360度動画×自由視点動画で、生徒の集中を引き出す。映像システム活用実験の成果とは?
AMATELUS株式会社(以下、AMATELUS)と学校法⼈三幸学園(以下、三幸学園)は、2022年度⽂部科学省委託事業「専修学校における先端技術利活⽤実証研究」における実証研究の結果を発表しました。
2020年から取り組みを実施
2020年度は対面授業とオンデマンド授業との学習成果の比較を実施。2021年度は「先端映像パッケージ」として整理するため、実践的職業教育の様々な教育シーンで利⽤できる「先端映像技術教材」(360度動画及び⾃由視点映像技術SwipeVideoなどを活⽤)とその教材を効果的に使⽤する「学習テンプレート」を開発しました。
そして2022年度では、先端映像技術教材の対⾯授業への導⼊促進に向けてICT環境(パソコンやプロジェクターなど)に応じた学習テンプレートを再編成。授業実践とセンシングを含めコスト対学習効果の⽐較を行いました。
仮想業務経験値獲得の機会を学内で設けるため、対⾯授業に先端映像技術教材を導⼊した学習テンプレートを改めて編成しました。
スポーツ分野と保育分野で実証
実証実験は、スポーツ分野と保育分野について学ぶ学生を対象に行われました。スポーツ分野ではフィットネスクラブやスポーツ現場でのインターンを控えた専門学校生を対象に、接客を含むトレーニングサポートの優先順位を考えられる学習テンプレートを開発しました。
360度動画で固定された位置からは死角になる箇所の状況・状態を想像させたうえで、自由視点動画で死角に回り込めるよう先端映像技術を組み合わせて活用。各動画を視聴した後には意見交換の時間を取り、生徒間で様々な気付きや優先順位に関する考え方を共有する場を設けました。
保育分野では、保育所での実習を控えた専門学校生を対象に、⼦どもの様⼦観察や危機予測をできる学習テンプレートを開発。
360度動画で固定された位置からは見えづらい園児の表情を、自由視点動画で観察できるよう先端映像技術を組み合わせて活用しました。
集中度を高めることに成功
検証の結果、360度動画と自由視点動画での観察を組み合わせることで、いずれの動画を視聴する場合でも生徒から高い集中度を引き出せることがわかったといいます。
また、パソコンやプロジェクターといった機材の違いに拘わらず実習先での行動イメージの醸成に成功し、アクティブラーニングを取り入れたことも相まって成長実感の醸成もできたとのこと。
なお「SwipeVideo」を使って死角への気付きを印象付けたい場合には、360度動画視聴時にHMDを使うことが効果的である可能性も確認できたそうです。
Web上で視点をスイッチング
実証実験で活用された「SwipeVideo」は、AMATELUSが展開する配信システムです。同システムでは、数台のカメラ(台数無制限対応)で撮影された映像を、視聴者がスワイプすることでWeb上で自由に視点をスイッチングしながら視聴できます。
Webの技術(HTML5)だけで動作し、アプリのインストールなどが不要。視聴者は、任意のタイミングで再生中(スロー中、ズーム中、停止中も可能)の映像を切り替えることができます。
参考元:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000080.000028108.html
公式サイト:https://swipevideo.jp/
(文・S.Inosita)
ウェブサイト: https://techable.jp/
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