「TRYラーメン大賞」新店大賞“船越”監修カップ麺をラーメンライターが忖度なし実食レポート!
全国のラーメンを食べ歩くラーメンミュージシャン、井手隊長です。昨年の「第24回 TRYラーメン大賞 2023-2024」で新店大賞を見事受賞した“桜上水 船越”。筆者も一口食べた時点で確実に大賞を受賞する一杯であると確信するほど、衝撃的な味わいだった。
店主の船越さんが目指したのは「普遍的」なラーメン。「ノスタルジック」なラーメンではなく、あくまで「普遍的」なラーメンだ。古くから伝わる味わいのラーメンではなく、流行に左右されない長く愛されるラーメンを目指して作っている。
分類としては塩ラーメンだが、簡単に塩ラーメンと表現してはいけないオリジナリティあふれる味わいだ。ぽてりとしたゼラチン質のある脂が浮かび、濁りのある豚白湯スープが特徴。ここに平打ち太麺を合わせ、コショウがバシッと効いている。今までまったく食べたこともないラーメンであるにもかかわらず、はっきりとした“懐かしさ”が共存する不思議な一杯だ。
この“桜上水 船越”監修のカップ麺が東洋水産から発売された。その名も「マルちゃん 船越 塩中華そば」。5月6日発売で、価格は322円(税抜)。
かやくを入れてお湯を注ぎ、長めの5分待ち。フタを開けて粉末スープ、液体スープを注いで完成。
一口食べてのイメージは、強めのコショウ感と動物系の複合的な旨味。豚、鶏、牛の旨味がそれぞれ抜けてくるのは見事。カップ麺とは思えない重層的な旨味が舌を駆け巡る。それをコショウがビシッと締め、飽きの来ない作りになっている。平打ちのノンフライ麺もクオリティが高く、お店の雰囲気を彷彿とさせる。
一点惜しいのはゼラチン感。粉末スープでとろみを再現しているが、お店の仰天の仕上がりにはまだ若干距離がある。ここはお店の一杯のクオリティに拍手を送るしかないだろう。ただ、今まで食べたことのない塩ラーメンという意味ではカップ麺でお茶の間に魅力が伝わる仕上がりになっていると言える。
まずカップ麺をお試しいただき、お店の味が気になったらぜひお店まで足を運んでみていただきたい。
(執筆者: 井手隊長)
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