バスチケット予約システム「BookMeBus」による交通インフラの整備。カンボジア発展の鍵となるか

公共交通インフラの整備が進む東南アジアのカンボジアでは、旅行者にとってバイクタクシーやトゥクトゥクが一般的な移動手段である。

そんななか、政府は近年、公共交通の改革に積極的に取り組んでいる。公共事業運輸省(MPWT)は行政、スタッフ、財務管理の効率化を目指し、112の新しいアクションプランを承認。2023年には「スマート交通システムのマスタープラン」が運用を開始し、韓国の支援を受けて、道路網の管理や交通制御、実時間の交通情報収集などの近代的な技術を導入した。

成長著しいカンボジアのテックスタートアップ

デジタル化の波に乗り、カンボジアは特にテクノロジー分野で注目すべき成長を遂げている。

2023年10月、カンボジアのフン・マネット首相が、北京で開催された巨大経済圏構想「一帯一路」の国際会議に出席。同氏は、カンボジアではデジタル経済への移行が進んでいると説明。さらにカンボジアには若年人口が多いことから、デジタル経済への労働力を備えていることを強調し、カンボジアへの投資を呼びかけたことをクメール・タイムズが伝えている。

そんな勢いを増すカンボジアのデジタル化を後押しするのが、現地で頭角を現し始めているテックスタートアップの進化と成長だ。

カンボジアの移動を変革するスタートアップBookMeBus

カンボジア発スタートアップのBookMeBus社は、バスチケット予約システム「BookMeBus」を提供している。このシステムは単なるオンライン予約にとどまらず、タクシーやフェリーの予約にも対応しており、さらにはカンボジア国内だけでなく、ベトナムやタイへの国境を越えるサービスも提供している。

このサービスは、提供地域全体の交通アクセス改善と利便性向上に寄与。大手および中小規模の運送事業者向けにSaaS管理システムを提供し、世界中の旅行者がオンラインで交通チケットを予約できるようにサポートしている。

多様な支払いオプションを提供するオンラインチケット予約は、国内外の旅行者に新たな利便性をもたらす。リアルタイムでの予約変更やキャンセルも可能になり、顧客の満足度向上とカンボジアの観光業発展に寄与する。紙のチケットに代わる“環境にやさしい選択肢”としてもまた一目置かれるであろう。

カンボジアの経済発展へ貢献

BookMeBus社は今後5年以内に、旅行者の最初の選択肢となることを目指し、効率的でコスト効果の高い旅行予約手段を旅行者と事業者に提供することを目標としている。

同社は、カンボジア国内外でのサービス拡大を目指し、地域ネットワークの強化を通じて、カンボジアとその近隣国との連携を深める予定だという。この取り組みは、地域全体の観光産業の成長を促進し、カンボジアの経済発展に貢献すると期待されている。

BookMeBus社のようなテックスタートアップが生活者の常識を変革し、カンボジアの未来を切り開く重要な役割を果たしていくであろう。

参考・引用元:
BookMeBus
Aquarii BD
Travel Daily Media
EAC News Cambodia

文・Alley(有吉隆浩)

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