「るつぼ」とはどんな意味の言葉?その使い方や由来は?
熱狂的な状態を意味する「るつぼ」。
また、多様なものが混ざった状態にも用いられる語句です。
両者は由来を同じくする言葉ですが、どのように生まれたのでしょうか。
ここでは、「るつぼ」という言葉について、その意味や由来、類義語について解説します。
言葉としての「るつぼ」の意味と用い方
まずは、大きく分けて2つある「るつぼ」の意味を見てみましょう。
意味①熱狂的な状態を指す「るつぼ」の意味と用い方
「るつぼ」は、熱狂的な興奮に沸いている状態を指す際に用いられます。
特に激しく感情が高まっている状態のことを表します。
例えば、「サプライズゲストに会場が興奮のるつぼと化した」という用い方なら、その場にいた全員が感動から興奮状態にあり、会場が沸いている様子を描写していることになります。
意味②混ざった状態を指す「るつぼ」の意味と用い方
「るつぼ」は、種々のものが混ざった状態もあらわす言葉です。
特に人物に限らず、物事などにも使用される言葉となります。
「アメリカは人種のるつぼだ」といった用い方なら、アメリカには多種多様な人種の人たちがいることをあらわしています。
由来となったのは「耐熱容器」
では「るつぼ」はどのようにして成立した表現なのか、その由来について見ていきましょう。
語源は「坩堝」から
「るつぼ」の由来は、漢字表記「坩堝」にあるとされてます。
「坩堝」とは、金属のような物質を加熱して溶かすために用いられる耐熱製の容器のことです。
この「坩堝」が、金属を溶かす他、溶かした金属を合成させる際にも使われていたことから、様々なものが混ざり合っている様子を「坩堝」と表現するようになったとされています。
漢字表記「坩堝」の成り立ち
「坩堝」の「坩」は、土器など土製の壺のことを意味します。
「坩」単体でも「るつぼ」とも読まれますが、他には同じく訓読みで「つぼ」や音読みの「カン」という読みがあります。
「坩堝」の「堝」は、金属を溶かす際に使用する壺のことを指します。
この「堝」も単独で「るつぼ」と読むことのできる漢字です。
どちらも容器としての壺を指す「坩」と「堝」を組み合わせて「坩堝」と表記するようになりました。
ちなみに、「坩堝」自体は、「鋳る壺(いるつぼ)」あるいは「炉壺(ろつぼ)」が変化した言葉という説もあります。
意味によって変わる「るつぼ」の類義語
「るつぼ」は、状態によって指すものが変わります。
ここからは、この「るつぼ」の類義語に相当する言葉を見ていきましょう。
意味①の類義語:狂騒
「狂騒」とは、理性を失ったように狂い騒ぐことを意味します。
もしくは、狂ったような騒がしさにも用いられます。
意味②の類義語:混濁
「混濁」とは無数のものが混ざり合っていることを意味する言葉です。
また、世の中が乱れることや意識がぼんやりしてくることをあらわすこともあります。
まとめ
「るつぼ」は、大きく分けて2つの意味があります。
ひとつは熱狂すること、もうひとつは何かが混ざり合っていることです。
この言葉の「るつぼ」とは、「坩堝」という漢字表記となり、金属のような高温で溶かす必要があるものを入れるための耐熱容器のことです。
このるつぼで、金属同士をかけ合わせた合金も作られていたことから生まれた表現だという説があります。
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