【静岡市】 松尾芭蕉や浮世絵「東海道五十三次」にも登場、とろろ汁で江戸の旅人気分に
旧東海道沿いにある、昔ながらの茅葺屋根の建物。
名物のとろろ汁を提供するお店「とろろ汁の丁子屋」(ちょうじや)には、昔も今も変わらず、次々と旅行客が出入りする様子が見られます。
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「東海道五十三次」20番目の宿場町「丸子宿」(まりこしゅく)で、徳川幕府が誕生する前の慶長元年(1596年)に、茶屋として創業。
自然薯が採れる時期、東海道を旅する参勤交代やお伊勢参りなどの人々に、とろろ汁としてふるまったのが始まりとのこと。いまや400年以上の歴史がある、静岡最古のとろろ汁のお店です。
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松尾芭蕉が「梅わかな 丸子の宿の とろろ汁」と詠んだ句があります。
また、十返舎一九は「東海道中膝栗毛」に丸子宿の場面があり、この話を受けた葛飾北斎がとろろ汁に足を滑らせる弥次喜多の姿を描きました。
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さらに、歌川広重の「東海道五十三次」にも、弥次喜多と思われる旅人がとろろ汁を味わう丸子宿の場面が登場します。
江戸時代を代表する文化人たちも魅了したととろ汁が、ここ丁子屋では今も健在。丸子宿や東海道について、浮世絵などを、建物内の資料室で見ることができます。
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名物「とろろ定食」は、地元の提携農家が育てた自然薯をはじめ、地場の食材にこだわる伝統の味が堪能できる看板メニュー。茅葺屋根の建物内も昔ながらの雰囲気で、江戸の旅人気分が味わえます。
当時はこの後、東海道屈指の難所である宇津谷峠を控えていました。そのため、栄養価が高くて食べやすいとろろ汁で精をつけようという旅人たちで、おおいににぎわったそうです。
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とろろ汁を食べた後は、旧東海道の名残が残る街道を歩くのもおすすめ。さらに当時の旅人たちの気分が味わえるでしょう。
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とろろ汁の丁子屋
https://chojiya.info/
取材協力:静岡市
(Written by A. Shikama)
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