使い勝手とパフォーマンスが向上したプレミアムモデル2機種 サムスン電子の折りたたみスマホ「Galaxy Z Flip5」「Galaxy Z Fold5」レビュー

NTTドコモとKDDIから9月1日に発売される、サムスン電子のフリップ式折りたたみスマートフォン「Galaxy Z Flip5」と折りたたみスマートフォン「Galaxy Z Fold5」のレビューをお届けします。
※レビューにはグローバル版の端末を使用しています

すき間なく閉じる新ヒンジでコンパクトに

2機種とも本体を折りたたむ「フレックスヒンジ」を改良し、すき間なく閉じることでコンパクトにたためるのが大きな特徴です。

Galaxy Z Flip5の本体サイズは、開いた状態が約165×72×6.9mm、閉じた状態が約85×72×15.1mm。重量は約187g。閉じた状態の厚さは、前モデル「Z Flip4」の17.1mmに対して2mm薄型化しています。

Galaxy Z Fold5の本体サイズは、開いた状態が約155×130×6.1mm、閉じた状態が約155×67×13.4mm。閉じた状態の最薄部の厚さは、前モデル「Z Fold4」の14.2mmに対して0.8mm薄型化。さらに、重量はZ Fold4の263gに対してZ Fold5は253gとなり、Z Fold5はZ Foldシリーズで最薄・最軽量を実現しています。

カバーディスプレイのユニークな活用を提案する「Galaxy Z Flip5」

Galaxy Z Flip5は、開いた状態で約6.7インチのディスプレイ、閉じた状態で表側に「フレックスウィンドウ」と呼ぶ約3.4インチのカバーディスプレイを搭載するフリップ式折りたたみスマートフォン。フレックスウィンドウがZ Flip4の1.9インチから3.4インチに大型化し、閉じた状態でフレックスウィンドウから様々な操作ができるのが特徴です。

ウィジェットやアプリが便利に使えるフレックスウィンドウ

フレックスウィンドウのホーム画面は7種類のデザインから選べる他、時計の色やフォント、カメラなどアプリのショートカット、背景画像などをカスタマイズすることが可能。

ホーム画面から水平にスワイプするとウィジェットを表示します。ウィジェットは天気、カレンダー、アラーム、タイマー、ストップウォッチ、歩数計、最近の通話履歴、ダイヤルショートカットなどが利用可能。

フレックスウィンドウをピンチインするとウィジェットを一覧表示するので、使いたいウィジェットをすぐに呼び出すことができます。

一部の対応アプリをフレックスウィンドウで使うこともできます。映像アプリでは「Netflix」「YouTube」が利用可能。机の上に置いて作業しながら映像やライブ配信をチェックしたい場合に活躍しそうです。メッセージアプリでは「LINE」「Googleメッセージ」「WhatsApp」「WeChat」といったアプリが対応。ソフトウェアキーボードによる文字入力も問題なく利用できます。「Googleマップ」「Naverマップ」といった地図アプリも対応します。フレックスウィンドウなら、歩きながら手元で地図を確認するのにも便利なサイズに。

高画質な自撮りやハンズフリー撮影が楽しいカメラ

フレックスウィンドウの側に約1200万画素超広角と約1200万画素広角のメインカメラ、メインディスプレイには約1000万画素のインカメラを搭載。フリップ式ならではの特性を生かした、さまざまな撮影スタイルが楽しめます。

本体は閉じたままで、フレックスウィンドウでプレビューしながらメインカメラによる高画質な自撮りができる点に注目。カメラは電源ボタンを2回タップするだけで起動できるので、撮りたいときにポケットから取り出してサっと高画質な自撮りが楽しめます。

折り曲げた状態で机の上などに立てることで、三脚がなくてもハンズフリー撮影が可能に。メインディスプレイでプレビューしながらインカメラで撮影したり、フレックスウィンドウでプレビューしながらメインカメラで撮影したりすることもできます。タイマー撮影だけでなく、手のひらを見せてシャッターを切るジェスチャー操作にも対応。

メインカメラでの撮影は、広角も超広角も解像感が良く、鮮やかな色で撮影が可能。自撮りに限らず、折り曲げてアングルを工夫したユニークな撮影が楽しめます。

分割画面やポップアップウィンドウにも対応

メインディスプレイは6.7インチのサイズの中で、折りたたみならではの分割画面に対応。上下の画面で別アプリを立ち上げて利用できます。

特定のアプリの起動中に本体を折り曲げると、左下に表示されるボタンをタップして「フレックスモードパネル」を起動。ここで分割画面ボタンをタップしてアプリを選択することにより、分割画面に設定ができます。「最近使用したアプリ」や、画面右上からスワイプで引き出せる「エッジパネル」から表示したい画面にアプリをドラッグする方法でもOK。

YouTubeなどの対応アプリでは、フレックスモードパネルで操作パネルが利用可能。シークバーや10秒送り/戻しといった操作ができて、なかなか便利です。

分割画面に加えて、画面上にオーバーレイ表示するポップアップ表示にも対応。任意のサイズと位置に配置して利用できます。

フットワーク軽く持ち運べるコンパクトな本体に、さまざまなギミックを満載したZ Fold5。フリップ式折りたたみスマホはファッション性が注目されがちですが、使い方の工夫次第でカメラや仕事道具としても活躍しそうです。

マルチウィンドウ表示やマルチタスクに長ける「Galaxy Z Fold5」

Galaxy Z Flip5は、開いた状態で約7.6インチのディスプレイ、閉じた状態で約6.2インチのカバーディスプレイを搭載する折りたたみスマートフォン。閉じた状態ではスリムな縦長の画面が利用でき、開いた状態ではタブレットのような大画面でマルチウィンドウやマルチタスクによる生産性の高い作業環境を実現するのが特徴です。

明るく没入感のある大画面

メインディスプレイは前モデルのZ Fold4と同じ約7.6インチですが、画面の最大輝度はZ Fold4の1300nitsに対してZ Fold5は1750nitsと明るくなっています。

狭ベゼルかつ、400万画素のインカメラは画面の下に埋め込まれたUDC(Under Display Camera)なので、没入感のある大画面で映像やゲームが楽しめます。

マルチウィンドウ作業が捗るUIが充実

メインディスプレイには、最大3画面に分割したアプリとポップアップウィンドウが表示可能。アプリ間を行き来するマルチタスク作業が快適に進められます。

マルチウィンドウでは、アプリ間でのドラッグ&ドロップにも対応。Word文書にギャラリーから画像を貼り付けたり、Excelからグラフを貼り付けるなど、PCライクな操作性を実現します。

アプリ起動中に画面下に表示されるタスクバーから、アプリを画面にドラッグ&ドロップするとマルチウィンドウ表示やポップアップ表示が可能。タスクバーには、最近使ったアプリ4個を表示するように設定できます。

画面右上からスワイプで引き出せるエッジパネルからドラッグ&ドロップしたり、最近使ったアプリからドラッグ&ドロップする方法でもマルチウィンドウの表示が可能。様々な方法でマルチウィンドウにアクセスする方法を用意している点に、先行して折りたたみスマホを展開してきたZ Foldシリーズの歴史とノウハウを感じさせます。「Sペン」にも対応するので、直感的なウィンドウ操作と手書きメモを組み合わせて、さらに生産性の高い作業環境が実現しそうです。

Android OSがタブレットなどの大画面に対応してきたことから、アプリ側で大画面に対応が進んでいる点も魅力。大画面に対応したアプリは、画面が上下に並ぶ横持ちにするとタブレット向け表示に自動で切り替わります。

対応アプリでは、操作画面を別に表示するフレックスモードパネルも利用可能。エンタメでもマルチウィンドウの強みを発揮します。

3眼カメラと折りたたみでクリエイティビティを発揮

メインカメラは1200万画素超広角、5000万画素広角、光学3倍ズームに対応する1000万画素望遠の3眼構成。

超広角から望遠まで、高い解像感で色鮮やかに撮影が可能。望遠はデジタルズームで30倍までのズームに対応します。

撮影中、分割画面で既に撮影した写真をプレビュー表示できるのが折りたたみならでは。

カバーディスプレイでプレビューしながら、メインカメラの高画質な自撮りも可能。自撮りとは思えない明るさと発色で、高解像度な写真が撮影できます。

折り曲げて立てることで、三脚要らずのハンズフリー撮影も可能に。Z Flip5同様、手のひらを見せてシャッターを切るジェスチャー操作にも対応します。

仕事やエンタメに大画面を活用しつつ、クリエイティブにカメラも使いこなす、そんな感度の高い大人にフィットしそうなデバイスです。

ゲーミングスマホに匹敵するパフォーマンスも魅力

最後に、両製品のパフォーマンスに注目してみましょう。いずれもチップセットはQualcomm(R) Snapdragon 8 Gen2 Mobile Platform for Galaxyを搭載。メモリーはZ Flip5が8GB、Z Fold5が12GBと異なります。

Z Flip5のベンチマーク結果は、「3D Mark」の「Wild Life Extreme」が3744、「Geekbench 6」のCPUベンチマークはシングルコアのスコアが2031、マルチコアが5260。いずれも、最新のゲーミングスマホに匹敵するスコアをたたき出しています。

Z Fold5のベンチマーク結果は、「3D Mark」の「Wild Life Extreme」が3886、「Geekbench 6」のCPUベンチマークはシングルコアのスコアが2033、マルチコアが5426。こちらもZ Flip5のスコアを上回り、最新のゲーミングスマホ並みのパフォーマンスを発揮しています。

発表に合わせて開催された製品の体験会では、Z Fold5に「原神」をインストールして滑らかに動作することが確認できました。重めの3Dゲームでも問題なく遊べるパフォーマンスは、動画編集のようなクリエイティブ作業にも余裕を持って対応できそうです。

9月1日にドコモとauから発売

Z Flip5はドコモとauから9月1日に発売。ドコモ版は256GBモデルのみで、本体カラーはMint、Lavender、Graphiteの3色をラインアップします。auは256GBモデルでMint、Cream、Graphiteの3色、512GBモデルでGraphiteをラインアップします。auの512GBモデルはキャリアのオンラインショップ限定。

Z Fold5はドコモとauから9月1日に発売。ドコモ版は256GBモデルのIcy Blueと256GB/512GBモデルのPhantom Blackをラインアップします。auは256GBモデルのIcy Blue、256GB/512GB/1TBモデルのPhantom Blackをラインアップ。auの512GB/1TBモデルはキャリアのオンラインショップ限定です。

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shnsk

宮原俊介(エグゼクティブマネージャー) 酒と音楽とプロレスを愛する、未来検索ブラジルのコンテンツプロデューサー。2010年3月~2019年11月まで2代目編集長、2019年12月~2024年3月に編集主幹を務め現職。ゲームコミュニティ『モゲラ』も担当してます

ウェブサイト: http://mogera.jp/

TwitterID: shnskm

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