フェムテックでも注目の更年期分野、米Midi HealthのシリーズBにはシェリル・サンドバーグやトリー・バーチも参加
10月1日に、「女性の健康総合センター」開所式が行われた。同センターは、女性の健康・疾患に特化した研究推進や、女性の健康に関わる最新エビデンス収集・情報提供を目的として、国立成育医療研究センター内に設立されたもの。女性の健康課題に特化した機関として、研究、臨床、イノベーションを推進するという。
いま、労働する女性たちを悩ませる女性特有の健康問題は、女性自身だけではなく社会全体にとっても課題となっている。
更年期症状による経済損失額は年間1.9兆円
経済産業省が今年2月に発表したレポートによると、女性特有の健康課題による労働損失等の経済損失は推定約3.4兆円とのことだ。中でも、更年期症状の損失額は1.9兆円と最大。日本の少子高齢化を合わせて考えるとそれも不思議はない(※男性にも更年期症状はある)。
厚生労働省がまとめた「令和4年の働く女性の状況」で確認できる年代別の女性の労働力率は、40~44歳で81.5%、45~49歳で81.9%である。更年期が何歳から始まるかは人によるが、10年前と比較するとすべての年齢階級で労働力率が上昇している。
更年期にフォーカスした米フェムテック企業が急成長
当然ながら、働く女性が多く、高齢化が進む先進諸国もほぼ同様の状況だ。更年期に特化したアメリカのフェムテック企業Midi Healthのリリースでは、「アメリカの女性人口の30%近くが35歳以上」であり、「7,500万人の女性が閉経周辺期・更年期、更年期後にある」という。
Midi Healthは、中年期のホルモン変化とそれ以降の時期にある女性に特化した、バーチャルケア・クリニック。
シリーズBの投資家はシェリル・サンドバーグなど著名人多数
Midi Healthは2021年の設立以来急成長を果たし、保険適用ケアをアメリカ全50州に拡大。2023年9月にはGoogle Venturesが主導したシリーズAラウンドで2,500万ドルを調達、1年後となる先月9月には6,300万ドルのシリーズBラウンド完了を発表した。
また、このラウンドにはGoogleやApple、Amazon、Meta、Universal Music Group、Warner Mediaの上級幹部も参加。投資家グループには35~60歳以上の女性が含まれ、その4割は有色人種だったという。資金調達を報告するリリースでは、女性たちが笑顔で並んでいる写真が印象的だ。Midi Healthの初期シード投資家であるOperator Collectiveは、今回ラウンドのためにSPV(特別目的事業体)を設立。Operator CollectiveのMallun Yen氏は、「よくある、いかにもな“ベンチャーキャピタル”界隈外部から、主要業界のリーダたちを意図的に集めました」とコメント。「これは、私たちのユニークな共同ベンチャーモデルの実践を反映するものです」と語っている。
調達した資金は、プラットフォームとスタッフの拡大、臨床医の追加採用などに投じ、2029年までに年間100万人超のユーザー対応を目指すほか、主要なサービスプランの補填適用範囲を全国で拡大する予定。
参考・引用元:
Midi Health
Midi Healthリリース
PR Newswire
(文・Techable編集部)
ウェブサイト: https://techable.jp/
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