【オフィシャルレポ】〈加藤和彦トリビュートコンサート〉メロディの普遍さとエヴァーグリーンな魅力
2009年に亡くなった不世出の音楽家、
本公演は加藤の出生地である京都(7⽉10⽇@ロームシアター京都)に続いての開催。
オープニング〜ハンバート ハンバート
開演前、会場には加藤和彦の作品が流れ、これから始まるコンサートの期待を煽る。「だいじょうぶマイ・フレンド(1983)」が終わると場内は暗転。『あなたの音楽は様々な世代の方によって愛され、歌い継がれています。誰よりも早く、誰もやれなかった、やろうとしなかった音楽を残してきた音楽家。あなたをリスペクトするミュージシャン、スタッフ、何よりも客席にいらっしゃるオーディエンスの方々の気持ちが少しでも伝わることを願いつつ。さぁコンサートの幕を開けようと思います』と場内ナレーションが終わるとイントロが奏でられ緞帳が上がる。舞台には坂本美雨、
田島貴男
続いてステージに上がったのは
坂本美雨
高野寛、奥田民生
ここからは、ファンの間でも人気の高いヨーロッパ三部作のコーナーが始まる。まず
小原礼
フォーク・クルセダーズ、ソロ・アルバム楽曲と続き、コンサートも終盤にさしかかる。いよいよ皆さんお待ちかねのサディスティック・ミカ・バンドのコーナーに。ミカ・バンドのメンバーでもあり最後のバンドとなったVITAMIN-Q featuring ANZAのメンバーでもあった加藤の盟友・
GLIM SPANKY
トリビュートコンサート、最後のアーティストは90年代生まれの若い二人、
木村カエラをフィーチャーした第3期ミカ・バンドの英語表記はSADISTIC MIKAELA(ミカエラ)BAND。松尾レミは加藤さんが生きていたら第4期ミカ・バンドに加入したかったそう。そんな想いを込めて『次の曲はサディスティック・”レミ”カエラ・バンドとしてやります!』と宣言。ステージには小原礼と、かつてミカエラ・バンドのステージにゲストで参加した奥田民生も加わってSADISTIC MIKAELA BANDの「Big-Bang,Bang!(愛的相対性理論) 」を豪快に叩き込む。そしてラストは日本ロック史上に燦然と輝く不朽の名曲。松尾レミからの『みんな時間を旅しましょう!』のかけ声で「タイムマシンにお願い」のギターのイントロが鳴り響くや、客席も一斉に総立ち。場内の盛り上がりも最高潮に達し、本編は終了。
アンコール
アンコールではGLIM SPANKY、田島貴男、小原礼、奥田民生、高野寛が登場。曲はミカバンド「黒船」収録の「塀までひとっとび」。本編の盛り上がりをそのままに、会場をこれ以上にはないほどにヒートアップさせ、2時間21曲の加藤和彦トリビュートコンサート東京公演は幕を閉じた。この夜、演奏された楽曲を振り返ってみれば、改めて加藤和彦のメロディの普遍性とエヴァーグリーンな魅力を思い知らされた。これ一回で終わらせず、是非、第2弾も開催して欲しい。
「加藤和彦トリビュートコンサート」の模様は、8月18日(日)20:00から大阪のラジオ局「FM COCOLO」にて放送される。また、CS放送「歌謡ポップスチャンネル」で9月29日(日)22時からテレビ初独占放送される。
Text:石角隆行
イベント情報
〈加藤和彦トリビュートコンサート〉
2024年7⽉15⽇(⽉・祝)東京・Bunkamuraオーチャードホール
〈セットリスト〉
☆演奏アーティスト/オリジナル初出作品(発表年度)
●ハンバート ハンバート、坂本美雨、高野寛
01.あの素晴らしい愛をもう一度 /加藤和彦と北山修(シングル/1971年4月5日)
●ハンバート ハンバート
02.白い色は恋人の色 /ベッツィ&クリス(シングル/1969年10月1日)
03.もしも、もしも、もしも /加藤和彦/アルバム「スーパー・ガス(1971年10月5日)」収録
04.帰って来たヨッパライ /ザ・フォーク・クルセダーズ (シングル/1967年12月25日)
●田島貴男
05.シンガプーラ /加藤和彦(シングル/1976年11月30日)、アルバム「それから先のことは(1976年12月20日)」収録
06.青年は荒野をめざす /ザ・フォーク・クルセダーズ (シングル/1968年12月5日)
●坂本美雨
07.不思議なピーチパイ /竹内まりや(シングル/1980年2月5日)
08.ニューヨーク・コンフィデンシャル /加藤和彦 アルバム「あの頃、マリー・ローランサン(1983年9月1日)」収録
09.光る詩 /加藤和彦 アルバム「それから先のことは(1976年12月20日)」収録
●高野寛
10.絹のシャツを着た女 /加藤和彦(シングル/1980年8月1日)、アルバム「うたかたのオペラ(1980年9月25日)」収録
11.サン・サルヴァドール /加藤和彦 アルバム「パパ・ヘミングウェイ(1979年10月25日)」収録、シングル「おかえりなさい秋のテーマ-絹のシャツを着た女(1980年8月1日)/B面)
12 キッチン&ベッド
シングル「シンガプーラ」B面(1976年11月30日)、アルバム「それから先のことは(1976年12月20日)」収録
●奥田民生
13.浮気なGIGI /加藤和彦 アルバム「ベル・エキセントリック(1981年7月25日)」収録
14.悲しくてやりきれない /ザ・フォーク・クルセダーズ(シングル/1968年3月21日)
●小原礼+高野寛
15.アリエヌ共和国 /サディスティック・ミカ・バンド アルバム「SADISTIC MIKA BAND(1973.05.05)」収録
16.家をつくるなら /加藤和彦(シングル/1973年3月20日)、アルバム「スーパー・ガス(1971年10月5日)」収録
●小原礼、高野寛+奥田民生
17.ダンスハスンダ /サディスティック・ミカ・バンド アルバム「SADISTIC MIKA BAND(1973.05.05)」収録
●GLIM SPANKY
18.BLUE /サディスティック・ミカ・バンド アルバム「HOT! MENU (1975年11月05日)」収録
●GLIM SPANKY+小原礼、奥田民生
19.Big-Bang,Bang!(愛的相対性理論) /サディスティック・ミカ・バンド アルバム「NARKISSOS(2006年10月25日)」収録
20.タイムマシンにお願い /サディスティック・ミカ・バンド アルバム「黒船(1974年11月5日)」収録
アンコール
●GLIM SPANKY、田島貴男、小原礼、奥田民生、高野寛
21.塀までひとっとび /サディスティック・ミカ・バンド アルバム「黒船(1974年11月5日)」収録
バンドメンバー;
高田漣(Guitar) /白根賢一(Drums) /伊賀航(Bass) /ハタヤテツヤ(Piano)
ナレーション:作 田家秀樹 声 田中乃絵
<オンエア情報>
ラジオ/番組: FM COCOLO/「SUPER J-HITS RADIO」内で2時間の特番を放送予定。
放送日時: 2024年8月18日(日)20:00~22:00 ※予定
※radikoプレミアムに加入(有料)すると、関西以外のエリアでも聴取可能。
テレビ/番組:音楽専門チャンネル「歌謡ポップスチャンネル」でテレビ初独占放送。
※スカパー!、J:COM、ひかりTV、全国のケーブルテレビ局で視聴可能。
インフォメーション
・映画「トノバン 音楽家 加藤和彦とその時代」HP
https://tonoban-movie.jp
・加藤和彦 トリビュートコンサート 公式HP
http://wwwww.co.jp/wwwww/kazuhikokato_tributeconcert/
フォトギャラリー
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