SMSで支払いを手軽に|規制クリアの“コンプラ重視”テキスト型決済プラットフォーム「FinTex」

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米国消費者金融は、消費者が望むショートメール(SMS)による請求支払いソリューションを求めてきたが、厳しい規制がそれを阻んできた。

この問題を解決するのが米国Solutions By Text(以下、SBT)だ。SBTは、FinTextというソリューションによって、米国消費者金融と消費者の間のショートメールによる請求支払いを支援している。

2024年5月、SBTは1億1,000万ドルの成長資金を調達した。成長株投資会社のEdison Partnersが、投資会社であるStepStone Groupと共にこの取引を主導した。

Edison Partnersが2021年11月に最初の投資を行って以来、SBTの収益は、消費者金融向けに構築されたショートメッセージベースの支払いソリューションを通じて3倍以上に成長した。2023年にはSBTのメッセージ量は前年から95%増加した。今年、メッセージ量は倍増ペースにある。

コンプラ重視のテキスト決済プラットフォーム

Image Credits:SBT

SBTのCEOであるDavid Baxter氏はこう述べている。

「消費者は、消費者金融からの無限にも思える大量のメール、混乱するウェブサイト、長いコールセンターとのやり取りに代わる手段を求めています。ショートメールは、消費者にとってもっとも馴染み深い簡便なツールであるにも関わらず、規制当局の厳格な規制要件に適合していません。SBTはこのギャップを埋め、消費者金融に大きなベネフィットをもたらすことで、急速な成長軌道にのることができたのです」

引用:SBT

SBTとDatos Insightsの研究報告によると、消費者の90%は他のコミュニケーション手段よりもテキストを好み、特にジェネレーションZやミレニアル世代は、テキストでの支払に意欲的だ。実際、テキストメッセージの多くは5分以内に受信され読まれるという。

それにもかかわらず、規制要件の複雑化に直面して、SBTの新規顧客の60%は規制違反の恐れから、過去12か月間ショートメールを使用していなかった。そのうえコンプライアンス準拠の難しさから、一部のメッセージングプロバイダーは金融サービス分野から撤退した。

SBTのFinTextは消費者金融業界にショートメールベースの支払いサービスを提供できる、“コンプライアンス重視”のプラットフォームだ。プロビジョニングされたショートコードとロングコード(10DLC)を使用して、通信を安全かつ準拠した状態に保っている。

テキスト×決済で消費者体験を向上

Image Credits:SBT

FinTextで消費者が支払いを行う際は、請求書、名前と住所、支払い方法を確認するだけだ。これで支払い画面に遷移できる。ログインやアクセスコードは不要だ。

Image Credits:SBT

その後2つのキーワード「ACCEPT」と「PAYNOW」を入力するだけでショートメールでの支払いは完了する。こうした簡潔で迅速な支払い方法によって、消費者金融は優れた顧客体験を実現できる。

低コストであるのもポイントだ。ショートメールの開封率は98%で、消費者にリーチする最も効果的な方法である。郵送、Eメール、コールセンターなど既存のアプローチによる効果が減少する中で、ショートメールの有効性はより際立っている。

さらに手動での支払い処理を自動化することで業務効率があがるだけでなく、コンプライアンス違反を招くリスクを抑えられるのだ。

このようにSBTはテキストと決済のパワーを組み合わせ、消費者金融と消費者の両方にメリットをもたらしている。現在、同社の顧客にはBest Egg、eBay、U.S. Bank、南東部および中西部の地域銀行、トップ15の自動車ローン提供者などが含まれている。

今年5月に実施した1億1,000万ドルの資金調達により、今後SBTは大手金融機関との成長を加速させ、決済およびAIの能力を拡大していく予定だ。

参考・引用元:SBT

(文・五条むい

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