【連載コラム】にじのVypass.探訪vol.2 – 実験的な音楽性に沸いた一夜〈WAKAMONO NO SUBETE SPECIAL〉

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こんにちは、にじです。朝晩の寒暖差が激しい季節。皆様、体調を崩さないように気をつけてくださいね。さて、札幌・Vypass.でアルクリコール・ワタナベプレゼンツ〈WAKAMONO NO SUBETE SPECIAL〉が開催されました。実はこのイベント、2024年9月20日(金)から22日(日)まで3日間通しで行われていたのですが、私は初日に参加させていただきました。

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最初に登場したのは、今年7月に結成したばかりのテクノポップバンド・pubs(パブス)。今回、ライヴを行うのは2回目だそう。メンバーはThe Floorのササキハヤト(Gt.Vo)を筆頭に、樹下タクヤ(Dr.)、レニア(マニピュレーター、Key.)。確かに、最近はテクノやエレクトロニカにおいてYELLOW MAGIC ORCHESTRA平沢進などの作品がリバイバルヒットしているイメージがあります。私も最初は、そういった流れを組みながら、ニュー・ウェーブ的なエッセンスを取り入れようとしているバンドなのかと推測していました。ところが第一音を聴いた瞬間、すべてのイメージが覆されました。電子楽器を取り入れた楽曲にしては、鼓動の高まりを感じる。ササキ曰く、「グルービーな音楽をやりかったのが、最初のはじまりです」とのこと。演奏中、彼らは〈Fuji Rock Festival〉エリアの一つである“RED MARQUEE”が似合いそうだと想像を膨らませていました。観客の度肝を抜けるクオリティがあって、会場を盛り上げる力がある。「テクノポップ」という一言では片づけられない彼らの演奏。今後もライヴ企画を準備中だそうです。

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そして、この日の大トリを飾ったのは、僕らはハシビロコウ。1曲目の「オルゴール」が鳴り響いた瞬間「これを待っていた」と心躍る自分がいました。8月30日(金)に開催された〈秋山道場〉で初めて見ることとなった僕ハシ。ここからどのような展開を繰り広げるのだろうと期待を寄せていたら、2曲目「エミューNo.11」がスタート。一曲目とは打って変わった荒々しさに驚く。同バンドは、“悲しみをポップに奏でる日常系バンド”をコンセプトに掲げて活動しています。しかし、悲しみには種類がある。ポロポロと涙がこぼれる時もあれば、一人で顔をぐちゃぐちゃにして、泣き叫びたいときもあります。「エミューNo.11」は、後者のようなときに代弁してくれるような楽曲です。新曲「紡ぐ」は、まるで心に陽が射したようなあたたかな唄。僕ハシは、悲しみだけじゃなくて、素直な自分と向き合うことができる音楽性が最大の魅力なのでしょうね。

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その他、出演していたRutile Note(ルチルノート)と六畳半世紀。Rutile Noteは優真(Vo./Gt.)、千結(Key.)、学斗(Dr.)、バキタ(Ba.)の4ピースバンド。驚いたのが、女性ボーカル並みに高音の優真の歌声とミックスボイス。そこに千結のコーラスが重なり合うことで、綺麗な旋律が奏でられていく様子が見事でした。どこか懐かしくて、心地よいメロディ進行はくるりみたい。優しいメロディはそのままに、少しダークな一面を魅せても面白いかもしれません。六畳半世紀も、Rutile Noteと同じく4ピースバンド。個人的には、まだまだ伸びしろのあるバンドです。ばん(Vo./Gt.)がC&Rでフロアを盛り上げようとする気持ちは伝わってくるのですが、どこか自信が無さげで、観客が戸惑っている部分がありました。もっとフロントマンとしての勢いを前面に押し出せば、自ずとパフォーマンスに磨きがかかると感じました。

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ちなみに、本会場のVypass.はBAR営業もしています。美味しいお酒やチャイをたくさん用意してくれているので、ライヴに参加する方も、そうでない方も是非行ってみてくださいね。気さくな店長さん、スタッフの方々と音楽談義に華を咲かせてみては?

インフォメーション

Vypass.オフィシャルウェブサイト:https://www.vypass.com/
Vypass.X:https://x.com/VyPass_SAPPORO

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