イスラエル Innoviz社の自動運転車向け“AIコンピューティングモジュール”、2024年CESイノベーションアワード受賞
イスラエルを拠点とするInnovizの最新のプロダクトであるInnovizCoreが2024年CESイノベーションアワードを受賞したと発表した。この賞はアメリカで毎年開催される世界最大級のテックイベントCESにおいて29分野別に素晴らしいデザインやプログラム設計がされているプロダクトに贈られる賞である。
世界的なLiDAR技術ベンダー“Innoviz”
Innovizは世界的に認められているLiDAR技術ベンダーであり、世界有数の自動車メーカーのティア1サプライヤーとしてBMWやフォルクスワーゲン社などにLiDARを提供し、世界中で安全な自律走行車が走る未来に向けて取り組んでいる。
このLiDAR(Light Detection and Ranging)は、レーザー光を使って距離を測定し、物体や環境の詳細な3Dを作成するリモートセンシング技術のことだ。空間データを正確に捉えることができるため、自動運転車、農業、都市計画、環境モニタリング、建設、文化遺産保護、災害対応、土木工学など、さまざまな分野で利用されている。
InnovizのLiDARと知覚ソフトウェアは、人間よりも「よく見える」とされており、エラーの可能性を低減し、性能と安全性に対する厳しい基準を持つ自動車業界の期待に応えている。
米国、欧州、アジアで事業を展開するInnovizは、国際的に認知された高級車ブランドから消費者向け車両に採用されているほか、その他の商業・産業界のリーダーからも幅広い使用ケースで選ばれている。
自動運転をグレードアップさせる“InnovizCore”
InnovizCoreは、AI、ディープラーニング、コンピューター処理を統合したInnovizの全く新しいコンピュートモジュールで、自動運転におけるレベル2+からレベル5までの安全運転を保証する。
InnovizCoreには、Innovizの知覚ソフトウェアと全く新しいLiDARベースのMRM(Minimal Risk Maneuver)ソフトウェアを統合したコンピュータービジョンアルゴリズムを実行するための強力なシステムオンチップ(SoC)プロセッサーが搭載されており、毎秒数百万ピクセルの生の点群データをリアルタイムの運転判断に変換する。
MRMは、自律走行と手動走行の間の移行段階を監視するフェイルセーフ・システムである。現在市販されているほとんどのMRMシステムは2Dカメラ・ソリューションを搭載しているが、Innovizは顧客であるBMWグループと共同で、このセーフティ・クリティカルアプリケーションに正確な3Dイメージングをもたらす、史上初のLiDARベースのMRMを共同開発している。
主要な走行システムに故障が検出された場合、またはドライバーが速やかに車両を制御しない場合、InnovizCore MRMの安全メカニズムは、LiDARデータに基づいてリアルタイムで運転判断を行い、安全な停止に誘導する設計だ。
参考・引用元:
Innoviz 公式サイト
Innoviz プレスリリース
(文・ささささき)
ウェブサイト: https://techable.jp/
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