【調査報告】鼠径ヘルニアを放置するリスクを約8割が認識しながら、およそ半数が様子見を決め込んでいる?!

【調査報告】鼠径ヘルニアを放置するリスクを約8割が認識しながら、およそ半数が様子見を決め込んでいる?!

男性の3人に1人が生涯で一度は発症するといわれる病気「鼠径(そけい)ヘルニア」。舌肥では2カ月ほど前に取り上げたこともあり、熱心な読者には聞き覚えのある病気だとは思うが、まだまだ一般的にはその症状や治療法、放置した場合のリスクについて、十分に理解されているとはいえないようだ。そこで今回、鼠径ヘルニアの日帰り手術専門クリニック『Gi(ジーアイ)外科クリニック』(https://gi-clinic.net/)を運営する医療法人Giは、20~60代の男性を対象に「鼠径ヘルニアの認知度」に関する調査を実施した。

鼠径ヘルニアの認知度は4割弱

はじめに「鼠径ヘルニアという病気を聞いたことがありますか?」と質問したところ、『ある(36.7%)』『ない(46.5%)』『聞いたことはあるが、詳しくは知らない(16.8%)』という結果に。鼠径ヘルニアは、あまり広く知られていない病気のようだ。

鼠径ヘルニアは脱腸と同じ病気のことを指すが、脱腸という病気を知っている人はどのくらいいるのだろうか? そこで「鼠径ヘルニアは脱腸と同じ病気のことを指します。脱腸という病気のことは知っていましたか?」と質問したところ、『知っていた(46.4%)』『知らなかった(53.6%)』という回答結果になった。約半数が「知っていた」と回答したことから、「鼠径ヘルニア」よりも若干認知度が高い様子がうかがえる。

先の調査結果で、鼠径ヘルニアという病気を聞いたことが「ある」と回答した人が約4割いたが、鼠径ヘルニアについてどこで知ったのだろうか?

前の質問で「ある」と回答した人に、「鼠径ヘルニアをどこで知りましたか?(複数回答可)」と質問したところ、『テレビや新聞や書籍などで見た(38.7%)』と回答した人が最も多く、次いで『家族や友人が罹患した(28.5%)』『WebサイトやSNSなどインターネット上で見た(22.1%)』となった。約4割がテレビや新聞、書籍を通して鼠径ヘルニアという病気を知ったようだ。また、家族や友人といった身近な人が患ったり、インターネット上で見て知った人もいることが示された。

では、鼠径ヘルニアはどのような人が罹患すると認識しているのだろうか? 「どのような人が罹患すると思いますか?(複数回答可)」と質問したところ、『重い物を持つ仕事をしている人(39.4%)』と回答した人が最も多く、次いで『高齢者(29.3%)』『肥満の人(29.0%)』となり、労働環境や年齢、体格などがリスク要因だと思う人が多い結果になった。

鼠径ヘルニアを問題視していない人は約3割

続いて「鼠径ヘルニアになるとどのような症状が出ると思いますか?(上位3つまで)」と質問したところ、『特に症状はない(22.3%)』と回答した人が最も多く、次いで『腹部に違和感や重圧感がある(21.2%)』『足の付け根に痛みがある(17.7%)』『腸閉塞を起こす(16.7%)』『足の付け根がふくらむ(16.1%)』となり、「特に症状はない」と回答した人が最多になった。また、足の付け根に痛みが出ることや、腸閉塞を起こしたり、足の付け根がふくらんだりする症状が上位にきた。

そこで、「鼠径ヘルニアになるとどのような動作・作業に影響が出ると思いますか?(複数回答可)」と質問したところ、『腹部に強い力がかかる運動(32.8%)』と回答した人が最も多く、次いで『腹部に力がかかるような仕事(32.3%)』『重たいものを持つ(25.2%)』『歩く(25.0%)』となった。腹部に強い力がかかる運動や、腹部に力がかかるような仕事、重いものを持つといった身体に負担がかかる動作だけでなく、「歩く」といった日常動作にも影響があると考えられているようだ。そのような影響が出ると思う鼠径ヘルニアのリスクについてはどう思うのだろうか。

続いて、「鼠径ヘルニアの症状やリスクについて、どのように思いますか?」と質問したところ、『健康に影響する可能性があると思う(39.8%)』と回答した人が最も多く、次いで『重大な健康リスクなので早めの対策が必要だと思う(30.1%)』『多少気になるが、重大な問題ではないと思う(15.4%)』『ほとんど気にならない(14.7%)』という結果に。「健康に影響する可能性があると思う」「重大な健康リスクなので早めの対策が必要だと思う」と回答した人が多い一方で、そこまで問題視していない人が約3割いることが判明した。では、鼠径ヘルニアを放置することによるリスクがあると思う人はどのくらいいるのだろうか?

鼠径ヘルニアの治療方法は手術だけ 投薬治療は効果なし

「鼠径ヘルニアを放置することによるリスクはあると思いますか?」と質問したところ、8割近い人が『あると思う(78.8%)』と回答。放置することへのリスクについては広く認識されていることがわかったが、どのようにしたら治ると考えているのだろうか?

そこで、「鼠径ヘルニアはどうすれば治ると思いますか?(複数回答可)」と質問したところ、『手術すれば治る(59.4%)』と回答した人が最も多く、『生活習慣の改善で治る(20.2%)』『薬を飲めば治る(15.0%)』と続いた。約6割が手術による治療が最も効果的だと思っているようだが、生活習慣の改善や薬などで治ると思っている人もいるようだ。

実際は鼠径ヘルニアの治療方法は手術のみで、生活習慣の改善や、薬を飲めば治るという病気ではない。では、自身に鼠径ヘルニアの症状が出たら病院へ行こうと思う人はどのくらいいるのだろうか?

最後に、「もし、鼠径ヘルニアの症状が出たらすぐに病院に行こうと思いますか?」と質問したところ、『すぐに病院に行く(51.0%)』『しばらく様子をみてから病院に行く(34.5%)』『症状がひどくならないかぎり病院には行かない(14.5%)』という回答結果に。

多くの人が早期に受診しようと思うものの、しばらく様子を見る人や、症状がひどくならない限り病院には行かないという人も一定数いることがわかった。

【調査概要】「鼠径ヘルニアの認知度」に関する調査
調査期間/2024年9月18日(水)~2024年9月20日(木)
調査方法/PRIZMA(https://www.prizma-link.com/press)によるインターネット調査
調査人数/1,021人
調査対象/調査回答時に20~60代の男性と回答したモニター
調査元/医療法人Gi(https://gi-clinic.net/)
モニター提供/PRIZMAリサーチ

前回取り上げた際にもお伝えしたが、記者にとって鼠径ヘルニアは愛する息子が小学生の頃に発症して大学病院で手術した病気。手術を担当した大学教授の「成長途中の子どもは鼠径ヘルニアになりやすいが、あまり痛みを伴わないので気づかないうちに治ってしまうことも多い。だが大人になってから罹患すると、とにかく痛い」という説明は20年ほど経った今も鮮明に記憶に残っている。手術といっても『Gi外科クリニック』のような鼠径ヘルニアの日帰り治療が可能なクリニックもあるので、ちょっとでも下腹部に違和感や痛みを感じたらすぐに受診することをおすすめしたい。前述したように、鼠径ヘルニアの治療方法は手術しかないのだから。

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