世界中のコーヒー産地をめぐった著者と学ぶ、コーヒーにまつわる基礎知識

世界中のコーヒー産地をめぐった著者と学ぶ、コーヒーにまつわる基礎知識

 古くから世界中で親しまれ、日本でも江戸時代後期に伝わったと言われる「コーヒー」。近年を見ても、スターバックスなどの海外チェーンの台頭やサードウェーブ系と呼ばれるスペシャリティコーヒーの流行など、コーヒー人気はおとろえません。

 そんな古今東西、多くの人を魅了してやまないコーヒーのすべてがわかる書籍が、川島 José 良彰さんによる『世界を旅する コーヒー事典』です。同書は”コーヒーハンター”として40年以上にわたって世界中の産地を渡り歩き、技術指導をしながら新しいコーヒーを探索してきた川島さんの知識や経験がギュッと詰め込まれた一冊。同書について川島さんは、「僕がこれまでに訪問したコーヒー生産国の中から、思い出深い産地や印象的な生産者や研究所をご紹介しながら、世界のコーヒーの歴史や文化を感じ、読者のみなさんと一緒に旅する事典です」(同書より)と説明しています。

 同書のメインパートとなるのが、川島さんがこれまでに訪れた世界のコーヒー産地の紹介。アフリカ・中東編ではエチオピアやタンザニア、レユニオン島、アジア・太平洋・北米編ではタイやベトナム、ハワイ、メキシコ、中米・カリブ海編ではグアテマラ、キューバ、南米編ではコロンビアやブラジル、ベネズエラなどなど、誰もがよく知る産地からちょっと意外な産地まで、その数なんと40近く! 農園や生産の様子とともに現地の風景やグルメなども豊富な写真とともに知ることができ、その国の姿や人々の生活も見えてきます。そして川島さんの紀行エッセイ的な文章からは、まるで自分も世界旅行をしているかのような臨場感を味わえることでしょう。

 このほか、コーヒー好きであれば知っておきたい「コーヒーはどう作られるのか」「どのような品種があるのか」「収穫方法やプロセスについて」「コーヒーの『美味しさ』とは何か」といった基礎知識も同書には満載。また、最後の章では、農園における諸問題とその解決策、地球温暖化によって栽培適地が半減するかもしれないという「コーヒーの2050年問題」など、業界が抱える世界的な課題についても言及しています。

 まさに同書は、世界のコーヒーに関する基礎知識が学べる決定版。コーヒーに親しみ始めたばかりのビギナーさんから、コーヒー豆について詳しくなりたいこだわり派な人、さらには飲食業に携わっている人など、コーヒーを愛するすべての人が満足できるはず。ぜひ皆さんもコーヒー片手に、世界を股にかけた探求旅行に出かけてみませんか?

[文・鷺ノ宮やよい]

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