Motion Plus Design Tokyo 2023 は感動と笑いと学びがいっぱいだった! モーションデザインが社会に役立つ可能性を中学生からプロまでが共感
デザインに動きを加え、よりエモーショナルな表現と無限の広がりを魅せるモーショングラフィックス・モーションデザイン。
そんなモーションデザインの第一線で活躍するクリエイターたちの最前線や、過去・現在・未来を体感できる、世界最大級モーションデザインイベント「Motion Plus Design」が、世界15都市をめぐりながら開催されている。
そしてことし2023年は、東京開催
広告やテレビ、ミュージックビデオ、ゲームなど、さまざまな世界で活躍するプロフェッショナルから学生まで、モーションデザインに関わる人・めざす人たちが注目する世界最大級モーションデザインイベント「Motion Plus Design」は、ことし2023年は東京開催。
東京・渋谷で6月17日に開催された「Motion Plus Design Tokyo 2023 」は、モーションデザインの“いま”を突っ走る、松岡勇気、中間耕平、TOBIAS GREMMLER、喜田夏記、REUBEN WU、FRANCESCO MISCEO、BENJAMIN BARDOU、FERNANDO LAZZARI らが登壇。
それぞれが、モーションデザインという仕事に就くまでの生い立ち、仕事のやりがい、作品への想い、これからのビジョンなどについて語り、満席のオーディエンスを沸かせた。
たとえば……↓↓↓
DRAWING AND MANUAL 菱川勢一
スポンサーを努めた DRAWING AND MANUAL の菱川氏は、これからのモーションデザイン界の可能性・方向性について、「モーショングラフィックス+学び」「+医療」「+アーバンデザイン」「+役に立つ」の4つを説き、こう語った。
「たとえば「+学び」は、楽しみながら気づいたら学んでいるというかたちが映像の世界では大切。
『+医療』は超高齢化社会のなかで認知症やうつ病を患う人たちなどに、モーショングラフィックスやデザインが活躍できないかをつねにテーマに掲げて活動していきたい。
『+役に立つ』は、いままで映像をずっとつくってきたけど、いまだに目の不自由な人たちに映像を届けられていないという現実課題を解決していきたい」(菱川氏)
また今回は、アニメ制作などで注目を集める香川県立善通寺第一高等学校デザイン科の学生もこの Motion Plus Design Tokyo 2023 に参加。
菱川氏は「こうして真摯に取り組んでいる高校生や中学生たちの参加も、自治体・教育委員会・参画企業などの協力があって実現できている。こうした若い人たちも、いまここにいるプロたちを驚かせるようなクリエイターになってほしい」とも語った。
中間耕平(JAPAN)
中間氏は、反応拡散系という数学的手法を用いたモーショングラフィックス作品を披露。
動物を想わせるビジュアルと人間を融合させた作品について、「なぜ人間には動物のような模様がないのだろう」「この先、人間も動物のような模様を手に入れるかもしれない」という着想を伝えた。
また動的平衡を用いた映像作品について「体内では多くの細胞が生まれ死ぬことを繰り返している。鴨長明の歌にもあるように、われわれは生まれた瞬間から死に続け、死ぬ瞬間まで生まれ続けるという想いを込めてつくった」と語った。
そしてオーディエンスに「最後に伝えたいこと」として、「今日はモーショングラフィックスの仕事に就きたいと思っている人たちが多いと思います。個人的な作品づくりのほかに、本格的に仕事としてかかわろうとすると、時間や制約が多く、ストレスも重なると思う。そんなとき、『いつ始めても良い。人生は長い(かも?)』という思いでいてもいいのでは。ぼくもモーショングラフィックスをつくリ始めたのは42歳のころ。『きょうも生きているから偉い!』という気持ちで」とも伝えた。
喜田夏記(JAPAN)
喜田氏は、L’Arc~en~Cielライブオープニング映像を紹介し、同ライブの舞台美術・舞台総合演出も担ってきたプロセスを説明。
その最初の1枚であるキービジュアルや、オープニング映像に向けた緻密な直筆絵コンテを披露し、こう伝えた。
「映像制作も舞台演出も一枚の絵からスタートさせることが多い。絵コンテも時間と手間をかけて、自らの手で描いていく。
色彩や質感まで、わかるように意識してつくり込み、フルカラーで絵コンテを仕上げていくというのを長年、こだわっている。
こうして早い段階で想いを視覚化して、スタッフと共有することが大事。制作途中でイメージの相違がなくなるためにもこうしたプロセスにこだわっている」(喜田氏)
「アナログな風合い、素材のテクチャーなどを大切にしている」という喜田氏は、独自性と密度を大切にしながら続ける“クライアントワークとは別のライフワーク”についても紹介。
「自分の得意なことを深掘りしてとことん追求することが大事。お金を得る仕事ではなく、自分を成長させるための作品づくりも続けてほしい。
作品を通して自分の成長に気付かされる。客観的に見つめることができるライフワークになる。流行り廃りがあっても、変わらない自分自身のオリジナリティがあることが強みになる。
これだけはやってきたという自信は、必ず自分にとって大切な何かを見つけることができる。わたしも死ぬまでつくり続けていきたい」(喜田氏)
Dropbox Devin Mancuso
スポンサーを務める Dropbox の Devin Mancuso 氏は、デジタルクリエイティブにおける Dropbox のアドバンテージについてプレゼンテーション。
「Dropbox Capture」「Dropbox Sign」「Dropbox Replay」「Dropbox Transfer」の4つのサービスで、企画からフィニッシュまでワンストップでクリエイティブワークが完結することを伝えた。
「Dropbox Capture」は、クリーンショット、画面の録画、動画メッセージを撮影して共有でき、「異なるタイムゾーンに住む人に便利。レコーディングして共有できる」と。
「Dropbox Sign」は、Dropbox から直接、直感的に操作できる電子署名ソリューションを利用して、重要なドキュメントの送信、署名、保管をシームレスなワークフローで実行できる。
「Dropbox Replay」は、共同編集者が動画、画像、オーディオ プロジェクトの注釈付け、コメント、最終決定を行える、リッチ メディアのレビュー・承認ツール。
「Dropbox Transfer」は、大容量ファイルを誰にでも、あらゆるファイルをすばやくかんたんに送信でき、1回の転送で100GBまでのファイルを確実に送信できるほか、不要な編集を防止するため、ファイルのコピーを送信するなどの特長を説明した。
松岡勇気(JAPAN)
松岡氏は、モーションデザイナーとして生きてきた自身の14年を振り返り、「自主制作と人と環境が、モーションデザイナーという人生にどれほど影響を与えたか」について語った。
「モーションデザイナーとしてもがきながら生きてきて、34歳のときに『死ぬまでにやりたいリスト』をつくった。
自主制作を見返して、(映像クリエイター)佐藤隆之さんと働きたいという想いで直接メールし、佐藤さんのもとで働くチャンスを得た。
そこで失敗を繰り返しながら、少しずつ新たに成長できるようになった」(松岡氏)
そして「自分がつくったモーションがコンテンツを通じて、世の中に貢献していること、モーションデザインが生かされていることにハッとした」という気づきを明かし、「世の中の役に立つモーションデザインをつくっていくことに、人生の楽しみがあると、新しい気づきを得た」と伝えると、オーディエンスから拍手に湧いた。
REUBEN WU (USA)
ナショナルジオグラフィックフォトグラファーの肩書ももつ REUBEN 氏は、「愛こそが答え」「継続は力なり」「静寂に耳を傾ける」「融合(ハイブリッド)にこそ未来がある」という4つのテーマで講演。
好きなことにトライし続けてきた自身は、NFTカルチャーでの活動も紹介。「デジタルアートワークを、デジタルとフィジカルをハイブリッドさせ、デジタルアニメーションを鑑賞できると同時に、額縁に収めた一枚のアートとしても鑑賞できるように進化させた」と語った。
――― Motion Plus Design は、2015年よりパリやロサンゼルス、東京をはじめ世界15都市でイベントを開催してきたフェス。
毎回、選りすぐりのモーションデザインアーティストを招き、彼らの芸術性について熱く語ってくれる絶好のチャンスだから、気になる人は、公式サイトをチェックして、次回に参加してみて↓↓↓
https://motion-plus-design.com/home
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