グローバル化と人にやさしい社会

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グローバル化と人にやさしい社会

今回はメカAGさんのブログからご寄稿いただきました。

グローバル化と人にやさしい社会

日本はこれまで地球環境にやさしい社会、弱者にやさしい社会を目指してきた。でもこれってもとをたどれば、「ジャパン・アズ・ナンバーワン」と言われてた頃に始まったことだよね。もう十分お金は儲けたから、次は他の国から尊敬されるような社会を作りましょうと始めたことだ。エコノミックアニマルと呼ばれた日本人のイメージチェンジを目指したわけだ。

一方で最近はなにやらグローバル化が流行りらしい。そのグローバル化の中身がよくわからないのだが、一言で言えば日本の大多数のサラリーマンの所得は現在の発展途上国並になるというものらしい。それがグローバル化なのか?というのはさておき、とにかくみんながそう言っているのだからしかたない。

仮に日本人の大半の所得が途上国並になると、地球環境にやさしい社会とか、弱者にやさしい社会というのは維持できなくなると思うんだよね。

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そもそもなんで日本は途上国に比べてなにをするにもコストが掛かるかというと、そういう部分に金をかけているから。品質を90%から99%に高めるにはすごいコストがかかる。90%でいいならもっと安くできるだろう。

安全性(消費者の安全性はもとより作ってる人間の安全性)も、途上国とは比べ物にならないくらい重視しなければならない。別に日本の企業や労働者が無能でコストアップになってるわけではなく、そういう部分に金をかけざるをえないから、途上国よりもコスト高になっている。

んでグローバル化(笑)が実現した暁には日本は途上国と同じになるというのだから、たぶんそういう部分にかけていた金も途上国並みに低くなるのだろう。そういうことのはず。

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以前も述べたけれど、もし日本のサラリーマンの所得がグローバル化で途上国並になるならば、それは単に自分がもらう給料が安くなるというだけでなく、こうした社会の構造そのものが変化するということ。地球環境にやさしくするのも、弱者に優しくするのもやめなければ、社会は維持できない。日本はこれまで金持ちだったから、そういう部分に金をかけれたわけで。

このへんわかってるんですかねぇ。なんかいまの日本の社会全体はたいして変わらず、安全性も治安も社会保障も現状通りで、自分一人がちょっと貧乏になった世界を想像してる人が多くない?その程度なら我慢できる、と。個人が貧乏になることと、社会全体が貧乏になることは、本質的に違う。

だって社会を運営してるのは我々が収めた税金なわけで、大半のサラリーマンの所得が減るということは、国を運営するための金もなくなるということ。バリアフリーだって金があるからできること。

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原発だって危険だから動かすなというけれど、それで日本全体が貧乏になったら、他の部分で安全性を維持するためにかけているコストがかけられなくなってくる。工場が事故を起こす頻度も増えるだろうし、品質が低下した製品で起こる事故も増えるだろう。

有毒物質にまみれて産業廃棄物から資源を回収している途上国の人々の姿は心が痛むけれど、日本もそうしなければならなくなる。それに比べれば原発を動かした方が、長い目で見れば日本人の健康と安全にプラスだと思うけどね。原発を止めたがゆえに医療水準も低下して乳児死亡率が途上国並みになっていいんですかね。

執筆: この記事はメカAGさんのブログからご寄稿いただきました。

寄稿いただいた記事は2013年05月27日時点のものです。

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