ゲーミングスマホ並みにパワフルな横幅70mm以下のコンパクトスマホ ASUS「Zenfone 10」レビュー
ASUS JAPANが9月8日に発売するコンパクトサイズのスマートフォン新モデル「Zenfone 10」のレビューをお届けします。横幅70mm以下とコンパクトながら、大画面のハイエンドスマホと同等のパワフルなパフォーマンスを発揮するのが特徴。レビューには16GB RAMを搭載し、ストレージ容量512GBのモデルを使用しました。
コンパクトで独特な触感
5.9型ワイド AMOLEDディスプレイは2400×1080ドット解像度でリフレッシュレートは144Hz。本体サイズはH146.5×W68.1×D9.4mm、重量は約172g。
少し厚みはありますが、片手にすっぽり収まるサイズと軽さは、大画面化が進むハイエンドスマホの中ではなかなかユニークな存在です。
背面にはバイオマス由来のポリカーボネート素材を使用。マットで柔らかい、独特の触感が印象に残ります。指の指紋がつきにくいのも嬉しいところ。本体はIP65/IP68の防水・防塵に対応します。
パフォーマンスを発揮する充実したスペック
チップセットはSnapdragon 8 Gen 2を採用。RAMは8GB/16GB、ストレージは1128GB/256GB/512GBのモデルをラインアップします。Snapdragon 8+ Gen 1搭載の前モデルと比べて、CPU性能は15%、GPU性能は20%、電力効率は15%向上しています。
バッテリー容量は前モデルと同じ4300mAhの容量ですが、チップセットの電力効率の向上により駆動時間の延長を実現。USB Type-Cポートからの30W急速充電と15WのQiワイヤレス充電に対応します。同梱のUSB充電器は30W出力に対応。ちなみに、USB-CポートはUSB 2.0規格で、DP Altによる映像出力には対応していません。
コンパクトモデルならではの操作性に注目
幅68.1mmの本体は、片手持ちでもフリック入力しやすいのはもちろんのこと、片手によりコンパクトモデルならではの操作性を実現するユーザーインタフェースも用意されています。
そちらが、画面右上から引き出すようにフリックすると表示される「エッジツール」。デフォルトは画面右上の位置ですが、片手持ちした際の親指の位置に合わせて上下位置を調整したり、画面左側に配置することもできます。
エッジツールにはアプリや設定のショートカットを設置でき、ここから起動したアプリはフローティングウィンドウとして、ホーム画面上に小さいサイズで表示が可能。フローティングウィンドウは位置や大きさが調整できる他、最小化するとエッジツール同様、画面端にアイコンを表示してワンタップで呼び出すことができます。
もうひとつ、片手持ちで便利な機能が、右側面の電源キーをスマートキーとして活用する「ZenTouch 2.0」。指紋認証にも使えるボタンですが、ボタンをスワイプすることで通知トレーを引き出したり、ウェブページの更新、ウェブページの前後の移動、動画の早送りや巻き戻し、メディアファイルの前後移動、メディアファイルの再生と一時停止の操作を割り当てることもできます。スマートキーはスワイプの他、ダブルタップや長押しに任意の操作を割り当てることが可能。ロック画面でダブルタップすると、カメラをすぐに起動できるのも便利。
美しい画面と迫力のサウンド
色鮮やかなAMOLEDディスプレイは最大輝度が1100nit。パンチホールカメラの採用によりベゼルは狭めで、動画やゲームを十分大きな画面で楽しめます。
充実したサウンドにも注目。本体前面の上下に合計2基のステレオスピーカーを搭載し、本体だけでも迫力のあるサウンドが楽しめます。音響補正技術のDirac HD Soundとステレオ音声を3Dサウンドに変換するDirac Virtuo、ハイレゾ音源の再生に対応します。
「オーディオウィザード」の設定画面から、「動的」「音楽」「「シネマ」「ゲーム」の再生モードを選択したり、詳細なイコライジングが可能。3.5mmジャックやUSB-Cポートから有線で接続したイヤホンやヘッドホンも、Bluetooth接続した機器と同様に空間オーディオを利用できます。
Amazon MusicでDolby Atmos、360 Reality Audioの空間オーディオが再生できることが確認できました。24bit/44.1kHzのUltra HD音質の再生にも対応しています。
ハイエンドなカメラ性能
メインカメラは5000万画素広角、1300万画素超広角の2眼構成。広角カメラには6軸ジンバルスタビライザーを搭載、電子式手ブレ補正(EIS)と組み合わせて強力な手ブレ補正を実現しています。端末のブレの状態をリアルタイムに検知して、最適な画角に自動調整する「アダプティブ EIS」にも対応。アクションカメラのように、動きながらでもブレの少ない、安定した動画を撮影することができます。
今回、動画撮影を試すことはできませんでしたが、静止画では超広角から広角、デジタルズームまで、色鮮やかで解像感の高い撮影ができました。
顔認証にも対応する3200万画素のインカメラは、RGB画素に白の画素を追加したRGBWセンサーを採用。光の取り込みが向上し、ノイズが低減できることから、薄暗い場所でも明るく高画質な自撮りが可能になります。
ゲーミングスマホとしても活躍
Snapdragon 8 Gen 2搭載のパフォーマンスを、ベンチマーク結果から見ていきましょう。「3D Mark」の「Wild Life Extreme」でスコアは3684、「Geekbench 6」のCPUベンチマークでシングルコアのスコアは2011、マルチコアのスコアは5478と、ASUSのゲーミングスマホ「ROG Phone 7 Ultimate」にも肉薄するような高いスコアを記録しています。
参考:ASUSの最強ゲーミングスマホ「ROG Phone 7 Ultimate」レビュー 電動開閉カバーと冷却ユニットで強力な熱排出を実現
https://getnews.jp/archives/3426901[リンク]
「NEW STATE Mobile」のようにリッチな3Dゲームもヌルヌルサクサク動き、実はゲーミングスマホとしても十分活躍するパフォーマンスを発揮します。
ROG Phoneシリーズに搭載されている、ゲーム専用の設定ツール「Game Genie」も搭載。CPUやGPUの稼働状況、バッテリー残量、システム温度などを確認できる他、メモリー開放やリフレッシュレートの変更、パフォーマンスモードの変更といった各種設定が行えます。
「Xbox Cloud Gaming」のようなクラウドゲーミングなら、コンシューマー機向けのタイトルを滑らかな動作と迫力のサウンドでプレイ可能。ゲームコントローラー用クリップに取り付けても、本体が軽量・コンパクトなので長時間、快適にプレイできます。
全8モデルをラインアップ
製品ラインアップと価格は次の通り。8GB RAM/128GBストレージのモデルはミッドナイトブラックのみで9万9800円(税込)。8GB RAM/256GBストレージのモデルはミッドナイトブラック、コメットホワイト、スターリーブルー、エクリプスレッド、オーロラグリーンの5色をラインアップして、価格は11万2800円(税込)。16GB RAM/512GBストレージのモデルはミッドナイトブラック、スターリーブルーの2色で価格は13万4800円(税込)です。
別売りのアクセサリーキット「Connex Accessories Set」は5280円(税込)で販売。背面カバー「Connex ケース」に、スタンドを開くとアプリを起動できる「Connex スマートスタンド」、カードを収納できる「Connex カードホルダー」を取り付けて使用できます。
宮原俊介(エグゼクティブマネージャー) 酒と音楽とプロレスを愛する、未来検索ブラジルのコンテンツプロデューサー。2010年3月~2019年11月まで2代目編集長、2019年12月~2024年3月に編集主幹を務め現職。ゲームコミュニティ『モゲラ』も担当してます
ウェブサイト: http://mogera.jp/
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