で考えるとまさに「背表紙」は「背」だなと。英語だとなんて言うんでしょうか?

 本の背は「スパイン(spine)」、背骨です。

ヨ やっぱりそうなんですね。

 羊皮紙は背中であった部分が分厚くて丈夫なので、製本の際に折っていくときには縫い目で一番力がかかるところに背の部分を持っていくということを読んだことあります。

 私は本を見るときにどう綴じているのかはまず背を見るので、その辺りが気になりました。

ひつじ、ヤギ、仔牛の皮をあてるヨンネさん.jpg

ひつじ、山羊、仔牛の皮をあてクイズをする八木さんとヨンネさん

 ヨンネさんは、本の修復がお仕事なんですよね。

 「修復」というと博物館や美術館の文書とか貴重な本も直すふうに捉えられますが、私は一般の個人の方の本を直しているので「修理」になりますかね。イメージは町の靴の修理屋さんみたいな感じです。図書館で修理だけのアルバイトもしています

 ヨンネさんが製本や本の修理に興味を持ったきっかけはなんだったんですか?

 最初は本屋さんでバイトしていたんです。その後図書館で働いて、図書館のバックヤードに壊れた本が積み上げられていて直さなきゃいけないけど誰も直し方がわからない状態が気になったんです。司書の資格をとるときにも本の直し方は習わないですし、みんな適当な直し方をしていました。それで製本ができるようになれば直せるようになるんじゃないかなと思ったんです。それで製本を習い始めました。

 そうだったんですか。司書で製本を自分で習う人はあまりいないんじゃないですか?

 私が入った頃はいなかったですね。でも、最近は本の修理の講座をやると図書館で働いている方が習いに来るんです。図書館に呼ばれて講座をもつこともあります。

 応急処置的なことを教えるんですか?

 う~ん。そこがちょっと難しくて。結局、製本を知らないと本は直せないんです。みんな「簡単に直したいんですけどどうしたらいいですか?」って言うんですけど、簡単には直せません。ですから、最初の講座では、一冊ごとに同じ壊れ方をしているわけではないこと、その本がどういうふうに作られているかを知れば作られたときと同じように直すこともより良く直すこともできることをまず伝えるようにしています。みんな「本の修理マニュアル」を欲しがりますけどないんです。

 あとはその本を今後どうしたいかによっても直し方は変わります。依頼主がいればその本を今後どうしたいかにしたがって修理の仕方が決められるんです。図書館は図書館に修理の方針を決めてもらいたいんですけど決まっている図書館はほとんどないと思います。現状では廃棄する本を手間かけて直したり。貴重な本を適当に直しちゃったりするパターンもあると思います。

 そうなんですね。図書館で一番多い壊れ方ってあるんですか?

 公共図書館の本はブッカーというビニールのシールみたいなものでカバーされています。 それがあると表紙が壊れることはまずないです。表紙が壊れないことはいいのですが、表紙は本来中身を守るためのものなので、壊れてもいいものだと私は思っています。表紙が壊れて変えれば中身は保たれるけれど、ブッカーをかけた表紙は壊れないまま中だけペロッと取れてしまう。ブッカーがかかっていると表紙を外せないのでちょっと直しづらいんです。

 例えば、手作業で製本された本と工場で大量生産された本では直し方を変えるんですか?

 そうですね。あと、何でも壊れたら修理したほうがいいと思われがちですが、手を加えてしまうと別のものになってしまうので、元々の本が資料として大事であれば壊れてもそのままで保存することがよいこともあります。現代の流通している本は絵画と違って1点ものではないので、公共図書館で言えば、その図書館の方針に従って読みまわせるように直すというのもひとつです。

ヨンネさんのお母様のスペイン土産の羊皮紙カバーのメモ.jpg

ヨンネさんのお母様のスペイン土産の、羊皮紙カバーのノート

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ヨンネさん制作の豆本の数々

 今日は八木さんにお会いするということで、うちにある羊皮紙の表紙かなと思うノートを持ってきました。これ、私が高校生の時に母がスペイン巡礼のお土産で買ってきたものなんです。私と妹の誕生日の8月、9月を示す文字とイラストが描かれているんですが、私も妹も興味なくて実家に置きっぱなしでした。

 このカバーはヒツジですね。中は手すきの紙で、いいですね。

 やっぱり触るとわかるんですか?

 100パーセントではないですけど、わかります。スペインはヒツジの国ですし。

 あと、編集者さんのリクエストで私が作っている豆本も持ってきました。仕事は本を直すことですがワークショップで豆本を作ったりしているんです。

 (マカロン形の豆本を手に取って)面白いですね。中がじゃばらになっていて。

 本は四角いので、視覚的に何か違う形のものを作ろうかなと思って。製本は硬いイメージだし可愛さがゼロだからポップで可愛いものにして、ワークショップに人を呼んでみようと思ったんです。

 イスラムのコーランにこういうのがあります。まさにこの形でサイズもこのぐらいでびっしりとアラビア文字が手書きで書いてあるんですよ。

 そうですか!

 羊皮紙で豆本を作りたいという方から注文が来たりもしますけど、薄い羊皮紙はなかなかないんです。輸入先もあまり紙の厚さをコントロールできていなくて、私のほうで送られてきたものに薄いものがあれば豆本用の注文に回すようにしています。羊皮紙には規格がないので。

***

 八木さんは、「羊皮紙のめぐる冒険」の口絵に写真がある豪華写本も持ってきてくださったとか。

 はい。単なる展示用ですけど。

 ゴツイ! ヤバい! 完成度が高いですよね。デコッたのもすごい。これもご自身で?

 そうです。会社の近くに天然石屋さんがあってお昼休みに天然石屋さんに通ってました。中の一部分だけ仔牛の羊皮紙を使っています。片面だけしか書いてない写本なんですけど、裏の透け感を出すために適当に裏は適当に書いて。他のページは普通紙です。展示用なので。

 これは何綴じですか?

 ホッチキスどめした折丁どうしを糊で強制的にくっつけているんです。正しい製本方法ではないです。

 でも、こういう製本あるんですよ。私も最近修理に来られた方の本を見て「なんだ! この背は?」と思って調べて知ったんですが。その本はホッチキスではなく1折ずつ針金でまとめて支持体のところにその針金をガンガン留めていました。1折に4か所ぐらい留めてましたね。この本と同じやり方です。基本的に製本は1折をどう綴じるかと折をどう繋げるかなので、そこがクリアできればとりあえずまとまるので。

 一応、製本のプロにお墨付きをいただきました(笑)。

 この方法は針金が錆びて紙を傷めるのが難点です。依頼された本は分解はしませんでした。中はカッチリしてたので針金は外さないで表紙だけ直しました。

八木さん作豪華写本.jpg

八木さん作豪華写本

 そもそも山羊、仔牛の皮も日本で「羊皮紙」を呼ばれるのはどうしてなんでしょうか?

 中国の文献で「西洋人は羊皮を文字書きに使うけども中国とか西域の方では、ランプにして使う」というような記述があって中国から入ってきた言葉なのではないかと聞きました。中国から「羊皮の紙」として入って来て、そのまま受け入れたんじゃないかなと。

 名前からして全部ひつじの皮からできてるのかなと思っちゃいますよね。

 そうですよね。「獣皮紙」という呼び方もあるんですが、製本や家具業界では「パーチメント(parchment)」という言葉を使います。けれど、一般の人がわかりづらい。だからとても説明に困るんです。そんな感覚でいたので、和紙に「雁皮紙」という種類がありますが、それを見たときに「鳥でも紙を作れるんだ!」と間違えてしまいました(笑)。

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八木さんが初めて作った羊皮紙の写本

 もう一つ。これも口絵に写真が載っているものですが、私が一番最初に風呂場で作った羊皮紙を使った写本です。2007年以来人前に出していなかったので保存状況はいいです。

 中は八木さんの手書きですか⁉

 そうです。未完成でほったらかしにしてあったんです。製本を知らないで綴じています。

 文字だけでなくツタ模様なども彩色で描かれているんですね。

 結構大変でした。このとき初めてカリグラフィの本も買って描いたんです。

 めちゃめちゃきれいです。初めてでここまで描けるのがすごい。何が書かれているんですか?

 旧約聖書の「ルツ記」です。今ほどYouTubeが広まっていたら、こんなことをやらなかったからだろうなとも思います。情報がありすぎて、事前に知っちゃうと「これ、無理だわ。大変だわ」って思ってやる気が出ない。知らないからこそやってみようって思えたんだと思います。だいぶ進んだ頃に「こんなに大変なのか!」って、思ったけれどもうやめれなかった(笑)。一応文章は最後まで書きました。

 これが上野の美術館とかに一枚置いてあったら、中世ヨーロッパのものと見分けがつかないと思いますよ。

 でも、これ、詳しい人に見せたらけちょんけちょんにけなされてすごい落ち込んだ作品なんです。

ヨ まんべんなく同じ線の太さで並んでいて、きれいだと思います。

 ありがとうございます。自分でも最初にしてはいいかなと思ってます。最初はインクを弾いてしまって書けなかったので処理したんですけど、結果としてインクがにじむことなく書けたので、「やったじゃん」って思いましたね(笑)。

 これ、表紙に金具も付いていてすごいですね。折にして紐で綴じていますが、何かで見て作ったんですか?

 ネットか何かで調べたんだと思いますが、このゆるゆるの綴じに愛嬌がありますよね。一生懸命やってる感があって(笑)。

 不思議な綴じ方だけど、羊皮紙が丈夫だから外れないんでしょうね。紙だったら切れてしまったかもしれない。

 紙と違って皮だから構造的に強いんでしょうね。自分の皮膚だって「伸ばしたらやぶれた!」となったら大変じゃないですか。

 確かに!(笑) 羊皮紙の本を修理したことはないのですが、強度も気になります。

***

 八木さんは今は羊皮紙の販売が主とのことですが、どのような用途で買う方が多いんですか?

ヤ 体験型学習で使いたいという学校の先生が多いです。あと魔術用も。天体の動き的に来年護符を作るといいそうですよ。実は日本に多くの魔術師がいるようですね(笑)。

 あと結婚証明書の注文もあります。結婚証明書についてはこの本にも書きましたが、何度やっても緊張します。証明書の文面はあらかじめいただいて印刷するんですが、サインは手書きでしていただくことになるので、羊皮紙を知らない方にはまずサンプルで3種類の動物の切れ端を送って、自分たちで書けるかどうかを試してもらい、OKなら作ることにしています。私自身は、羊皮紙の販売に徹したいんですが、プロの印刷の方でも羊皮紙への印刷はギャンブルだと言うぐらいなので、私が関わることになってしまいます。

 以前、大学の先生からの注文で、学生のゼミ論集を全部羊皮紙で作ったことがありますが大変でした。面付けを考えてアウトして出すんですけど、インクヘッドが引っかかって紙が折れたり給紙の向きを間違えたり、いろんなトラブルがあって、やれ紙がものすごいいっぱい出たんです。「やれ羊皮紙」。

 それはまずい!(笑)

 うねったりするので、どうしても平面にならないんですよね。

 インクの湿度でもうねりそうですね。

 そう、うねるんですよ。出てくる時にヘッドが「カサカサカサ」って嫌な音がするんです。シルクスクリーン印刷のほうがうまくできるんですけど、やっぱり失敗して買いなおす羊皮紙コストが高いので、商業的に使うには難しいですね。

 今後の羊皮紙の使われ方としては、どんなものがよいと考えられますか?

 一枚もののアート作品などではないかと思います。今だからこそある技術とか手法とか画材を使って羊皮紙に描くとまた違う形の作品ができるんじゃないかなと思うし、そういう実験なさってる方もいます。

***

 八木さんは羊皮紙をみんなに知ってほしい、広めたいというお気持ちはありますか?

 実は特にないです(笑)。みんなに知っててほしいという思いはそんなに別にないんです。自分が学んできたことが誰かの役に立てばいいとは思いますが、だれかと一緒にやりたいという気持ちもないです。それで自分が好きなことを否定されたくない気持ちもあるので。

 わかる気がします。でも、八木さんは日本で唯一の羊皮紙専門家ですが「弟子にしてほしい」と言ってくる方はいませんか?

 います。「羊皮紙工房」で働きたいって言ってくる方がいるんですけど、なにせ1人が好きなんで(笑)。人を雇うほどの収益はないですし。ご自分でなさるのであれば精一杯支援しますけど。ヨンネさんも弟子はとってないですよね?

ヨ ええ。どんどん自分でやっていかないと意味がないので、入口だけは伝えます、というつもりでやってます。結局自分でやらないとわかることができないから。「遠回りは遠回りじゃない」って、いつも思うんです。近道したらわからないことがいっぱいあって、結局、遠回りしてみないとわからないよって思ってしまうから。

ヤ でも。遠回りしているときはイライラしませんか? 近道して早く終わらせたいみたいな感じで。

ヨ ああ、その気持ちもわかります。でも、羊皮紙づくりでも共通すると思うんですが、待つ時間が必要だったりしますよね。待って乾かす時間があるから次の工程に行けるのに、ちょっと早まると失敗するんです。焦らないことの重要さを経験から学びました。

ヤ 羊皮紙も早くきれいに一定のクオリティのものを作ることが優先であれば薬品を使って工場生産すればいいんですけど、私は中世の方法でのスローペースのそのペースを知りたいので、プロセス重視です。でも、わかっていても飛ばしたくなるんですよね。

 飛ばしてみてうまくいって「これは飛ばしていいやつだったんだ」ってなればいいと思います。

 うまく適用していくということですね。例えば、AIを活用して時間を短縮できる肯定があるなら活用することはいいと思います。その分、クリエイティブな部分をやることに人間は集中すればいいと。

 伝統工芸と一緒ですよね。

 でも、今の時代で最初にChatGPTに「羊皮紙づくり、いけると思いますか?」と聞いて「日本ではだめでしょう」って言われていたら諦めていたかもしれない(笑)。

 いやいや。八木さんは絶対作りますよ。ChatGPTに作り方を聞くことはあっても。

 そうかもしれませんね。そうすれば無駄なことはしなくてよかったかもしれないですけど、無駄も面白かったです。何よりこの本のネタになったわけですし(笑)。

 あっという間でしたが、いろいろなお話ができて楽しかったです。ありがとうございました。

ヨ こちらこそ、楽しかったです。ありがとうございました。

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八木健治(やぎ けんじ) 

羊皮紙工房主宰 自宅の風呂場でひつじの毛を剥ぎ羊皮紙を作ることから出発し、現在は羊皮紙の販売、羊皮紙写本等の展示、および羊皮紙や写本に関する執筆・講演等を中心に活動。 『羊皮紙の世界』(岩波書店、2022年)、『羊皮紙のすべて』(青土社、2021年)、『映画で味わう中世ヨーロッパ』(分担執筆、ミネルヴァ書房、2024年)、『図書館情報資源概論』(分担執筆、ミネルヴァ書房、2018年)、『モノとヒトの新史料学』(分担執筆、勉誠出版、2016年)をはじめ、羊皮紙や書写材に関する文章を多数執筆。西洋中世学会会員。

羊皮紙工房ウェブサイト:https://youhishi.com

植村愛音(うえむら・あいね) 古本と手製本 ヨンネ

1977年、東京生まれ。書店員、公共図書館、印刷会社勤務を経て2011年「古本と手製本ヨンネ」をはじめる。本の修理、少部数の受注製本、手製本教室(西荻窪や自宅にて)、本屋さんなどへの出張ワークショップ、図書館や美術館での手製本講座、図書館職員さん向け本の修理講座など、手製本を広めるため、つくったり、伝えたり、手製本の日々。 著者に『はじめて手でつくる本』(エクスナレッジ刊)がある。

古本と手製本 ヨンネHP https://yon-ne.com/

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