神戸で喫茶店&建築巡り。レトロな空間を楽しめるおすすめのお店

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神戸で喫茶店&建築巡り。レトロな空間を楽しめるおすすめのお店

こんにちは。フード&トラベルライターの中村友美です。今回は異国情緒たっぷりの神戸へ。建築と喫茶店巡りがだいすきな私が、足を運んでもらいたいスポットをお届けします。

洋館の佇まいが残る「神戸旧居留地」をはじめ、レトロ・モダンな街並みが続く新神戸や三宮エリア。歴史的な建築や、そうした建物を改修・利用したカフェもたくさん。デザインが魅力的な喫茶店を巡る観光が楽しめるところも神戸の魅力のひとつです。

東京駅を出発

新幹線でいざ神戸へ

東京駅 新幹線

この日は朝8時にJR東京駅へ。東海道・山陽新幹線に乗車し約2時間40分、JR新神戸駅に向かいます。神戸への旅は、新幹線と宿のセットがお得に予約できる「JR東日本びゅうダイナミックレールパック」が便利です。

カフェ フロインドリーブ

元教会の荘厳なカフェで絶品サンドウィッチを

はじめに向かったのは、2024年で創業100年を迎える「カフェ フロインドリーブ」。

カフェ フロインドリーブ 外観

カフェ フロインドリーブ

新神戸駅から徒歩10分ほどで辿り着くこのカフェは、旧店舗から移転後、「旧神戸ユニオン教会」を改修してつくられ、国の登録有形文化財に登録されたそう。映画『阪急電車 片道15分の奇跡』のロケ地としても知られています。

カフェ フロインドリーブ 入口

建築家・W.M.ヴォーリズが手がけたゴシックスタイルの建築は、荘厳で気品あふれる雰囲気です。

1階のショップ

手土産にぴったりの商品が並ぶショップ

1階はパンや焼き菓子を販売するショップ、2階は礼拝堂部分を改修したカフェとなっています。

創業者は、ドイツパンを日本に広めた人物としても知られるパン職人のハインリッヒ・フロインドリーブさん。手づくりにこだわり、手間暇を惜しまず焼き上げるパンは、神戸っ子の心を掴み、パンを求めてここに通う人も少なくないそう。

カフェ フロインドリーブ 店内

真っ白な空間には両側の窓から光が差し込む

カフェに足を踏み入れると、10mを越える高い天井とクラシカルなシャンデリアがお出迎え。ゴシック建築の特徴として知られる尖頭(せんとう)アーチの窓からは、明るい光が降り注ぎ、神聖な雰囲気が漂います。

クラブハウス サンドウィッチ

人気メニューのクラブハウス サンドウィッチ

ここを訪れたら食べておきたいのが、看板メニューの「クラブハウス サンドウィッチ」。ドリンクには相性のよいレモンティーを。スパイスの利いたチキンとベーコン、卵、レタスがサンドされたサンドウィッチは、コクと爽やかさを兼ね備えたピクルス入りの自家製マヨネーズと絶妙にマッチ。そして、何といっても具を挟んでいるパンが絶品! 耳は程よい弾力感で食べ応えもあります。

アリアンス グラフィック

フランス×ジャポネの融合を楽しめる隠れ家

お次は、個性豊かな雑貨店や飲食店が軒を連ねる元町の海岸通り沿いにあるカフェへと向かいます。JR三ノ宮駅から列車に乗り、1駅でJR元町駅に到着。

元町駅から5分ほど歩くと、重厚な鉄の門扉が目を引く「アリアンス グラフィック」が現れます。

アリアンス グラフィック 入口

隠れ家のようなアリアンス グラフィック

カフェが入る建物は、1911年(明治44年)に建てられ、国の登録有形文化財にも指定されている「海岸ビルヂング」です。

アリアンスグラフィック 店内

もとは倉庫だった場所を、デザイナーの店主が手作業でリノベーションしたというこのカフェ。味のある漆喰と煉瓦造りの壁は、土壁を剥がした際に気に入り、あえてそのままむき出しで利用することにしたそう。

アリアンスグラフィック 店内

店内には、店主の趣味が高じてコレクションしだしたという、フランスのアンティーク雑貨や古い劇場用ポスターがずらり。アールデコ調の吊り燈もあり、ノスタルジーと異国情緒が漂う、ユニークな空間にときめきが止まりません。

ベイクドチーズケーキ

爽やかな味わいのベイクドチーズケーキ

デザートは、「ベイクドチーズケーキ」をオーダー。デンマーク産のクリームチーズを使った生地は、しっとりなめらか。爽やかな味わいで軽やかなホイップクリームとよく合います。この日は季節のフルーツが添えられており、甘酸っぱいいちごもクリーミーなケーキと好相性。一緒にオーダーした「シナモンチャイ」は、濃厚でスパイシーな味わいです。ジャズが流れる店内でゆったりとしたひとときを満喫しました。

元町駅に戻り、列車で三ノ宮駅へ。向かいにそびえ立つ、阪急電鉄の神戸三宮駅のシンボリックな外観に思わず目を奪われます。明日巡る予定の三宮エリアのホテルで1日を終えました。

神戸旧居留地/旧居留地38番館

旧居留地で美しい街並みを満喫

2日目は、三宮駅から徒歩15分ほどの「神戸旧居留地」へ。

旧居留地38番館

神戸旧居留地内にある旧居留地38番館

この場所は日本が開国後約30年間、外国人が住み働く場所として建設された「神戸居留地」の跡地です。ヨーロッパの近代都市計画技術を利用し、碁盤目状の格子状街路や街路樹、公園、街灯などが整備されました。

旧居留地38番館

現在はブティックやレストランが立ち並び、ショッピングエリアとして親しまれていますが、歴史的な建築を鑑賞することができるので、散歩にもぴったり。なかでもヴォーリズ建築事務所が手がけた「旧居留地38番館」は、フォトスポットに最適です。

旧居留地38番館

鉄骨鉄筋コンクリート造の建物の正面にはイオニア式の4本の円柱が。両端は石積みを目立たせたアメリカン・ルネッサンス様式の建築で、端正な佇まいに思わずうっとり。

デザイン・クリエイティブセンター神戸(KIITO)

デザイン都市のシンボル「KIITO」へ

旅の締めくくりは、旧居留地38番館から徒歩15分ほど、デザイン都市・神戸の創造と交流の拠点施設「デザイン・クリエイティブセンター神戸(KIITO)」に向かいました。

デザイン・クリエイティブセンター神戸

デザイン・クリエイティブセンター神戸

ゴシック様式を基調とした尖塔アーチの入口や、「黄金の絹を吐く蚕」からインスパイアされた装飾が目を引く施設。神戸の貴重な近代産業化遺産でもある「旧神戸生糸検査所」を改修して建てられたことから、「KIITO(きいと)」という愛称で呼ばれます。

デザイン・クリエイティブセンター神戸

入口上部には蚕をイメージした装飾が

現在は、「+(プラス)クリエイティブ」をコンセプトに掲げ、アートやデザイン関連の展覧会のほか、ワークショップなどを展開しています。

デザイン・クリエイティブセンター神戸 入口

旧館には1927年の建築当時に大理石でつくられた階段が今も残ります。

KIITO CAFE

生糸の検査所をリノベーションしたカフェでほっと一息

旧館の1階にある「KIITO CAFE」。

KIITO CAFE 店内

こちらでは温かみのある空間の中、新鮮な野菜を使ったプレートランチやオムライス、カレーなどを満喫することができます。

検査機器を再利用したテーブル

検査機器を再利用したテーブルが並ぶ

特に注目したいのは、旧神戸生糸検査所で利用していた検査機器を再利用した、1人掛け用のテーブル。当時の情景に思いを馳せながら食事が楽しめるところがいいですね。

日替わりランチ

1番人気の「日替わりランチ」を注文。この日の献立は、甘辛さが癖になる蓮根と牛蒡のきんぴら、味が染みた茄子とピーマンの揚げびたし、中はふっくらやわらかな鶏ムネ肉の油淋鶏など、心がほっとするメニューが満載です。雑穀米を使ったご飯も。まさにカラダが喜ぶラインナップ。

クリエイティブラウンジ

仕事もできるクリエイティブラウンジ

カフェの奥にある「クリエイティブラウンジ」は、2021年に新設された注目のフロア。休憩で利用できるテーブルやリモートワークにぴったりのデスクもあり、ワーケーションで神戸に訪れた際にも立ち寄りやすい空間です。

生糸検査所ギャラリー

糸巻きの機械の展示

建物の歴史をより深く知りたい人は、2階にある「生糸検査所ギャラリー」へ。実際に使用されていた生糸の品質検査の機器や写真、映像を鑑賞しながら、当時の様子を振り返ることができます。

神戸市立三宮図書館

斬新な空間で読書が楽しめる

同じ2階には、2022年から5年間限定で開設している「神戸市立三宮図書館」が併設されています。プライベート空間で読書に集中できる小さな巣のような閲覧スペース「ネストブース」があるほか、海に浮かぶブイをイメージしたキッズ用の本棚もあり、読書が楽しくなりそうな個性的な内装も魅力です。

KIITO SHOP

企画展型ミニショップ「KIITO SHOP」では、大判ハンカチやTシャツをはじめとするKIITOのオリジナルグッズやポストカード、マスキングテープなど、個性豊かなクリエイターとのコラボレーションアイテムを購入することができます。

歴史的な建物に、クリエイティブの力で新しい風を吹きこむ神戸。今と昔を行き来するようなひとときが過ごせるのは、このエリアならでは。近くに足を運んだら、ぜひじっくりとレトロな喫茶・建築巡りを楽しんでみてくださいね。

東京駅に到着

掲載情報は2023年4月23日配信時のものです。現在の内容と異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。

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びゅうたび

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