ソニー損害保険が公表、火災保険の値上げ幅は食料品の価格上昇と同レベルの+25.3%「いまこそ補償内容について適切な選択や見直しを」

2023年 消費者物価指数(2020年を100とした場合)の総合指数は、値上げラッシュ開始前と比較し、年間平均105.6と、5.0%以上の値上げ幅があった。

前年比でも3.2%と大きな値上げ(指数上昇)幅となった要因は、原材料価格の高騰に加え、円安の影響が重なったことで食料品の値上げが相次いだと考えられる。

そこで、食料、住居、光熱・水道、家具・家事用品、被服・履物、保健医療、交通・通信、教育、教養娯楽、諸雑費という10大費目のうち、前年比較で最も上昇したのは食料で、8.1%も上昇した。

そこで、家計に最も密接な食料費目から、実際にどんな分野・品目が値上げしたか。ソニー損害保険が興味深い結果を公表した。

値上げ 1位 魚介類(125.7) 2位 乳卵類(122.3)

ソニー損害保険(ソニー損保)は、食料項目のうち、どの分野の値上げ幅が大きかったのか、2020年を100とした場合の2023年12月の指数をもとにランキング化。

上位5つをみてみると、1位「魚介類(125.7)」2位「乳卵類(122.3)」3位「菓子類(120.0)」4位「油脂・調味料(117.5)」5位「調理食品(116.6)」という結果になり、それぞれの分野について値上げの背景や要因についてソニー損保が考察している。

1位 魚介類 +25.7% 漁獲量減少が値上げに

1位の「魚介類」の主な品目は、まぐろやあじ、いわしなどの魚類、牡蠣やほたて貝などの貝類に加えて、かつお節や缶詰などの加工食品も含む。

農林水産省は、近年不漁が続くサンマやスルメイカは価格が上昇傾向にあると発表している。

サンマは、2010年ごろを境に漁獲量が減少。地球温暖化によって海洋環境が変化し、サンマが東の沖合に移動したことが原因であることが調査から判明していて、漁獲量減少が値上げにつながっている。

2位 乳卵類 +22.3% 養鶏飼料の値上げで

2位の「乳卵類」の主な品目は、牛乳、ヨーグルト、バター、チーズなど。

乳卵類に含まれる鶏卵の小売価格は、2023年10月時点で30か月連続で前年同月を上回っている。

以前は“物価の優等生”と呼ばれるほど、価格変動が起こりにくいとされていた食品でしたが、養鶏飼料が近年大きく値上がりしたことにより値上げが続いている。

3位 菓子類 +20.0% 砂糖の価格高騰

3位の「菓子類」の主な品目は、ようかん、ケーキ、プリン、ポテトチップス、チョコレート、アイスクリーム、チューインガムなど。

値上げの原因として、菓子類の主な原材料となる砂糖の価格高騰があげられる。

砂糖の原料となる高糖度原料糖などは、主にオーストラリアから輸入している。

2023年5月における豪州からの高糖度原料糖の1トン当たりの輸入価格は 9万2,101円で、前年同月比で29.1%も上昇している。

実は火災保険は対2020年比+25.3%引き上げ

ソニー損保は、「消費者物価指数をもとに紹介した食料や、さまざまな物価が値上げしているなか、火災保険も近年値上げが続いています」という。

「火災保険の値上げの主な要因となるのは、気候変動等にともなう自然災害の増加です。

豪雨や台風等の自然災害による被害の増加にともない、保険金の支払いが近年急激に増加していることから、火災保険の保険料の基準となる参考純率の引き上げが続いています。

2020年の参考純率を100とした場合、直近の引き上げ幅を計算すると、2021年には全国平均+10.9%となる参考純率の改定が行われ、さらに2023年6月には2014年以降最大となる全国平均+13.0%の参考純率の改定についての届出が、損害保険料算出機構から金融庁に行われました。

この2つの料率改定をあわせると、火災保険の参考純率の引き上げ幅は2020年と比較して+25.3%となります。

食品の値上げ幅TOPの魚介類(+25.7%)に迫る水準であり、そのほかの食品の値上げ水準を超える幅になっていることがわかります」(ソニー損害保険)

「補償内容について適切な選択や見直しを」

ソニー損保は、こうした火災保険料の値上がりにあわせ、「補償内容について適切な選択や見直しを」と伝えている。

「この改定は、2024年度を目処に各社の火災保険料に順次反映される見込みであり、加えて今回の改定では洪水や土砂災害といった水災リスクに対応する水災料率が、市区町村の水災リスクに応じて細分化されています。

これを機に火災保険の補償範囲や、居住エリアのハザードマップを確認して水災リスクを把握し補償内容について適切な選択や見直してみては」(ソニー損保)

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