『REBEL MOON －パート1：炎の子』ぺ・ドゥナインタビュー「芝居はいつも直感的。ザック・スナイダー監督は“想像を超えるものになった”と言ってくれた」

2023/12/21 10:00 ガジェット通信映画

『アーミー・オブ・ザ・デッド』『ジャスティス・リーグ』のザック・スナイダー監督が構想に20年以上を費やして完成させたSFスペクタクル2部作の第1部『REBEL MOON －パート1：炎の子』がNetflixで12月22日より独占配信となる。物語の舞台は、巨大帝国“マザーワールド”が支配する銀河。主人公は、暗い過去から逃げ、惑星の片隅の平和な村で暮らしていた心優しい戦士コラ。ある日、冷酷非道のインぺリウムの執行官、ノーブル提督率いる帝国の刺客が現れ、侵略を開始し、コラは蹂躙された村人の敵討ちのために立ち上がり、惑星を巡りながら共に戦う戦士“レベルズ”（反乱者）を探す仲間集めの旅へ出る──。

主人公・コラを擁するレベルズのひとりであり、顔色ひとつ変えず、剣と復讐心を燃やす二刀流使い、ネメシスを演じたのは是枝裕和監督の『空気人形』や『ベイビー・ブローカー』で日本でも高い人気を誇るぺ・ドゥナだ。来日時のインタビューを掲載する。

―─パート１ではまだあまりネメシスの素性は明らかにされませんでしたが、ネメシス像とはどうやって向き合いましたか？

パート1と2と分けて配信されますが、脚本はひとつで撮影も一緒に行われました。1ではそこまでネメシスの情報は出ていませんが、2では詳しいディティールが描かれていて、私はそれを理解した上で1のお芝居をしました。今言えることとしては、ネメシスは家庭において傷を負った人物です。そして、弱者を守るというパワフルさを持つ反面、弱さも宿しています。私は冒険心を持っていたり、プロ意識が高い役者であると思われているかもしれませんが、私もネメシスと同じで弱い部分はあるので、ネメシスという役に深く入り込むことができると感じ、出演を決めました。

――監督からはネメシスを演じる上で何かリクエストはありましたか？

監督とZoomミーティングをした際に、ネメシスのライフストーリーと人間像を教えてくれたんですが、その後は基本的には任せてくださいました。私はいつもお芝居を直感的にやっていますが、それが今回「想像を超えるものになったと」がおっしゃってくださいました。

――剣のような武器を2本持ったアクションシーンが印象的でした。どんなトレーニングをしましたか？

あの剣は3種類ありました。ライトが付くものと付かないもの、そしてアクションがしやすい軽めのもの。小道具さんが付いて回ってくれ、シーンによって3種類を使い分けました。ネメシスは復讐心から自らの手を切り、義手を付けています。そこで観客の皆さんは、彼女がどれだけのものを背負っているかを思い浮かべるでしょう。私はこれまで役作りのためにアーチェリーやテニス、武術、そして利き腕ではない左手で卓球をやる、といったことをやってきたので、今回の剣術のシーンはそこまで大変ではなかったんですが、匍匐前進のシーンは苦労しました。

──アクションシーンだけでなく、壮大なセットや複数の登場人物の思惑が絡んだストーリーなど、『REBEL MOON』の見どころは多いです。ぺ・ドゥナさんはどこが一番の見どころだと思いますか？

パート2も含めて、ストーリー以上のもの具現化された作品になったと思っています。例えば、劇中にいっぱい出てくる宇宙生命体は私が想像していた以上にかわいかった。ザック・スナイダー監督のシグネチャーであるキレのあるアクションシーンは大きな見どころで、「さすがだ」と思いました。また、砂漠のど真ん中に村を作ったり、壮大なセットを組む一方、CGもふんだんに使っています。映画を観ながら、「これはセットなのかCGなのかどっちだろう？」と考えるのもひとつの楽しみだと思います。麦も実際に砂漠に植えて収穫をしたんです。また、俳優陣のお芝居も魅力的だと思います。特に終盤の主人公コラと敵役のノーブル提督が闘うシーンのソフィア・ブテラ（コラ役）とエド・スクライン（ノーブル役）のお芝居は素晴らしいと思いました。

──『REBEL MOON のようなSFスペクタクル作品に出演する一方、是枝監督の『空気人形』や『ベイビー・ブローカー』にも出演されているのは意図的なものなのか、そうではないのか、どちらなのでしょう？

特に意図はないので、役者として本当にラッキーだと思っています。『ベイビー・ブローカー』は親しくさせていただいている是枝監督から「出演しますか？」という連絡をいただき、「はい」とお答えして出演が決まったので、すごく自然でした。自分のお芝居を価値のあるものにするためには最善を尽くし、集中します。でも、俳優としての見え方や立ち位置については何も意識していないんです。