長渕剛、“仲間”と共に渋谷で狼煙を上げた『BLOOD』発売イベント「音楽は僕らにとってかけがえのない絆」-OTOTOYイベントレポート

長渕剛、“仲間”と共に渋谷で狼煙を上げた『BLOOD』発売イベント「音楽は僕らにとってかけがえのない絆」-OTOTOYイベントレポート

長渕剛が、2024年5月22日(水)渋谷タワーレコードCUTUP STUDIOにて、この日発売されたニューアルバム『BLOOD』のリリースイベントを行い、詰めかけたファンたちと声を合わせてアルバムの発売を祝った。

このイベントは、タワーレコードでアルバムを購入した300名限定のミニライブ+トークイベント。小さなライブハウス規模の会場で長渕がライヴを行うのはめったにない機会ということで、選ばれた幸運な300名が開演前から大行列を作っていた。

アルバム冒頭を飾る曲「路上の片隅で」をBGMに、剛コールに迎えられサングラス姿でステージに登場した長渕は、MCに体調について訊かれると「大丈夫です!」と力強く答えて、左気胸による療養を経て完全復活した様子。

トークコーナーでは、「自分がみんなに寄り添っているというよりも、みんながずっと寄り添ってくれている。その一点でアルバムを作らせてもらっています」と、アルバム制作への想いを語る。また、5月3日に「とんぼ」で「THE FIRST TAKE」に初登場した際に、冒頭6分間にわたって語りかけたことについて訊かれると、「僕はあんなに喋ろうとは思ってなかったんだけど、THE FIRST TAKEのスタッフの連中はすごく若くて熱くて、“語ってください”って言うんですよ。僕は若い連中に語るようなこともないんだけど、自分の人生を振り返ってみる感じでいい?って訊いたら、“それでお願いします”って。そういう若い人たちに対して僕も、“よおし、やってやるぞ”っていう気持ちでああいうものを作ったんですよ。本当に幸せな現場でしたね」と振り返った。

長渕剛、“仲間”と共に渋谷で狼煙を上げた『BLOOD』発売イベント「音楽は僕らにとってかけがえのない絆」-OTOTOYイベントレポート

ニューアルバム『BLOOD』の10曲について「自分で作って聴いたときに、優しい気持ちになりたかったんです。振り返ると、僕は仲間たちに支えられて生きて来たなって年々感じているんです。その仲間とは何かっていうと、苦しいとき或いはもう絶望の淵に立たされたようなときに、駆け寄ってくれる人たちです。僕にもそういう仲間がいて、何かあったら集まって話を聴いたり、涙を流したり、そういう日々を過ごしてきた。その仲間たちへの感謝があって、何かの形で恩を返したいと思ったんです。それで「BLOOD」という曲を書いて、夜中の2時にみんなに連絡して事務所に集まってもらって、曲を聴かせたらみんな泣き出して、しまいには僕も涙を流しちゃったんです。そんな曲をアルバムの最後に入れたいなって思ったのが正直な気持ちです」と明かすと、会場は大きな拍手に包まれた。

また、音楽を取り巻く環境の変化についての質問にも答えた。「この10年、20年変わりましたよね。それに対する戸惑いもあったし、ツール自体が変わったり、音楽に対する価値とか音楽に対するリアクションみたいなものが非常に変わっていくのを感じました。だけど僕が信じて疑わないのは、どんなに時代が変わろうと、音楽っていうのは人間の心の中にある。僕が一生懸命歌を書いたこの作品に対して、みんながそれぞれの心を寄せて一緒に歌い合う、そのことが全てです。どんな時代でも、音楽は僕らにとって本当に大事なかけがえのない絆を醸し出してくれるものであると思います。そこを信じないと、やっていけないよね。その絆を確かめるのはツアーであり、こういうイベントだと思ってます」

トーク後半では、“絶対安静”と言われた入院中の3日目に痛みが和らいできたため、スクワットをしていたところ看護師に見つかり怒られたエピソードを披露して笑わせた。6月25日大阪城ホールを皮切りにスタートするツアーに向けて連日リハーサルも行っているようだ。

いよいよ、待望のミニライヴへ。アコースティックギターを手にすると「渋谷へようこそ!」と、ニューアルバムのリード曲「黒いマントと真っ赤なリンゴ」からライヴがスタートした。疾走感のあるメロディが特徴的で一気に会場が湧きたった。弾き語りすることで、アルバム収録のバンドサウンドよりも、よりダークで妖しい印象を受けた。サビメロでは早くも大合唱となった。アウトロのギターをミュートさせて煽ると、「Oi!Oi!」と拳が上がる。ハーモニカホルダーを装着すると、歌い出したのは2009年のアルバム『FRIENDS』からの「かましたれ!」。『BLOOD』のテーマにも通じる〈本当の仲間はどこにいる!〉というフレーズをコール&レスポンスして一体に。さらにサングラスを外して「歌おうか!」とのひと言で飛び出したのは、「とんぼ」。冒頭のコーラスから全員で大合唱となった。

「照明、全部明るくして!お客さんの顔が見たい。みんな元気にしてた!?俺はすこぶる元気です!今日は決起集会みたいなもんで、渋谷の空に狼煙を上げた。ここから宣戦布告でございます。みんなわかってるね!?いくぞ!」と煽ると、会場からは「ウォ~!」とファンの声が怒号のように響き渡った。

ギターを置き、アルバム表題曲であり締めくくりのバラード「BLOOD」へ。渾身の歌声に、先ほどまでとは打って変わって観客は静まり返って聴き入った。歌い終わりステージから下がったものの、「剛!剛!」の大コールに予定外のアンコールでステージに戻ると、YouTubeチャンネル【長渕剛のyoutube now now now!】で共演している元サッカー選手のファビオ氏を「本当に、ナイスガイだから!」とステージ上げて紹介。さらにボディーガードも紹介するなど、仲間たちとの強い絆を示すところは、『BLOOD』がまさに仲間たちへの感謝の気持ちを込めた作品だということの表れだった。アンコールでは、「乾杯」を優しく包み込むように熱唱。最後の〈君に幸せあれ!〉のハーモニーを全員で合わせて、ライヴは終了。時間にして50分ほど、予定を遥かにオーバーしての密度の濃い大熱演だった。

取材・文:岡本貴之

イベント情報

長渕剛ニューアルバム『BLOOD』発売記念イベント
2024年5月22日(水)渋谷タワーレコードCUTUP STUDIO
〈セットリスト〉
1. 黒いマントと真っ赤なリンゴ
2. かましたれ!
3. とんぼ
4. BLOOD
EN1:乾杯

リリース情報

長渕剛『BLOOD』OTOTOY配信中
https://ototoy.jp/_/default/p/2125381

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