映画『ボレロ 永遠の旋律』より、仏ピアニストのアレクサンドル・タローによる日本語メッセージ&出演シーンを解禁
モーリス・ラヴェルによる名曲「ボレロ」の誕生秘話を描いた音楽映画『ボレロ 永遠の旋律』より、フランス出身の国際的ピアニストであるアレクサンドル・タローの日本語メッセージを含む本編出演シーン映像が解禁された。
「ボレロ」はパリ・オペラ座で初演されて以来100年近く、時代と国境を越えて愛され続ける名曲だが、生みの親であるラヴェル本人が最も憎んでいた曲だったという。映画『ボレロ 永遠の旋律』は、そんな作曲家の魂を奪った魔の名曲が誕生するまでとともに、痛みに満ちたラヴェルの人生を描き出す。
監督は『ドライ・クリーニング』で【ヴェネチア国際映画祭】金オゼッラ賞(最優秀脚本賞)に輝いたアンヌ・フォンテーヌが務め、主人公ラヴェルは『黒いスーツを着た男』(12)などのラファエル・ペルソナが演じる。そして、“ラヴェルの大ファン”を公言するピアニストのアレクサンドル・タローが、自身とは真逆のキャラクターである“ラヴェルを酷評する音楽評論家”を演じており、その出演シーン映像がこのたび解禁となった。
今年11月と12月には来日公演も控え、劇中では映画出演のみならず「亡き王女のためのパヴァーヌ」「道化師の朝の歌」などの名曲を披露しているアレクサンドル・タロー。映像冒頭では、「ラヴェルの大ファンとして、皮肉を込めて批判するピエール・ラロ役を演じています。この映画に参加できてとても嬉しいです」などと、日本公開に向け自ら用意したメッセージを日本語で披露している。
公開された本編シーンは、ラヴェルがかつて発表した「弦楽四重奏曲 ヘ長調」が演奏される会場にて、多くの観客とともに鑑賞しているシーンだ。しかし、ラヴェル(ラファエル・ペルソナ)の表情はどこか浮かない。なぜなら、場内には以前彼の作品を酷評した評論家のピエール・ラロ(アレクサンドル・タロー)がいたのだ。
ラヴェルの親友であるミシア(ドリヤ・ティリエ)は、「今度はいい評を書くわ」などとフォローし、ラロにも評価するように促す。しかし、ラロは「ドビュッシーの影響は明らかだよ。『チェロ・ソナタ』第2楽章のピチカートを盗用してる」などと酷評。ラヴェルはなんとか弁明しようとするがラロは考えを曲げず、「技巧は優れていてもあなたは情感を生まない。それがドビュッシーとの違いです」と切り捨て、立ち去ってしまう。
その一方で、ラヴェルは自らの全てを注いで、後に歴史的名曲となる「ボレロ」をついに完成させたばかりだった。ラヴェルが再び落胆することになったこのシーンの後、「ボレロ」のスポンサーである振付師のイダ・ルビンシュタインの手に楽譜が手渡され、ラヴェルの日常は激変していくことになるのだ。
なお、フォンテーヌ監督とタローはかねてからの友人で、ラヴェルの描き方についてタローからアドバイスも受けたとのこと。監督は、タロー自身がラヴェルを敬愛していることを承知のうえ、遊び心で評論家役での出演を打診したそうだ。
本作はラヴェルが生前暮らしていたフランスのモンフォール・ラモーリーにある本物の家でも撮影が行われており、フォンテーヌ監督は「交渉には長くかかりましたが、最終的に役所が私を信頼してくれました。アレクサンドル・タローは偉大なピアニストであり重要なラヴェルの専門家でもありますが、作品に力を貸してくれた彼の名声がこの承諾に役立ったのは明らかでしょう。初めて一緒に家に行き、彼がラヴェルのピアノで演奏した時の感動を今でも覚えています」とコメントしている。
1928年<狂乱の時代>のパリ。深刻なスランプに苦しむモーリス・ラヴェルは、ダンサーのイダ・ルビンシュタインからバレエの音楽を依頼されたが、一音もかけずにいた。失った閃きを追い求めるかのように、過ぎ去った人生のページをめくる。戦争の痛み、叶わない美しい愛、最愛の母との別れ。引き裂かれた魂に深く潜り、すべてを注ぎ込んで傑作「ボレロ」を作り上げるが──。『ボレロ 永遠の旋律』は8月9日よりTOHOシネマズ シャンテほか全国順次ロードショー。
◎映画情報
『ボレロ 永遠の旋律』
監督:アンヌ・フォンテーヌ『ココ・アヴァン・シャネル』『夜明けの祈り』
出演:ラファエル・ペルソナ、ドリヤ・ティリエ、ジャンヌ・バリバール、ヴァンサン・ペレーズ、エマニュエル・ドゥヴォス
配給:ギャガ 原題:BOLERO|121分|フランス|カラー|シネスコ|5.1chデジタル|字幕翻訳:松岡葉子|映倫G
8月9日(金) TOHOシネマズ シャンテほか全国順次ロードショー
(c) 2023 CINE-@ – CINEFRANCE STUDIOS – F COMME FILM – SND – FRANCE 2 CINEMA – ARTEMIS PRODUCTIONS
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