【米ビルボード・アルバム・チャート】ジェリー・ロール自身初の首位、ロッド・ウェーブ/グロリラTOP5デビュー
米テネシー州出身のシンガー・ソングライター=ジェリー・ロールの『ビューティフリー・ブロークン』が1位に初登場した、今週の米ビルボード・アルバム・チャート。
『ビューティフリー・ブロークン』は、昨年6月に発表した前作『ウィットシット・チャペル』から約1年半ぶり、10枚目のスタジオ・アルバムで、その前作が記録した3位を上回る自己最高位と、自身初のNo.1タイトルを獲得した。TOP10入りも、『ウィットシット・チャペル』に続く2作目のランクインとなる。
初週(2024年10月11日~10月17日)のユニット数は161,000で、週間ユニット数も自己最高記録を達成。161,000ユニットのうち114,000がアルバム・セールスで、週間セールスとしても今週の最高売上枚数、自身の週間最高セールスを記録した。また、セールス・チャートでも1位に初登場している。
2024年にリリースされたカントリー・アルバムとしては、ビヨンセの『カウボーイ・カーター』(407,000ユニット / 4月13日付)、ポスト・マローンのニュー・アルバム『F-1 トリリオン』(250,000ユニット / 8月31日付)に続く3番目に高い週間ユニットで、今年のチャートではモーガン・ウォレンの『ワン・シング・アット・ア・タイム』、トビー・キースの『35 Biggest Hits』を含む5枚目のNo.1アルバムに輝いた。なお、カントリー・アルバムが1年間に5作首位にランクインするのは、2014年以来10年ぶりのチャート・アクションとなる(カントリー・アルバムの定義はカントリー・アルバム・チャートにランクインした作品、またはランクインする条件が備わっている作品とする)。
『ビューティフリー・ブロークン』の初動ユニット161,000の内訳は、セールスが114,000、ストリーミングが44,000(全28曲で5,886万回)、トラックによるユニットは3,000で、14曲を収録した通常盤(CD、アナログ盤、カセットテープ)、22曲を収録したエクスパンデッド・エディション(デジタル・ダウンロード、ストリーミング)、27曲を収録したデラックス・エディション(公式ウェブサイトでデジタル・ダウンロードのみ販売)、28曲を収録したデラックス・エディション(デジタル・ダウンロード、ストリーミング)の4種類でリリースされた。
フィジカルは、7種類のアナログ盤、3種類のCD(セールスの合計は65,000枚で、公式ウェブサイトで販売されたサイン付きのエディション含む)、1種類のカセットテープがあり、デジタル・ダウンロードは3種類で32,000枚を売り上げた。なお、公式ウェブサイトで予約注文されたCDとアナログ盤の売上は、4つの慈善団体に寄付されている。
『ビューティフリー・ブロークン』からは、「I Am Not Okay」、「Lonely Road with マシン・ガン・ケリー」、「Liar」の3曲がソング・チャート“Hot 100”にランクインして、今年のチャートではその他にも6曲、計9曲がランクインしている。本作には、マシン・ガン・ケリーの他エミネムやポスト・マローンなどの人気アーティストが参加した曲がある。
続いて今週2位には、米フロリダ州のラッパー=ロッド・ウェーブの新作『ラスト・ラップ』が初登場して、以下に続く7作目のTOP10入りを果たした。
『ゲットー・ゴスペル』(2019年 / 最高10位)
『Pray 4 Love』(2020年 / 最高2位)
『ソウルフライ』(2021年 / 最高1位)
『ビューティフル・マインド』(2022年 / 最高1位)
『Jupiter’s Diary: 7 Day Theory』(2022年 / 最高9位)
『ノスタルジア』(2023年 / 最高1位)
『ラスト・ラップ』(2024年 / 最高1位)
上記の通り、ロッド・ウェーブは2019年以降毎年1作以上をTOP10にランクインさせていて、2019年から2024年にかけて6年連続でこの記録を達成したのは、その他にテイラー・スウィフトの2組しかいない。
『ラスト・ラップ』は、初週ストリーミングが125,000(全23曲で1億7,335万回)、セールスは2,000を記録して、累計127,000ユニットを獲得。ストリーミング・チャートでは1位に初登場した。本作からは、「Passport Junkie」、「Fall Fast in Love」のリード・シングル2曲がソング・チャート“Hot 100”にランクインしている。
今週3位には、先週14位にランクインしていたチャーリーXCXの『ブラット』がジャンプアップして、6月22日付で同3位に初登場して以来の最高位復帰を果たしている。今週はストリーミングが57,000(7,363万回)、セールスが48,000、トラックによるユニットは1,000をそれぞれ記録して、累計105,000ユニットを獲得。初登場した6月22日付の82,000ユニットを上回る最高値を更新した。
『ブラット』は、15曲を収録した通常盤が6月7日、3曲のボーナス・トラックを追加したデラックス盤を6月10日にそれぞれリリースし、両バージョンの累計ポイントにより6月22日付で3位にデビューした。7位を記録した8月31日付を最後にTOP10にはランクインしていなかったが、10月11日に34曲を収録したスーパー・デラックス・エディションがリリースされたことでポイントが上昇し、今週8週間ぶりにTOP10に返り咲いた。
『ブラット・アンド・イッツ・コンプリートリー・ディファレント・バット・オルソー・スティル・ブラット』と題されたスーパー・デラックス・エディションには、6月7日にリリースされた通常盤収録の15曲、6月10日にリリースされたデラックス盤収録の3曲のボーナス・トラックに加え、The 1975やボン・イヴェール、ビリー・アイリッシュ、アリアナ・グランデ、ロードなどの人気アーティストとのコラボレーション含むリミックス16曲が収録されている。さらに、10月14日にはケシャをフィーチャーした新曲「スプリング・ブレイカーズ」のリミックスが収録され35曲に拡張された。
スーパー・デラックス・エディションは、34曲入りの方がデジタル・ダウンロード、CD、3種類のアナログ盤、2枚組のカセットテープ、ストリーミングとしてリリースされ、「スプリング・ブレイカーズ」を収録した35曲入りの方は、現時点でデジタル・ダウンロードとストリーミングのみリリースされている(両バージョンのポイントはチャート集計に合算されている)。
新作の登場によりサブリナ・カーペンターの『ショート・アンド・スウィート』(85,000ユニット / 8%減少)は先週の2位から4位に順位を下げて、5位には米メンフィス出身のフィーメール・ラッパー=グロリラのデビュー・アルバム『グロリアス』がデビューした。
『グロリアス』の初動ユニットは69,000で、その内訳はストリーミングが56,000(7,798万回)、セールスが12,000、トラックによるユニットは1,000をそれぞれ記録した。本作は、通常盤とボーナス・トラックを収録したデジタル・ダウンロード、サイン付きのCDがそれぞれリリースされている。
チャペル・ローンの『ザ・ライズ・アンド・フォール・オブ・ア・ミッドウェスト・プリンセス』(55,000ユニット / 2%減少)は3位から6位、ビリー・アイリッシュの『ヒット・ミー・ハード・アンド・ソフト』(50,000ユニット / 1%増加)も5位から7位にそれぞれランクダウンして、8位には米テキサス州出身のラッパー=ビッグXザプラグの新作『テイク・ケア』が自身初のTOP10入りを果たしている。
『テイク・ケア』は、昨年2月に発表したデビュー作『Amar』に続く2作目のアルバムで、本作が記録した97位を大きく上回る自己最高位を更新。その他には、今年のチャートでEP『ザ・ビッゲスト』がランクインしているが、111位どまりだった。
『テイク・ケア』は、初週ストリーミングが46,500(6,277万回)、セールスは1,500を記録して、累計48,000ユニットを獲得している。
以下、モーガン・ウォレンの『ワン・シング・アット・ア・タイム』(48,000ユニット / 5%減少)が4位から9位、テイラー・スウィフトの『ザ・トーチャード・ポエッツ・デパートメント』(44,000ユニット / 1%減少)は6位から10位にダウンした。
Text: 本家 一成
※関連リンク先の米ビルボード・チャートは10月25日以降掲載予定となります。
◎【Billboard 200】トップ10
1位『ビューティフリー・ブロークン』ジェリー・ロール
2位『ラスト・ラップ』ロッド・ウェーブ
3位『ブラット』チャーリーXCX
4位『ショート・アンド・スウィート』サブリナ・カーペンター
5位『グロリアス』グロリラ
6位『ザ・ライズ・アンド・フォール・オブ・ア・ミッドウェスト・プリンセス』チャペル・ローン
7位『ヒット・ミー・ハード・アンド・ソフト』ビリー・アイリッシュ
8位『テイク・ケア』ビッグXザプラグ
9位『ワン・シング・アット・ア・タイム』モーガン・ウォレン
10位『ザ・トーチャード・ポエッツ・デパートメント』テイラー・スウィフト
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