沢口愛華、主演映画『札束と温泉』で女優業にも意欲 「20歳になり、挑戦することへの恐怖もなくなりました!」

「人狼ゲーム」など数々のヒット作を放った原作者の川上亮さんが長編映画第二作目の監督と脚本を務めた映画『札束と温泉』が現在、全国順次公開中です。

高校の修学旅行で温泉宿を訪れた女子高生のリサ、ひかる、恵麻、美宇の4人が、ヤクザの愛人が持ち逃げした札束の詰まったバッグを発見したことから起こる混乱を“疑似ワンカット”で撮りきった本作。複数人の思惑が交錯してすれ違いがすれ違いを呼ぶクライム・コメディとなっています。

本作の主演は、ミスマガジン2018で注目され、数々の雑誌のグラビアでも表紙出演を重ね、22年7月クール朝日放送連続ドラマ「彼女、お借りします」にも出演している沢口愛華さん。ご本人にお話をうかがいました。

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●まず『札束と温泉』というタイトルのインパクトがすごいですよね。

心をグッと掴まれるタイトルですよね(笑)。今回はワンカット風の長回しなので、東京でたくさん稽古をしてから温泉があるロケ地の別府に行ったんです。なので映画の撮影っていうよりは、まるで舞台をやっているイメージでした。感覚としてはそっちの方が強かったです。

●ジャンルとしてはクライム・コメディだと思いますが、物語の感想はいかがでしたか?

そうですね。札束の行方がどうなるか、ということが一番の面白さだと思うのですが、女子高生の主人公を演じた側としては、友情の変化が見逃せないと思いました。4人の高校生の旅立ちが目の前にあり、それぞれの道に行くことへの寂しさもあるんです。今までずっと一緒だったけれど、旅立ってそれぞれの道へ行くという人生の物語でもあるんですよね。

●映画での本格初主演という大任はいかがでしたか?

本当に不安でした(苦笑)。演技の経験が少なかったので、よく任せていただけたなと思いました。演じる役がなかなか定まらなくて、東京での稽古中もとても不安でしたね。他のキャラクターはみんな個性が強かったので、うらやましかったです。

その中でもわたしの演じた高梨リサは真面目で不器用で人間臭いので、嫌いになれない女の子なんです。自分よりも友達を優先しちゃうし、自分の女子校生時代を振り返ってみても、これが女子高生の普通だったのかも知れないなあとも思いました。

●彼女は視聴者目線の存在と言いますか、彼女の視点で物語を追いやすいですよね。

そうなんですよね。だから監督にも「あなたは普通の役だよ」と言われていて、そのお芝居は難しいなと思いました。なので、東京でたくさん稽古ができてよかったです。さっきも言いましたが、意外と友情物語でもあるので4人の関係性もちゃんと意識したり、練習出来てよかったです。

ただ、リサが自分に似ていて、悔しいと思うこともありました。わたし、自分がありそうに見えて、自分が全然ないんですよ(笑)。人に合わせるのが得意なのか、それが性に合ってるのか無意識にそうしちゃうんです。その人に合わせてしまうので、その人のテンションに合わせてしまう。

●ところで20歳を迎え、“後輩が出てきて焦っている”というようなインタビュー記事を読みましたが……。

切実に(笑)。グラビアを5年もやっていると後輩が増えまして、「まだ20歳だっけ?」とみんなに言われますが、ミスマガジンという大きなデビューをさせていただいたので、そこから5年も経ったのかという感じなんです。グラビア界の元天才子役みたいな気持ちです(笑)。

●今回のような映画で主演みたいな道に進みたかったのでしょうか?

もともとグラビアを始めた頃から、その延長線上に女優業を見ていたので、こうして主演というかたちで演技を始められてうれしいです。今までドラマに出演させていただいたのも1回だけだったので、こうしてお芝居について聞かれるインタビューを受けることも楽しいです!

●初めて挑戦することへの恐怖はなかったですか?

20歳になり、新しいことへの挑戦は怖くなくなりました。以前は怖かったです。思春期を沢口愛華として世間に出て過ごして来て、いろいろな刺激を受けたくなくても受けて来ました。自分でも分からなかったんです、ずっと。自分もなかったですし。でも、何者かになりたかったんですよ。唯一性を持った人間になりたかったんです。

●結婚願望などプライベートの展望はいかがですか?

最近あります! 20歳になり急に。安心してきたのか、遠ざけていた話題に急に近づいて行けるようになりました。好きな人と結婚したいのですが、とうやって見つけるのかなと(笑)。どう出会うのか、そこからの課題です。

■ストーリー

高校の修学旅行で訪れた温泉宿で女子高生たちが、ヤクザの愛人が持ち逃げした札束の詰まったバッグを発見する。カネを取り戻すために現れる殺し屋、別の生徒からねだられている担任教師。複数の思惑が絡まり、温泉宿を舞台に、混乱が混乱を呼ぶクライム・コメディ。

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(執筆者: ときたたかし)

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