恐ろしいことはごく自然に起こる フィリップ・リドリー監督のカルト作『柔らかい殻 デジタルリマスター版』10月公開[ホラー通信]
絵画や小説、舞台など多ジャンルで活躍するフィリップ・リドリーが1990年に手掛けた初長編映画『柔らかい殻』のデジタルリマスター版が、10月4日より公開されることが決定した。
本作は、田舎町で暮らす幼い少年の目を通して、痛みに満ちた大人たちの世界と恐ろしい出来事を幻想的なタッチで描いた一作。主人公セスの兄を演じるのは、キャリア初期のヴィゴ・モーテンセン。セスが吸血鬼だと疑う一人暮らしの女性ドルフィンをリンジー・ダンカンが演じる。本作は公開当時、ロカルノ映画祭で銀豹賞を含む五つの賞を受賞、シッチェス国際ファンタスティック映画祭で最優秀女優賞、最優秀撮影賞を受賞している。
今回上映されるデジタルリマスター版は、2014年にリドリー監督の監修でリマスタリングされたもの。監督自身が「映画がそのとおりの姿をしている。何もかもが、世界がまだ若かった頃と同じように見え、聞こえている」と感激した仕上がりだそう。
『柔らかい殻』
10月4日(金)よりシネマート新宿ほか全国順次ロードショー
<ストーリー>
1950年代のアイダホ州、小麦畑が広がる田舎町。気弱な父と厳しい母と三人で暮らすセスはごく普通のやんちゃな男の子。ある日、セスは友人のイーブンとキムと共に孤独なイギリス人女性ドルフィンに仕掛けたいたずらがばれ、母に謝りに行かされる。ドルフィンの家は捕鯨の銛や骨で埋め尽くされており、彼女が語る亡き夫への愛や悲しみの話は衝撃的で、父が読んでいた吸血鬼小説の絵に彼女がそっくりだったことから、セスはドルフィンが吸血鬼に違いないと思い込んだ。そんなある日、行方不明になったイーブンの死体が井戸で発見されるという事件が起こる。セスはドルフィンを疑うが、自分の父に容疑がかかり、悲劇が連鎖してゆく。
監督・脚本:フィリップ・リドリー
撮影:ディック・ポープ
音楽:ニック・ビキャット
出演:ジェレミー・クーパー、ヴィゴ・モーテンセン、リンジー・ダンカン
1990年 / イギリス / 93分 / カラー
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