【肉の日記念】染み出る肉汁! 柔らかな食感! “肉”が断然に美味しくなる“肉焼き絶品ルール”とは
“肉!肉!肉!”~家で焼く肉をワンランクアップ!
かたまり肉がもうもうと煙を上げながら、あたり一面に香ばしい匂いを振りまく会場。固唾をのんで見守る取材陣。誰がどう見ても絶対「おいしい」と感じるこの光景、実は5/22、東京恵比寿で開かれた『肉焼き総研』の発足記者発表会での一幕だ。
『肉焼き総研』とは、家庭での“肉焼き料理”を今まで以上においしく・楽しくすることを目的に発足したというもの。当日はとにかく「肉」のため、「肉」を美味しく食べるにはどうしたらいいのか、という事にフォーカスを当ててトークや発表が行われた。
ゲストでは、“ネイチャージモン”こと芸能界随一の肉マニア、寺門ジモンさんも迎えて、肉焼き料理におけるコツやノウハウが披露された。
決して高価な肉でなくても、特別な調理器具や調味料がなくても、このイベントで伝授された肉をバツグンに美味しく焼く“肉焼き絶品ルール”をこの記事で紹介していきたい。覚悟はいいか?!
“全ての肉好きに捧ぐ”……肉焼き総研が提唱する“肉焼き絶品ルール”とは
まず、“ウマい肉”とはなんだろう? 値段が高い肉だろうか? 確かに値段やランクが高ければ美味い肉は多いが、今回のポイントは素材の比較ではない。
今、あなたの目の前にある肉のポテンシャルを100%に近いところまで引き出すことが今回のポイントなのだ。ポテンシャルを引き出されたとき、初めてその肉は“ウマい肉”たりえるのだ。
「ウマい」「おいしい」と感じるための具体的な条件のひとつとして、肉が持つ「水分」が重要になってくる。いわゆる肉汁・旨味が適度に蓄えられた状態が保たれている事が必要だ。この点を意識するだけで、ジューシーさはもちろん、やわらかい仕上がりが約束される。
“肉は好きか? よろしいならば焼き方だ”~“肉焼き絶品ルール”ポイント1:中心温度「65℃焼き」とは
ジューシーにやわらかく肉を焼き上げるにはどうしたらいいのか? 答えはずばり中心温度「65℃焼き」である。
我々が食べる「肉」はそもそもが筋肉。筋肉はタンパク質であるコラーゲンで構成されている。コラーゲンは熱をくわえられると収縮をはじめ、蓄えていた水分(旨味、肉汁)は追い出されてしまう。
この、コラーゲンが収縮を始めるタイミングが「65℃」という温度なのだ。実際に、ハンバーグの内部温度を計測しながら肉汁の量を計測したグラフでも、65℃を境に肉汁の量は激減してしまっている(66℃から75℃で3分の1程度に減少)。
収縮しきってしまったコラーゲンは当然硬いし、水分は保持されていない。
しかし肉焼き総研が提唱する“肉焼き絶品ルール”中心温度「65℃焼き」であれば「ジューシーでやわらかい」肉の仕上がりが約束される。
とはいえ、肉を焼くのに温度計を持っている人などいない! 中心温度65℃を見極めるにはどうしたらいいのか? 実は、よーく観察するだけでわかってしまう。
中心温度65℃の目安は「表面に浮き上がってきた肉汁」。加熱によって中に閉じ込められていた肉汁がうっすらと浮かび上がってきたら、肉の中心温度はまもなく65℃に達するというのだ。
この段階で肉をひっくり返す。そしてひっくり返した裏面にも、うっすらと肉汁が浮かび上がってきたら完成である。
当日もこれらの事を踏まえてステージで実演、ジモンさんが試食。我々もよーく観察していると、確かに肉の表面に肉汁が浮かび上がってきている!
試食したジモンさんも、「んまいいっ!」と最高リアクション。
肉の厚みや調理環境に関わらず使える“肉焼き絶品ルール”中心温度「65℃焼き」、肉好きであれば絶対に覚えておきたい。
“え、それだけでいいの?”数分から始める驚きの下準備~“肉焼き絶品ルール”ポイント2:秘伝技「漬け技」とは
焼き方のみならず、更に効果的なのが秘伝技「漬け技」。これはズバリ、フルーツ入りの焼肉のタレに漬けたり、揉み込んだりするだけ。たったこれだけで柔らかくおいしくなるというのだ。
『肉焼き総研』の実験では、素焼きの肉と焼肉のタレに漬けこんだ肉との比較。結果ではなんと、焼肉のタレのほうが柔らかいと感じた人は100%、おいしいと感じた人も96%にのぼったという(いずれも豚肉の調査結果で有意差0.1%)。
「やわらかく・おいしくなる」仮説として、『肉焼き総研』では市販の焼肉のタレに含まれる「糖」「油」「フルーツ」の3成分に着目した。
糖:保水効果があるので、肉の筋組織に入り込んで水分を抱え込む(柔らかくする)
油:油によって肉の表面温度が一気に上がって焼き固まり、表面の筋組織が緻密になることによって外部の熱が肉の内部に伝わりにくくなる
フルーツ:フルーツに含まれる「有機酸」の働きで肉が柔らかくなる。またフルーツの糖は一般の糖よりも低分子なので、筋組織に入り込みやすい
焼肉のタレに含まれるこれらの成分が、肉の水分を保ち、肉を柔らかくすると考えられている。さらにこの検証、筆者も実際に自分の舌で比較してみた。
目の前で焼いてくれたのは2種類の肉。「素焼き」のものと、「15分ほど焼肉のタレに漬け込んだ」上で焼いたもの。
素焼きの肉は、いわゆる筆者が今まで食べたことのある、想像の範囲を超えない“焼いた肉”。「普通に焼いたお肉ですね。おいしい」という無難な感想。
一方、漬け込んだ方の肉は、……「全く違う肉なのではないか」と感じるくらい柔らかさとジューシーさが違う(本当)。疑り深く現場にいたお姉さんに「そうは言っても本当は違う肉なんじゃないの?」と聞いても、「同じ肉」だという。
また「漬け込んだ」と聞くと、焼肉のタレの味が強いのでは? と思っていたがそんなことはなかった。タレの下味が主張してくることもなく肉本来の味を楽しめたのも、個人的には一番の驚きだった。
少ない手間でウマい肉が食えるテクニックを『肉焼き総研』で公開
肉がやわらかくなる「漬け焼き」は肉の大きさや種類に応じて漬ける時間を工夫してほしい。
例えば、薄切り肉や一口大の肉であれば5分から15分以内でOKだ。ステーキなどの大き目の肉ならば30分から1時間、骨付き肉やかたまり肉ならば約6時間から一晩ほど漬け込んでみよう。これだけで、いつもの肉が見違えてくるはずだ。もちろん焼くときには中心温度「65℃焼き」も忘れず。
詳しいレシピや更なるテクニックについては『肉焼き総研』のホームページでも公開されている。
ちなみに会場で食べた『浜内式絶品レシピ』の中でも、『華やか肉にぎりずし』が特にお気に入りの筆者。「でか肉焼き」のジューシーさを家庭でも再現すべく、実際に試してみたいと思う。
肉焼き総研
http://nikuyakisoken.jp/
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