ブギウギ第14週振り返り:『夜来香ラプソディ』『大空の弟』『別れのブルース』歌の持つ力を改めて実感

4日、5日の2日間だけだったが、『ブギウギ』第14週が終わった。戦争の色がますます濃くなる中、歌が人の心をどれだけ軽くしたり、癒すのかが分かった2日間ではなかっただろうか。

上海で、軍が全面支援する音楽会に向けて着々と準備を進めていた羽鳥(草彅剛)は、中国人である黎錦光(浩歌)が作曲した『夜来香』をアメリカのリズムにアレンジし、それを世界中の音楽家と演奏することを画策。

そして羽鳥は「音楽が時世や場所に縛られるなんてバカげてる。音楽は自由だ。誰にも奪えないということを僕たちが証明してみせよう」と訴えるのだった。果たして、李香蘭(昆夏美)が歌った『夜来香ラプソディ』は人々の心を静かに打ったのだった。

一方、スズ子(趣里)は、慰問先の富山の旅館で、夫を戦争で亡くしたという女中の静枝(曽我廼家いろは)と出会い、公演を見に来てほしいとお願いする。重い腰をあげて静枝が出向くと、スズ子が『大空の弟』を歌っていた。それは戦死した弟・六郎(黒崎煌代)のことを思って歌った歌だった。それを聴いた静枝の表情が和らぐ。スズ子も愛する者を失った悲しみを同じように持っていることを知ったのだった。静枝は、スズ子の歌を聞いて亡き夫との懐かしい想い出に浸る。

鹿児島では、茨田りつ子(菊地凛子)が、若い特攻隊員への慰問に訪れていた。軍歌を歌いたくないと断固拒否するりつ子。そこで隊員に歌って欲しい歌を募ったところ、彼らはりつ子の『別れのブルース』を挙げた。リクエスト通り歌うと、隊員たちから意外な感謝の言葉が。「もう迷いはありません」「いい死に土産になります!」……歌い終えたりつ子は袖で一人泣き崩れる。

ネットでは、
・歌の力は、こういう非常時でも必要だったということだよね
・同じ曲でも状況や聴き手によって違った意味合いや響きを持ち、それによりドラマが鮮やかに推進されているのが印象的。
・うたが時代を映し出す

といった声が寄せられている。一方で、りつ子が歌った『別れのブルース』によって、隊員たちが命を捨てる覚悟を固めたことに繋がってしまったことがまた切ない。

ネットでは
・日の丸背負った歌姫による特攻隊員の為の別れのブルース…胸が苦しい
・気丈で冷静だった茨田りつ子が 崩れ落ちる姿 堪らなかった
・茨田りつ子が軍歌を歌おうとしなかったのは、ただ性に合わないのではなく戦争に行く人達の背中を押すようなことをしたくなかったからなんだろうな。

という声もあった。それでも隊員たちは軍歌より、『別れのブルース』を聴いたほうが心が満たされたに違いない。

(執筆者: genkanaketara)

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