未だに横行!男の欲につけ込む「Aバンク」の手口とは?
どうも特殊犯罪アナリストの丸野裕行です。
キャバクラやクラブへ足を運んで酒を飲み、キャバ嬢やホステスを口説く人たち。──「今週、食事でも行かない?」「今晩アフターしてくれる?」「ドライブにでも行かない?」
ありとあらゆる口説き文句をぶつけても、嬢からはしれっとかわされて、「またの機会にね」「家でペットのワンちゃんが待っているから」と気のない返事。プロのキャバ嬢やホステスを口説くことって、やはりなかなか難しいわけです。
そんな男の欲求を満たす秘密のクラブが存在します。
それが「Aバンク」。「愛人バンク」や「Dクラブ」とも呼ばれる大人のマッチングサービスを提供するものなんですが、“出会い”が目的なので口説き落とせる確率が格段に高いのです。平たく言うと、“デートという名の売春”や“愛人契約”を裏の目的としたあっせん業者です。後述しますが、法にも抵触します。
今回は、以前Aバンクの経営に携わっていたというT氏(49歳)に未だに存在するAバンクの手口やそこに巣食う男たちの思惑や危険な罠などを語ってもらおうと思います。
優位性を感じられるサービス
丸野(以下、丸)「僕としてはキャバクラに行っても口説くという行為自体に魅力を感じるんですが……」
T氏「そういう楽しみ方をしたいからお店に通う人もいます、もちろんね。でも、Aバンク、Dクラブを利用する目的は、食事に行ってすぐにホテルへ向かえる、いわば“てっとり早さ”。てっとり早さを求めるなら、じゃそういったサービスのお店に行けばいいんだけど、男の性ですよね。やっぱり飲食店などでデートして口説くというワンクッションが欲しくなる」
丸「ほうほう」
T氏「女の子もお金が目的なので、キャバクラなんかで口説くよりも男性側の優位性が高いんで……。簡単に言えば“落としてやった”という名誉がいるんですね」
丸「小難しいもんですね」
T氏「そういう男性は多いですよ」
40年前からの流行りはじめた
丸「Aバンクってどのくらい前から流行り出したんですかね」
T氏「80年代くらいから現れて、世間で大流行したようですね。知人から、その経営者から口コミで広がって相当儲かったんじゃないでしょうか。この駆け込み寺的な存在のAバンクはありとあらゆる都市に点在しています。うちが仙台でやっていた頃、数件ありましたし、大阪にも結構な数がありました。東京なんかでは数十件あるようで、サテライトサイトをいくつも作って情報をばらまいているようですね」
丸「外国人女性を専門に登録しているAバンクって聞いたことあるんですけど……」
T氏「ありますね。新宿なんかに多かったんじゃないかな」
丸「価格いくらくらいするんでしょうか?」
T氏「食事代別でデート代で4万程度。もちろんホテル代金も別途必要になります」
未成年相手は人生を失うことに
丸「でもはっきりと言ってしまえば、売防法(売春防止法)違反ですよね。大丈夫ですか?」
T氏「相手側の女性と経営側はもちろん検挙されますが、警察の手はお客には及ばないですね。でも、これが未成年相手だと一発アウト。逮捕、厳しい尋問、失職、一家離散なんてことになります。他の店舗ですが、未成年チェックをせずに送り込んでいた店が摘発されました。重罪です」
丸「怖いですよね」
客をハメる輩も多い
丸「あのう、お客を騙して稼ぐ業者も多いんじゃないですか?」
T氏「いますよね。入会金や年会費で30万円くらいの初期費用になるので、振り込ませてそのまま連絡が取れなくなる、サイトが閉鎖するなんてこともありましたね。あとは美人局とかですよね。登録時に個人情報と給与明細など押さえられていますから、強請られたというケースもあります」
丸「ということは、半グレとか関わったりしてたりしませんか?」
T氏「すべてとはいいませんが、ごく一部では半グレも暴力団も当たり前のように携わっています。彼らのシノギになるし、やはり女を使う商売が上手いですし、女を集めるのが上手い。うちは違いましたけど……」
丸「やっぱり怖いですね」
「逮捕はされないとしても、警察はいびるためにお客を呼び出すことがある。でも、優良店であればパパ活なんかよりは安全」とT氏。
やはり売防法というのは怖い。お金が必要だという女性は多いし、それも男性側と同じく、手っ取り早く稼げると思います。ですが、大人の遊びとしては何かあったときの代償は大きいのではないかと思います。
(C)写真AC
※写真はイメージです
(執筆者: 丸野裕行)
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