赤ちゃんの肌は乾燥しやすい!肌バリアを保つスキンケアの新常識、洗いながらセラミドを補い保湿する『うる肌洗い』とは?
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赤ちゃんの肌と聞くとなめらかで、すべすべもちもちの肌を想像するかもしれないが、実はとてもデリケートなもの。肌の表皮の厚さは大人の約半分と言われており、赤ちゃんの肌は気温の変化、乾燥、ダニやハウスダストなどの刺激に敏感だ。さらに、赤ちゃんの肌は生後3ヵ月頃から皮脂分泌量が低下しはじめ、思春期にかけての長い期間は“生涯最大のお肌の乾燥期”であるとも言われている(※1)。そんな赤ちゃんの肌を守ってあげるためにはどうしたらいいのだろうか?
ピジョン株式会社の中央研究所が、プレママ・ママを対象に赤ちゃんの沐浴・入浴に関する意識調査を行ったところ、赤ちゃんの肌が乾燥しやすいということはほとんど認知されておらず、沐浴・入浴“中”の保湿意識は低いという実態がわかった。また、皮膚科医が中心となって設計した実験計画に基づいた検証を実施。その結果、入浴“中”から肌のうるおい成分は失われていることが明らかとなり、皮膚科医の知見も踏まえ、肌の保湿に重要なセラミドを補いうるおしながら洗う『うる肌洗い』を推奨している。
生後たった 3 ヵ月から始まる“生涯最大のお肌の乾燥期※”に注意
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皮脂が不足すると肌内部の水分が蒸発しやすくなり乾燥を引き起こすため、保湿が重要となる。赤ちゃんの肌は生後3ヵ月からうるおいを左右する皮脂の分泌量が減り続け、思春期に至るまでの長い間、“生涯最大のお肌の乾燥期”を迎えるといわれている(※1)。
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そこで肌の保湿のために重要となるのが保湿成分の「セラミド」。セラミドは角層細胞どうしのすき間を満たし、肌内部の水分を繋ぎとめている肌の保湿成分。肌を外部刺激から守る「バリア機能」をきちんと働かせるための主役となる成分で、十分なセラミドで満たされた肌はバリア機能の働きが高く、外部刺激で肌荒れしにくい状態である。つまり、肌の保湿において「どれだけ多くのセラミドを維持できるのか」が重要となる。
【沐浴・入浴に関する意識調査】赤ちゃんの肌のバリア機能へのダメージを助長する、スキンケアの落とし穴が明らかに
6割のプレママとママが子どもの肌トラブルを心配。「肌トラブルを経験した」は約7割も
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意識調査によると6割以上のプレママ・ママが子どもの肌トラブルを心配している。
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過去、実際に肌トラブルを子どもが経験したことのある人は約7割もいることが判明。
ほとんど知られていない、生後たったの3ヵ月で“生涯最大のお肌の乾燥期”を迎えるという事実
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意識調査では9割近い人が赤ちゃんの肌が生後3ヶ月頃から“生涯最大のお肌の乾燥期”を迎えることを「知らない、知らなかった」「聞いたことはあるが、詳しくは知らない」と回答。ほとんど認知されていないことがわかった。
赤ちゃんは大人よりもセラミドが失われやすいことを約半数のプレママ・ママが知らない
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意識調査では約半数の人が「大人よりも赤ちゃんの方が、セラミドをはじめとするうるおい成分を失いにくい」または「大人と変わらない」と回答しており、赤ちゃんの肌に対する誤解が浮き彫りになった。
沐浴・入浴後の保湿意識が高い一方、沐浴・入浴“中”の保湿に対する意識は低い
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沐浴・入浴において「とても重視する」こととして、約5割のプレママ・ママが「汚れを洗い流すこと」や「沐浴・入浴“後”の保湿」と回答。一方で、「沐浴・入浴“中”の保湿」は3割程度で約20ポイントの差があり、赤ちゃんのからだを洗う段階からの保湿への意識は低いことが明らかになった。
沐浴・入浴中から「セラミド」などのうるおい成分が肌から流出することがほとんど知られていない
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入浴中に肌は水分を含み飽和状態になり、角層細胞が広がることで保湿成分「セラミド」などのうるおい成分が体外へ流出している(※2)が、そのこともあまり知られていないようだ。意識調査では半数以上の人が「知らない、知らなかった」と回答しており、「聞いたことはあるが、詳しくは知らない」も含めると9割近くに。
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沐浴・入浴中の肌の変化に関する質問では、7割以上の人が入浴中にセラミドが「変わらない」または「増える」と誤解していることがわかった。
【調査概要】
赤ちゃんの沐浴・入浴に関する意識調査
調査実施期間:2024年2月9日~13日
調査方法:WEBアンケート形式
調査対象:18~44才で妊娠1ヵ月~生後6ヵ月の子どもがいる全国の女性500名
※ピジョン調べ
【検証結果】実は、沐浴・入浴“中”から肌のうるおい成分は失われている
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皮膚科医が中心となって設計した実験計画に基づき中央研究所にて、沐浴・入浴でどの程度肌の水分が蒸散し、水分量が減少するのかを調査すべく、生後3~7ヵ月の子ども11名に対してボディソープを使用して腕の洗浄を行い、洗浄前・洗浄直後・洗浄の15分後にそれぞれ「肌表面の水分の蒸散量」と「肌の水分量」を測定した。
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肌表面の水分の蒸散量は洗浄前と比べて、洗浄直後に約6.7倍増加。
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また、洗浄前と洗浄15分後の赤ちゃんの肌の水分量を比較すると、平均で14%減少。
※測定概要(2024年2月29日・3月1日実施、使用機器:Corneometer CM825・VapoMeter、
家族の承諾を得られた皮膚に疾患のない生後3~7ヵ月の子ども11名)
監修者 皮膚科医 日比野佐和子氏のコメント
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日比野佐和子氏 プロフィール
医学博士/医療法人社団康梓会 Y’sサイエンスクリニック広尾、SAWAKO CLINIC x YS 統括院長
沐浴・入浴中は肌がうるおっているように見えますが、肌の内側では、うるおいに不可欠なセラミドが流出し、乾燥が始まっています。皮膚表面にある角層は、沐浴・入浴中に水分を含んで飽和状態(水分を最大限含んだ状態)になり、角層細胞の間隔が広がることで、肌のうるおいを保つセラミドなどの天然保湿成分が流れ出ている(※2)のです。
セラミドが流出すると、繋ぎとめられていた水分が肌表面から蒸散して乾燥が進みます(※3)。そうならないために、セラミドを補いながら洗ってあげることが大切。セラミドは肌の構造の中でも一番外側の角質層で活躍する成分。セラミド入りのボディソープなどで外側から洗ってあげることで、角質層に届けることができ、乾燥を防ぐことに繋がります。
皮膚科医 日比野佐和子氏推奨!赤ちゃんの肌バリアを保つスキンケアの新常識『うる肌洗い』3つのポイント
<ポイント1>セラミド配合のボディソープを選ぶ
沐浴・入浴によるセラミドの流出で、水分はどんどん蒸散してしまう。沐浴・入浴の最中からセラミドを含んだボディソープでうるおいを補うことが重要。
<ポイント2>「弱酸性」「低刺激」のボディソープがおすすめ
赤ちゃんの肌のバリア機能を維持するためには、肌を弱酸性に保つことが重要。アルカリ性のソープは泡立ちがよく洗浄力も高い一方で、汚れ以外にセラミドなどのうるおい成分も洗い流してしまい、洗いすぎに繋がる原因に。未熟な赤ちゃんの肌には刺激を与えすぎない「弱酸性」「低刺激」なものを選ぼう。
<ポイント3> こすらず泡で包み込むようにやさしく洗い上げる
汚れを落としたいと思うあまり、強くこすったりしてしまうのはNG。泡で包み込むように優しく洗い上げる。“洗いすぎない”やさしい沐浴・入浴がおすすめ。
肌が乾燥すると外部刺激を受けやすくなり、肌トラブルの原因にもなりやすくなるそうだ。乾燥しやすく繊細な赤ちゃんの肌を守るために、入浴後だけでなく、入浴“中”の保湿も習慣にしてみてはいかがだろうか。
■参考文献
(1)玉置邦彦.特別巻1 新生児・小児・高齢者の皮膚疾患(最新皮膚科学大系).中山書店. 2004.
(2)塩原哲夫.医学のあゆみ 228 巻1号.医歯薬出版株式会社.2009
(3)芋川玄爾.最新皮膚科学大系(玉置邦彦総編集)第7巻「角化異常性疾患」.中山書店. 2001.
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