韓国の大ヒットラブコメ映画『ラブリセット 30日後、離婚します』カン・ハヌル インタビュー「出会うべき人は、何があっても出会うものだ」
2023年公開ラブコメ映画の興行収入No.1を記録した大ヒット映画『ラブリセット 30日後、離婚します』(原題:30일) が、いよいよ3月29日(金)より全国公開となります。
本作は、離婚を30日後に控えた夫婦が、交通事故で二人とも同時に記憶を失ったことで繰り広げられるラブコメディー。主演はドラマ「椿の花咲く頃」やNetflixのオリジナルドラマ「イカゲーム2」への出演決定などで注目を集め、本作でも「第10回韓国映画制作家協会賞」の主演男優賞を受賞するなど大人気の俳優カン・ハヌルと、映画「オオカミ狩り」、「還魂」などに出演、視聴者の心を掴んで離さない、繊細で安定感のある彼女の演技に日本でも多くのファンを持つ実力派俳優のチョン・ソミン。映画「二十歳」で共演した二人が8年ぶりに共演し、息の合った掛け合いを見せた本作は、昨年10月3日に公開され初日から22日間連続で興行収入1位を獲得、公開から35日で観客動員数が200万人を超える大ヒットを記録しており、日本のファンからも公開を待ち望まれた超話題作となっています。
そんな『ラブリセット 30日後、離婚します』より、主演のカン・ハヌルさんのインタビューが到着!作品の魅力についてご紹介します。
―― 『ラブリセット 30日後、離婚します』への出演を決めた理由は?
作品を選ぶ時は、ただ台本だけを見ます。座ったその場所で最初から最後まで一気に読めたら、その作品を選ぶんです。今回、チョ・ミンスさんが、「作品を選ぶ時は、監督のことも調べて、以前の作品のスタイルや、一緒に仕事をするスタッフのこともきちんと調べておくと、自分の力をうまく発揮できる」と助言してくれました。100%そのとおりですし、いい言葉です。でも僕にとっては当てはまらないことです。僕は、まず台本だけを見るんです。ただ台本だけ。その監督の以前の作品などは気にしません。この脚本が面白ければ出演を決めるんです。
――今回演じたジョンヨルという役柄を、どうやって作り上げていきましたか。
交通事故のシーンを撮影する時、事故の前までのつながりに空白ができたので、僕とソミンさんとで作りました。僕は友達といる時、よく互いの言葉をまねして言ったりしますが、それがこんなに憎たらしいと思いませんでしたよ。コメディーの時は、監督と話すことが多いですね。コメディーはタイミングによって左右されることがあって、1秒長く見せるかどうかで笑えるかどうかが決まります。僕は『デッドプール』や『ハングオーバー! 消えた花ムコと史上最悪の二日酔い』といったユーモアが好きなんですが、そういう部分が監督と合っていてよかったです。僕が関わる作品のほとんどが、現場で作り上げられていく場合が多いですね。台本に書かれているものも多くありますが、現場に行くといろいろ変わるんです。いくら考えてから行ったとしても、撮影現場に着いてみると動線が変わったり小道具が変わったりします。撮影現場に行く時は基本的な枠組みとセリフを考えて行き、そこから作り上げていくほうです。
――コメディーは初挑戦だったと思いますが、プレッシャーはありましたか?
他のジャンルよりも、特にコメディーに力を入れるわけではありません。ただ負担になるほどハンサムな役ではなかったし、顔の筋肉もうまく使えて口も大きいのはメリットだと思います。(韓国では)「笑った顔には唾を吐けない」ということわざがありますが、それを信じていますので、普段からよく笑ってますし、撮影現場でもいつも楽しい雰囲気を作ろうとしています。
――カン・ハヌルさんは周りの人を思いやることで有名なため、「美談製造機」というニックネームがあるほどですね!
いつもそんなに「いい人」というわけではありません。ただインタビューであれ撮影であれ、せっかく時間を割いて会う場ですから、しかめっ面をすることなく、笑顔で過ごして別れるほうがいいと思うんです。誰かにとって「一緒にいたい人」になりたいと思ってます。 自分ではそんなに「いい人」だとは思ってません。(笑)ただ現場に行く時の目標は1つです。みんなが時間を割いて会うわけですから、それが笑顔の時間だったらいいじゃないですか。そんな気持ちで生きています。そういう姿を人々が気軽に「いい人」と言ってくださるのだと思いますが、僕は「いい人」というよりも一緒にいると楽しい人でありたいと思ってます。また他にもみんなが誤解しているのは、よく「我慢すると病気になる」と言われるんです。僕は我慢してるわけじゃないのに、誤解している人が多いんですよ。僕はただ、あまり感情が揺れないほうなんです。想定外のことが起こると、むしろ楽しいと思えるし、「こうなるのか」という面白みがあると思います。完璧主義者じゃないというだけですよ。「いちいちうるさくない子」というだけですね。多くの方が僕のそんな部分を好意的に見てくださるのだと思います。
――今回の作品で演じながら、結婚についての見方が変わりましたか?
ジョンヨルを演じて、結婚について特に別の見方をするようになったとか、あるいは深く考えるようになったとか、そういうことはありません。ただ僕の周りの結婚した友達のさまざまな姿を思い浮かべました。僕の周りにいる友達は、大部分が結婚しているんですが、変わらず仲よく幸せに暮らしている人もいれば、反対に夫婦ゲンカについて僕に相談する友達もいます。今回の作品で演じながら思ったことは、「出会うべき人は、何があっても出会うものだ」ということです。でも僕だったら、別れた恋人と再び交際することはできないと思います。もし2人とも記憶喪失になっていたらできるかもしれませんけどね。(笑)
――結婚の経験がないのに、離婚を目前にした状況を演じることは難しくありませんでしたか?
もう少し若かったら、夫婦役を演じるのは、もっと難しかったと思います。今は結婚した友達が周りにも多いし、仲よく楽しく暮らしている友達も、毎日ケンカして僕に相談する友達もいるし……。結婚というものが、ある程度、僕の生活に近くなった気がしています。聞こうとしなくても聞こえてくる話がたくさんあるので、結婚生活について特に聞かなくても分かりました。
――結婚に対する夢が壊れたのでは?
すべての夫婦がそうだというわけじゃありませんからね(笑)。幸せに楽しく暮らしてる夫婦もたくさんいます。(本作を観て)一緒に暮らせば、こういう問題があるんだろうなと思いました。僕は1人暮らしが長いので、やはり1人の時間が楽なんです。この作品で演じながら、誰かと一緒にいたら、続けて気を配らなければならない部分があるんだなと思いました。
――チョン・ソミンさんと2回目の共演ですが、感慨深かったのでは?
イ・ビョンホン監督の映画『二十歳(ハタチ)』のあと、2回目の共演です。『二十歳(ハタチ)』の時よりも『ラブリセット』で感じたことは、ソミンさんが現場で余裕と年輪を重ねたということです。僕もそう思われるかなと、ソミンさんを見ながら思いました。僕が「どたばた」とした感じなら、ソミンさんには落ち着きから来る安定感がありステキだと思います。『二十歳(ハタチ)』の時より確実に仲よくなった気がします。あの時は、どうしてもメインとなる内容にキム・ウビンさんとジュノさんのシーンが多かったので、そこまで親しくはなれなかったんです。今回の作品では、互いのスタイルもよく分かりました。最近MBTIがはやってますが、ソミンさんはMBTIの天才なんです。そんな話をしながら親しくなりました。
――- 2007年にデビューして以来、ドラマやスクリーン、演劇まで、ジャンルを超えて走り続けてきましたね。休む間もないほどの時間を支えてきた原動力があるとすれば何ですか?
特に原動力はありません。ただ僕にも休暇は必要です。あるかもしれない休暇のために働いているようなものです(笑)。演技することがとても好きだから作品を続けていると思われる方もいらっしゃるでしょうが、それよりも僕は本当に運がよかったケースだと思うんです。謙遜して言っているわけじゃなく、本当です。運がよくて、こうやって途切れることなく作品を続けているんだな、僕には運があるんだなと思っています。
『ラブリセット 30日後、離婚します』
■公開表記:2024年3月29日(金) 全国ロードショー
■提供:楽天
■配給:松竹
■コピーライト:©CINEMA WOOLLIM, TH STORY AND MINDMARK
■映倫区分:G
監督:ナム・デジュン
主演:カン・ハヌル、チョン・ソミン
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