VRやバーチャルキャラまで登場! 進研ゼミのICT教材はここまで進化しているゾ

ベネッセコーポレーションが19日、都内で「最新デジタル教材体験取材会」を開催。最新のデジタル教材・サービスを開発現場の担当者がデモンストレーションし、VRの学習教材や、ネコ耳ヘッドホン装着のバーチャルティーチャーまで登場した。

「進研ゼミ中学講座」公式V ティーチャー「なるり」が司会進行

会場には、ICT(情報通信技術)教材がズラリ。進行は「進研ゼミ中学講座」公式V ティーチャー「なるり」が務めた。2020年春に、コロナ禍で休校する学校も多いなか、「中学生にオンライン授業を楽しく受講してもらいたい」と誕生。インパクト抜群の衣装デザインや配色は、中学生受講者1441件の応募のなかから決定されたという。研修や講演会などにも登場するというバーチャルキャラで、テンションも高めだ。

「学習意欲が高い」生徒と「学習意欲が低い」生徒の二極化

「子どもたちは今どんな環境で学習しているのか」について説明するのは、同社・小学生商品開発部長の山津祥子さん。「学習意欲が高い」生徒と「学習意欲が低い」生徒の二極化が進んでいることを指摘。「やる気格差」もひろがっているという。また、ICT機器を活用した学習環境も、進んだとはいえ各学校で差がある。「やる気格差の解消と一人ひとりに合わせた個別最適な学びの環境作りを、デジタルを活用しながら行っていきたい」と話す。

「やる気の向上」教材のテーマは4つ

山津さんによると「やる気の向上」につなげる教材は、リアリティで興味を向上する「体感」、仲間と学び合うことで学びが楽しくなる「コミュニティ」、対戦やレベルアップを通じ知識を習得する「ゲーム」、生活に溶け込みながら学習行動につなげる「見える化」の4つのキーワードをもとに、それらを駆使して子どもたちが「楽しい」「面白い」「もっと知りたい」といった学習への動機づけを行っているという。

理科・社会のVR・ARで宇宙や歴史の世界に入り込む

「体感」では、VRを駆使した中学1年生・理科での360度宇宙ツアーや、小学6年生向けのAR(仮想空間)を使った社会科の学習(平安貴族との蹴鞠体験など)を提供。子どもたちからも好評を得ているという。

「コミュニティ」では、アプリにログインすると勉強仲間が見つかるオンラインの自習室「StudyCast(スタキャス)」を提供。「誰かと勉強すると、集中力が桁違いにアップするという声が上がっている」そうだ。

Nintendo Switch対応の学習ソフトも

「ゲーム」では、小学生を対象にNintendo Switch対応の学習ソフトも! 繰り返しやると億劫(おっくう)になりそうな勉強でも、ゲームなら楽しく続けられそうだ。子ども時代にあれば、自分もゲームで学力が上がったかも……小学生時代に欲しかった。

スマートウォッチがもらえるのか!

「見える化」では、スマートウォッチを中1・高1講座の入会者向けに提供。何をいつ勉強するのか迷わず分かるので、すぐ行動に移せる利点があるという。これ、もらえるのか!

「しまじろう」も進化

また、小学校入学前の幼児についてもICT教材は進化している。「しまじろう」でおなじみの、こどもちゃれんじ商品開発部長・橋本里奈さんは、年長向け教材から「タブレット×デジタルマシン」を紹介。タブレットの上にカプセルトイのような専用エデュトイを置いて回すと、しまじろうたちが、その日の学習をメッセージで応援してくれるという。カプセルトイ感覚で好奇心をくすぐるスグレモノだ。

橋本さんは「体験をもとに学びながら好奇心や探求心を養って積み重なっていくことで、学びに向かう力が培われていく」と語った。

個別最適な学びを提供する「ミライシード」

学校向けのサービスを担当する小中学校事業本部・岡部優さんは、「学校教育に求められる個別最適な学び」について解説。小中学校向けに展開している「ミライシード」は、GIGAスクール構想による1人1台タブレット端末が配備された2021年からの多くの学校で導入されているという。

「個別学習、一斉学習、共同学習といったシーンに応じたオールインワンソフトで、AIによる個別最適化を図るデジタルドリルや、主体的対話的で深い学びを促す授業支援ソフトをひとつに備えている」と特徴を説明する岡部さん。学習の手引きを先生が用意し、それに沿って子どもたちは自分で取り組みたい内容や学び方を、自ら判断して学習を進めていくという最近のトレンド「自由進度学習」をフォローしている。

教室の中での多様性が進む現在、「一斉学習には限界がある。この時代こそ改めてこういった学び方が注目され、全国的に広がっている」と話した。

2022年度「e-Learning Awards」受賞ソフトも

教室の多様化といえば、文部科学省の発表データでは、発達に特性のある小中学生が8.8%に増えているという。そこで、小学生を対象に「まるぐランドfor school」を開発。読み書き・認知特性の基礎スキルを測り、一人ひとりの特性に合わせた「学び方」を提案したソフトで、2022年度「e-Learning Awards」を受賞している。

「あの赤ペン先生は健在なのでしょうか?」

会場では、前述のICT教材のデモンストレーションが行われた。しまじろうのパペットには、音声機能も搭載されていた! 驚き体験の連続だが、個人的に気になったことがふたつ。「デジタルになっても、あの赤ペン先生は健在なのでしょうか?」──おそるおそる担当者に聞くと、「大学受験用の小論文添削など、変わらず健在です」とのこと。少しホッとした。

もうひとつ──体験会前日に放送されたバラエティー番組「激レアさんを連れてきた。」(テレビ朝日系)で「塾にも行かず6歳で始めたあの教材だけをコツコツやって超難関・一橋大学に現役合格した人」と登場したお笑いコンビ・ナイチンゲールダンスの中野なかるてぃんの件だ。

「これ進研ゼミでやったところだ!」という名シーンで1980年代に誕生した「あの漫画」が、中野を実在モデルに「55周年」新作漫画になっていたのだ! ブースを探すと……あった。紙のDM漫画は、デジタルになっても健在だった。

取材・文/佐藤アケミ

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