【宮城県旧迫町(登米市)】オランダ風車と沼とサンクチュアリ
日本中では目まぐるしく、日々いろんなイベントがひらかれている。「そんな日本には、どのような土地があるのだろう」と、写真家として活動している私(仁科勝介)は、“平成の大合併”時に残っていた、旧市町村をすべて巡る旅に出た。その数は2000を超える。
今回、地域や自治体、企業の取り組み、新商品などの情報を発信するニュースサイト「ストレートプレス」で、それらを紹介する機会をいただいたので、写真を添えて連載をスタートした。
「ストレートプレス」内に登場するローカルな市町村と、関係があるかもしれない。
今回は、宮城県旧迫町(登米市)を写真とともに紹介する。
Vol.301/宮城県旧迫町(登米市)
次にやって来たのは、旧迫町。“迫(はさま)”という地名は、栗原市にもあったよなあと同時に思った。そうそう、旧一迫町だ。栗原は旧一迫町、登米市は旧迫町。
まずは、長沼フートピア公園を訪れてみた。長沼という沼地のそばにある公園で、オランダ風車がある。丘の景色に溶け込んで、見事にヨーロッパの世界を醸し出しているのだが、風車に近づいてみると、羽根の中心部に「白鳥」と漢字で描かれてあった。そこだけはジャパニーズスタイルだ。
その後、登米市伊豆沼・内沼サンクチュアリセンター(淡水魚館)の正面まで向かった。まだ、開館時間前だったので館内には訪れていないけれど、「メエ!」と聞こえて振り向くとヤギがいた。しかも二匹。サンクチュアリセンターとどのような因果関係があるのかは、わからない。
また、脱線するけれど、「サンクチュアリ」という言葉を聞くと、2023年5月にNetflixで配信された相撲ドラマ「サンクチュアリ -聖域」を思い出す人も多いかもしれない。ぼくも全話観てすっかり夢中になった。
しかし、宮城県におけるサンクチュアリとは、相撲のことではない。そう、伊豆沼と内沼こそがサンクチュアリだ。伊豆沼と内沼がラムサール条約の登録湿地となったのは、1985年のこと。渡り鳥をはじめとする生態系を守ること、そして、自然に触れ合う聖域(サンクチュアリ)として、サンクチュアリセンターが伊豆沼と内沼の周囲には、3つあるのだ。
伊豆沼の近くまで歩いてみると、わずかだがハスの花が咲いていた。豪雨の影響で、この年のハスの生育はあまり良くない状態だそうだ。どうか良い状態に戻るといいなと願うばかりである。
(仁科勝介)
仁科勝介(Katsusuke Nishina にしなかつすけ)/かつお
写真家として活動。1996年、岡山県倉敷市生まれ。広島大学在学中に、日本の全1741の市町村を巡る。
『ふるさとの手帖』(KADOKAWA)、『環遊日本摩托車日記(翻訳|邱香凝氏)』(日出出版)をはじめ、2022年には『どこで暮らしても』(自費出版)を刊行。
旧市町村一周の旅『ふるさとの手帖』:https://katsuo247.jp
仁科勝介公式Twitter:https://twitter.com/katsuo247
仁科勝介公式Instagram:https://www.instagram.com/katsuo247
ストレートプレスは、トレンドに敏感な生活者へ向けたニュースサイトです。ファッション、ビューティー、ライフスタイル、モノの最新情報を“ストレート”に発信します。
ウェブサイト: http://straightpress.jp
- ガジェット通信編集部への情報提供はこちら
- 記事内の筆者見解は明示のない限りガジェット通信を代表するものではありません。