【ストリートリーグ2024シドニー】白井空良が初優勝!女子はクロエ・コベルが優勝!赤間凛音2位、中山楓奈3位

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10月13日にオーストラリア・シドニーで開催された、世界最高峰のスケートボードコンテスト、ストリートリーグ(Street League Skateboarding以下SLS)で、白井空良(22歳)がSLS初優勝の快挙。日本勢は他にも、根附海龍(21歳)池田大暉(18歳)が出場したが、前日に行われた予選大会となるKNOCKOUT ROUND(ノックアウトラウンド)敗退。

SLS日本人最多優勝を誇る、東京&パリオリンピック金メダリストの堀米雄斗は今大会出場していない。

 
 
 
 
 
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女子はオーストラリアのクロエ・コベル(14歳)が自国開催を制して優勝。昨年10月に行われたシドニー大会でも優勝しており、オージースケーターの優勝に会場は大歓声に包まれた。

準優勝は、ミスのない安定した滑りと高難度のトリックを連発した赤間凛音(15歳)。3位はラストにヒールフリップフロントサイドKグラインドという、ネクストレベルの技を見せた中山楓奈(19歳)となった。他にも西矢椛(17歳)が5位、上村葵(15歳)が6位でそれぞれ入賞を果たしている。

パリオリンピック金メダリストでSLS初出場の吉沢恋(15歳)、織田夢海(17歳)はノックアウトラウンド敗退となった。

今回のコースは、アウトがキンクになっているハバレッジや、バンクtoマニュアルパッド、緩やかなキンクのあるロングレールなど、一風変わったセクションが組み込まれたコース設計で、それらのセクションにどんなトリックで対応するのかという発想も含め、見るものを楽しませてくれた。

 
 
 
 
 
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※ 8月に行われたAPEX3での写真

今年のSLSはスピンオフ的なコンテストとなるAPEX(シングルトリックのみの大会)が開催されており、3月のSLS STOP2 APEX1では堀米雄斗と赤間凛音が優勝。

5月のSLS STOP4 APEX2ではナイジャ・ヒューストンと藤澤虹々可が優勝。

8月のSLS STOP5 APEX3では根附海龍と織田夢海が優勝。

以上のように、日本勢が1発技で競うシングルトリックの大会で圧倒的な強さを見せている。

【SLS2024のルール】

 
 
 
 
 
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●2024年のSLSは45秒間自由にコース内を滑走するラインを2本と、コース内の自由なセクションで1発技を行うシングルトリックを5本行い、最終的にラインとシングルトリック上位4本の合計得点で順位が争われる(1トライにつき10点満点で採点)。

※ ラインのスコアは最大でも1つのみのカウント&必ず採用されるわけではないので、ラインを2本ともミスしたとしても、シングルトリックで高得点を4本取れば逆転が可能。

※ 9点台の得点はナインクラブと呼ばれ、賞賛される。

●判定は「達成度」「難易度」「多様性」「独自性とスタイル」こちらの要素を基準とした総合的な判断により行われ、5名のジャッジが10点満点方式で採点。
1つのトライに対して、最高得点と最低得点を除いた3つの得点の平均点で得点が算出される。

●男子は招待された20人が、それぞれ5人ずつ4つのグループに分かれて予選となるKNOCKOUT ROUND(ノックアウトラウンド)を決勝の前日に行い、各グループの勝者と、グループ勝者を除いた全体のトップと2位(セカンドチャンス)が決勝に進出(合計6人)。

女子は招待された10人が5人ずつ2つのグループに分かれ、各グループ上位3人が決勝に進出(合計6人)。

●今後は11月23日に東京大会、12月14日~15日にブラジルでスーパークラウン(世界選手権)が開催予定となっている。

【ここから見ないと損だよ!ノックアウトラウンド】

SLSシドニー2024男女ノックアウトラウンドの映像

女子のノックアウトラウンド。第1グループに出場の吉沢恋がラインでフルメイク、シングルトリックでも3本トリックを揃える滑りを見せるものの、4位で予選敗退。

パリオリンピック6位のペイジ・ハイン(アメリカ)が5位敗退と、SLSならではのレベルの高さとなった。トップ通過はブラジルのライッサ・レアウ、2位通過は西矢椛、3位通過は中山楓奈。

第2グループは先日、第7回日本選手権を制した織田夢海が登場。しかし、シングルトリックで3本続けてステアでのキックフリップを外してしまい4位で予選敗退。

パリオリンピック5位のヘッドフォンガール、ポエ・ピンソン(アメリカ)が5位敗退となった。このグループのトップ通過はクロエ・コベル、2位通過は赤間凛音、3位通過が上村葵。

【男子は壮絶!ノックアウトラウンド】

 
 
 
 
 
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男子のノックアウトラウンドは、第1グループに根附海龍が登場。ライン1本目ではフルメイク(ノーミスで滑りきること)の滑りを見せて8.8点を獲得し、グループトップでシングルトリックに臨むも、3本続けてミスしてしまい、得点を4本揃えることができずに予選敗退。
この組はブラジルのジオバンニ・ビアンナが制した。

 
 
 
 
 
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第2グループには白井空良が出場。
白井はラインを2本ともフルメイクし、そのうちの1本はナインクラブ(9.2点)。
シングルトリックでも3本目まで1度も外すことなく高得点を重ね、危なげなく予選を突破。

 
 
 
 
 
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第3グループには池田大暉と、SLS最多優勝を誇るアメリカのナイジャ・ヒューストンが登場。池田はラインで8.0点を獲得し、グループトップでシングルトリックに臨む。

ナイジャはラインフルメイクではないにも関わらず、7.8点で2位でシングルトリックへ。この時点で池田とナイジャ2人による一騎打ちの様相を呈するが、ナイジャがライン終了後、シングルトリック前の練習中に左足首を痛めてしまい、カメラに向かって痛みを訴えるシーンを見せる。

そんな中迎えたシングルトリックでは、池田が1本目にステアでスイッチフロントサイドキックフリップをメイク(8.2点)、しかし2本目から4本目までを立て続けにミスしてしまいトリックを4本揃えられず、ナイジャに決勝進出の座を明け渡す。

 
 
 
 
 
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第4グループはアメリカのクリス・ジョスリンと、昨年のシドニー大会の王者ブラジルのフェリペ・グスタボによる一騎打ちの展開に。シングルトリックでは、アメリカのデイビッド・ロイがフェンス越えのビッグインディエアで会場を沸かせてナインクラブ(9点)を獲得。

これにナインクラブを捧げる粋なジャッジにも乾杯したい場面だった。

シングルトリック最終5本目ではジョスリンがステアで、ノーリーインワードヒールフリップバックサイド180を決め、9.0点を獲得。

トップに躍り出る。続くフェリペは8.2点以上を出さないと予選敗退の場面(この時点で10点を出してもセカンドチャンス上位につけている2人には勝てない)。

ステアでハバレッジ越えのフロントサイドキックフリップをメイクし、8.0点を獲得するが、ジョスリンに0.2点届かず予選敗退。
昨年のシドニー大会王者はここで姿を消した。

セカンドチャンスでの決勝進出者は、オーストラリアのトミー・フィン、コロンビアのジャンカルロス・ゴンザレスとなった。

【クロエ・コベルが圧巻の優勝/女子決勝】

SLSシドニー2024男女決勝の映像

【ライン1本目】

赤間が1本目のランで、バンプtoバンプをフロントサイドビッグスピン。バンプtoレールでバーレーグラインド、バンプtoレッジでフロントサイド180フェイキー50-50グラインド、ハンドレールでフロントサイドボードスライドなどをフルメイク(1度もミスなく滑りきること)7.3点を獲得する。

その直後、西矢もフルメイクの滑りで6.8点を獲得し、順調な滑り出しを見せる。

クロエはバンプtoバンプをスイッチキックフリップ、バンプtoレールでフロントサイド50-50グラインドからのキックフリップアウト、バンプtoレッジでバックサイドテールスライド、バンプtoハンドレールでフロントサイドフィーブルグラインドなど、素晴らしい滑りを見せると7.8点を獲得して暫定トップに。

【ライン2本目】

上村がフルメイクの滑りを見せ(フロントサイドハリケーングラインドを狙うもフロントサイドボードスライドになってしまった箇所があったが)5.8点。

中山はラインを2本ともフルメイクできず、シングルトリックにかける展開に。

赤間はライン1本目に、フロントサイドビッグスピンをメイクした箇所を、フロントサイドビッグスピンヒールフリップに難易度を上げてスコアを伸ばし7.7点を獲得。

西矢はラストトリック、バンプtoレッジでバックサイドKグラインドからのノーリーヒールフリップアウトを狙うがミス。

ライッサは1本目に続き、2本目もフルメイクの滑りを見せることができなかったが、キックフリップバックサイドリップスライドなどの高難度トリックが評価され7.1点を獲得。

クロエは、バンプtoレッジでキックフリップバックサイドテールスライドなどを見せ、1本目より難易度を上げた滑りで8.3点を獲得し、暫定首位でシングルトリックに臨む。

この時点で赤間が2位、ライッサが3位、西矢が4位、上村が5位、中山が6位。

 
 
 
 
 
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【シングルトリック1本目】

中山、上村が立て続けに失敗。
西矢がハバレッジで、バックサイドKグラインドを決め6.5点。
ライッサがロングキンクレールで、バックサイドスミスグラインドを決め8.2点。
赤間は失敗。
クロエがハバレッジで、バックサイドスミスグラインドを決め7.2点で首位をキープ。

【シングルトリック2本目】

中山がハバレッジで、フロントサイドKグラインドを決め8.2点。
上村はバンプtoハンドレールで、フロントサイドブラントスライドからのショービットアウトを狙うが、惜しくも失敗。
西矢がハバレッジで、フロントサイドスミスグラインドを決め6.4点。
ライッサは失敗。
赤間はハバレッジで、フロントサイド180フェイキー50-50グラインドを決め7.5点。
クロエはバンプtoレールで、フロントサイドノーズグラインドからノーリーキックフリップアウトを決め8.5点、依然首位をキープ。

【シングルトリック3本目】

中山がハバレッジで、バックサイドKグラインドを決め6.5点。
上村はフロントサイドブラントスライドからのショービットアウトを狙うが失敗。
西矢はハバレッジで、バックサイドKグラインドからのノーリーヒールフリップアウトを狙うが失敗。
ライッサはハバレッジで、キックフリップバックサイド50-50グラインドを決め8.5点。
赤間はハバレッジで、フロントサイド180フェイキー5-0グラインドを決め8.6点で2位につける。
首位のクロエはバンプtoレッジで、バックサイドKグラインドからノーリーキックフリップアウトを狙うがミス。

【シングルトリック4本目】

暫定5位の中山、暫定6位の上村、暫定4位の西矢、暫定3位のライッサが続けてトリックを失敗する中、暫定2位の赤間はバンプtoハンドレールで、バックサイドスミスグラインドを決めると5.3点を獲得、これでトリックを4本揃えて暫定トップに。
直後クロエはバンプtoレッジで、バックサイドKグラインドからのノーリーキックフリップアウトを決め7.8点を獲得し、ふたたび暫定トップに返り咲く。

【シングルトリック5本目】

暫定6位の上村、攻めのバックサイドノーズブラントスライドに挑むも失敗。
暫定5位の中山はバンプtoレッジで、女子スケート界ネクストレベルの技となる、ヒールフリップフロントサイドKグラインドを決め8.7点を獲得し、順位を3位に上げる。
暫定5位となった西矢はハバレッジで、バックサイドKグラインド ノーリーヒールフリップを狙うが、決めきれずに終わる。
暫定4位のライッサ、トップに立つには8.1点が必要な場面、ハバレッジでフロントサイドブラントスライドを狙うが、惜しくも着地で失敗してしまい、トリックを4本揃えられずに終わる。
暫定2位の赤間、こちらもトップに立つには8.1点が必要な場面で、バンプtoハンドレールで、フロントサイドフィーブルグラインド リバートを狙うが失敗。
この瞬間、クロエ・コベルのシドニー大会連覇が確定した。

【白井が初優勝/男子決勝】

 
 
 
 
 
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男子決勝。
決勝進出者の中では最年少となる22歳の白井空良、SLS最多優勝を誇るアメリカのナイジャ・ヒューストン、同じくアメリカのハンマートリッカー(ぶっ飛んだトリックを行うスケーターのこと)クリス・ジョスリン、オーストラリアの英雄で今大会最年長出場となる36歳トミー・フィン、昨年のスーパークラウン王者ブラジルのジオバンニ・ビアンナ、コロンビアのジャンカルロス・ゴンザレスが出場。

【ライン1本目】

ジョスリンがビッグトリックを連発し(8.8点)、ビアンナがフェイキートリックを中心にフルメイク(8.5点)の滑りを見せるなか、ナイジャや白井はフルメイクできずに終わる。

【ライン2本目】

昨日のノックアウトラウンドの時に痛めた足首の影響からか、ナイジャはまたしてもラインをフルメイクできず。
対称的にビアンナはふたたびフルメイクの滑りで得点を伸ばし8.6点を獲得。
白井はアーリーウープからのフロントサイド270ボードスライドや、ハバレッジでアーリーウープからのフロントサイド180フェイキー50-50グラインドなどのトリックを見せると、この日初めてのナインクラブ(9.0点)を獲得。
暫定首位でシングルトリックに臨む。

 
 
 
 
 
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【シングルトリック1本目】

ナイジャはトリックを失敗、ラインに引き続き足首が痛そうだ。
ビアンナはハバレッジで、ハーフキャブフロントサイドスミスグラインドからの180アウトを決め8.7点を獲得。
ジョスリンはバンプtoバンプ、全越えのバックサイド360を決め8.0点を獲得。
白井はハバレッジで、キャバレリアルバックサイドテールスライド フェイキーアウトで8.6点を獲得。

【シングルトリック2本目】

ナイジャはハバレッジで、キックフリップフロントサイドノーズスライドを失敗。
ビアンナはハバレッジで、キャバレリアルノーズスライドを決め9.0点のナインクラブ!
続いてジョスリンがバンプtoバンプ、全越えのビッグスピンキックフリップを決め8.4点を獲得(しかしこの点数には会場大ブーイング)。
白井はハバレッジで、ノーリービッグスピン バックサイドテールスライドフェイキーを決め9.0点のナインクラブ!

【シングルトリック3本目】

ナイジャはやはり足首の怪我の影響か、キックフリップフロントサイドノーズスライドを決められず。
ビアンナはハバレッジで、ハーフキャブバックサイドスミスグラインドを決め7.8点を獲得(こちらも会場からは点数の低さにブーイング)。
ジョスリンはステアで、ノーリーインワードヒールフリップバックサイド180(リバート)を決め9.1点!
白井がハバレッジで、アーリーウープからのフロントサイド180フェイキー5-0グラインド(ソラグラインド)で9.3点!
白井はこの時点で高得点を4本揃えると共に、これが限りなく優勝を近づける1本となる。

【シングルトリック4本目】

ナイジャはもう足が限界なのが画面越しにも伝わる滑りでミス。
暫定3位のビアンナ、首位に立つには9.7点が必要な場面でキャバレリアルからのトリックをハバレッジで狙うがミス。
暫定2位のジョスリンも、首位に立つには9.7点が必要な場面でバンプtoバンプ全越えのノーリーバックサイド360ヒールフリップを狙うがミス。
暫定トップの白井、ハバレッジでアーリーウープからのバックサイド180スイッチフロントサイドKグラインドを決め9.4点。
この時点で、最終5本目を待たずに優勝が確定した。

【シングルトリック5本目】

暫定3位のビアンナがハバレッジで驚異のトリックとなる、キャバレリアル フェイキーバックサイドノーズグラインドを決め、この日最高の9.6点を獲得し暫定2位に。
暫定3位になったジョスリン、ふたたびバンプtoバンプ全越えのノーリーバックサイド360ヒールフリップにトライすると、これを完璧にメイク!
得点9.5点を獲得するも、ビアンナにわずか0.1点及ばず3位のまま。
ウイニングランとなった白井の最終トリックは、キャバレリアルバックサイドテールスライドからビッグスピンアウトを狙うがミス。

見事SLS初優勝の栄冠を手にした白井、優勝後のインタビューでは「(オーストラリアは)すごい好きな国なので、この場所で優勝できて嬉しいです」と話した。

【SLSシドニー2024・男子リザルト】

 
 
 
 
 
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1位 白井 空良(日本)–36.7
2位 ジオバンニ・ビアンナ(ブラジル)–35.9
3位 クリス・ジョスリン(アメリカ)–35.8
4位 ジャンカルロス・ゴンザレス(コロンビア)–31.8
5位 トミー・フィン(オーストラリア)–13.9
6位 ナイジャ・ヒューストン(アメリカ)–7.2

【SLSシドニー2024・女子リザルト】

 
 
 
 
 
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1位 クロエ・コベル(オーストラリア)–31.8
2位 赤間 凛音(日本)–29.1
3位 中山 楓奈(日本)–27.4
4位 ライッサ・レアウ(ブラジル)–23.8
5位 西矢 椛(日本)–19.7
6位 上村 葵(日本)–5.8

文 小嶋勝美
スケートボード放送作家のスケーター。

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