【千葉県旧天津小湊町(鴨川市)】日蓮聖人ゆかりの地へ
日本中では目まぐるしく、日々いろんなイベントがひらかれている。「そんな日本には、どのような土地があるのだろう」と、写真家として活動している私(仁科勝介)は、“平成の大合併”時に残っていた、旧市町村をすべて巡る旅に出た。その数は2000を超える。
今回、地域や自治体、企業の取り組み、新商品などの情報を発信するニュースサイト「ストレートプレス」で、それらを紹介する機会をいただいたので、写真を添えて連載をスタートした。
「ストレートプレス」内に登場するローカルな市町村と、関係があるかもしれない。
今回は、千葉県旧天津小湊町(鴨川市)を写真とともに紹介する。
Vol.149/千葉県旧天津小湊町(鴨川市)
天津小湊(あまつこみなと)という名前を聞いて、珍しい地名だなあと思った。昭和30年に天津・小湊の両町が合併して成立したまちだ。まちは丘陵性の山地が広く分布しており、平坦地の多くは海岸線沿いや河川流域に限られている。
今回は天津小湊支所を訪れたあと、日蓮聖人のゆかりの寺である誕生寺を目指す。
海が目の前にある天津小湊支所へ訪れると、ちょうど職員の方が鴨川市の旗を掲揚されていた。優しく声をかけてくださって、周辺を巡っていることを話すと、「誕生寺さんもありますね」と教えてくださった。ぼくはフラットな発音で「たんじょうじ」だと思っていたけれど、地元の方の発音では、「たん」にアクセントが入った「たんじょうじ」であった。
港の風景を通りつつ、日蓮宗の誕生寺へ向かう。入り口の立派な仁王門に息を呑む。清々しい境内だった。日蓮聖人はこの地で漁師の子として生まれたという。お寺は15世紀や17世紀に地震や津波の被害を受けているが、再興されて今に至る。祈りの場が守られていることは、心の拠り所が守られているということだと感じられたのだった。
(仁科勝介)
仁科勝介(Katsusuke Nishina にしなかつすけ)/かつお
写真家として活動。1996年、岡山県倉敷市生まれ。広島大学在学中に、日本の全1741の市町村を巡る。
『ふるさとの手帖』(KADOKAWA)、『環遊日本摩托車日記(翻訳|邱香凝氏)』(日出出版)をはじめ、2022年には『どこで暮らしても』(自費出版)を刊行。
旧市町村一周の旅『ふるさとの手帖』:https://katsuo247.jp
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