「Google Pixel 7a」レビュー お手頃価格で充実したカメラとPixelの最新機能が使えるスマートフォン

Googleが5月11日に発売した新スマートフォン「Pixel 7a」のレビューをお届けします。6万2700円(税込)と、お手頃価格で提供されるPixel Aシリーズのスマートフォン新モデルですが、2022年10月に発売された「Pixel 7」と同じ独自開発のシステムオンチップ(SoC)「Google Tensor G2」とセキュリティチップ「Titan M2」を搭載。AIを活用したPixelスマートフォンの機能がそのまま利用でき、Pixel 7に匹敵する充実したカメラ機能を持つ製品です。

カメラバーが薄くなった外観

本体サイズはPixel 7に近いH152.1×W72.9×D9.0mm、重量は193.5g。ディスプレイには傷がつきにくいCorning Gorilla Glass 3を採用し、IP67の防水、防塵に対応します。本体カラーはお借りしたSeaの他、Charcoal、Snow、Coralの全4色をラインアップしています。

側面には、テクスチャ加工を施したアルミ合金製のフレームを使用。デュアルカメラを配置するカメラバーと滑らかにつながるデザインはPixel 7/7 Proと同様ですが、カメラバーの出っ張りは薄くなり、より洗練された印象に。

カメラバーが薄くなったことにより、カバーを装着した際に背面はフラットになり、カメラバー部分が少し沈んだ形状になります。Pixel 7/7 Proのカバーは、カメラバーを守るために縁がせり上がる形状になっていました。

ちなみに純正カバーの他にも、5月22日までGoogle ストア特典として付属する限定ケース、iFace製の「First Classケース」など、カラーも含め幅広いラインアップのケースが用意されています。

バッテリー容量は4385mAh。USB Type-Cポートから、有線で最大18Wの急速充電に対応します。

Aシリーズ初の機能をチェック

Pixel 7aには、これまでのAシリーズにはなかったプレミアム機種向けの機能が盛り込まれています。

ディスプレイは最大90Hzのリフレッシュレートに対応する6.1インチFHD+(1080×2400)OLEDディスプレイを搭載。ベゼルは多少存在感がありますが、明るいディスプレイに滑らかな映像を表示できます。

Pixel 6aのRAM容量が6GBだったのに対して、Pixel 7aは8GB RAMを搭載。映像ストリーミングサービスやゲームもストレスなく楽しめます。クラウドゲーミング「Xbox Cloud Gaming」を試してみたところ、通信環境にもよりますが、カクつきのない滑らかな動作で快適にプレイできました。

ディスプレイ内蔵センサーによる指紋認証に加えて、インカメラによる顔認証にも対応しました。

ワイヤレス充電に対応し、Googleのワイヤレス充電器「Pixel Stand(第2世代)」で充電が可能になりました。充電中のGoogle アシスタントの利用には対応していますが、充電速度は7.5Wで、ワイヤレスの急速充電には非対応となっています。

ストレージ容量は、Pixel 6aと同様に128GBのみ。

満足度の高いカメラ機能

メインカメラは、6400万画素広角と1300万画素超広角のデュアルカメラ構成です。インカメラは1300万画素。全カメラで4K 30fpsの動画撮影に対応します。広角カメラのセンサーはPixel 6aより72%大型化。Pixel 7はメインカメラの広角が5000万画素、超広角が1200万画素、インカメラは1080万画素だったことから、AシリーズながらすべてのカメラがPixel 7を上回る画素数となっています。

浅草の五重塔を撮影してみました。広角カメラの撮影では、カメラアプリのシャッターボタンのすぐ上にある「2」の倍率をタップして2倍ズーム、ピンチ操作で最大8倍のズーム撮影に対応します。ズーム撮影は、AIが複数枚の写真を合成する超解像ズームにより高い解像感をもたらす仕組み。1倍と2倍の写真では、色鮮やかで屋根の造形のディテールが美しく収められています。8倍では若干輪郭に鈍りはあるものの、頂上の「相輪」と呼ばれる構造が、しっかり確認できる仕上がり。

超広角カメラは、「0.5」の倍率をタップして撮影。広角の画角80°に対して、120°の画角で広い範囲を収められます。夜景に強いのもPixelならでは。ライトアップされた宝蔵門、背景に見える五重塔まで鮮やかに写っています。夜景モードではPixel 6aの2倍の速さで、よりブレの少ない撮影が可能になりました。

インカメラも、暗い場所で鮮やかに撮影できます。画角は95°と広め。

Aシリーズでは初めて、長時間露光に対応。建物など動きのない被写体を固定して、人や自動車など動きのある被写体をぼかすことで動きのある写真が撮影できます。

この他、撮影後にボケやノイズを除去できる「ボケ補正機能」、不要な映り込みを後から除去できる「消しゴムマジック」、肌の色を美しく正確に表現する「リアルトーン」など、Tensor G2のオンデバイス処理によるAIを活用したPixelスマートフォンの撮影機能がそのまま利用できます。ただし、Pixel 7とPixel 7 Proで利用できる動画撮影機能のうち、背景をぼかす「シネマティックぼかし」や10ビットHDR撮影には非対応。Pixel 7 Proのマクロ撮影機能も非対応です。

ミドルレンジの価格で最新機能が使える製品

カメラ以外にも、クリアな音声通話や電話に出る前に相手の名前と要件を確認できる「通話スクリーニング」、通話相手に保留にされた際、Google アシスタントに待機させる「代わりに待ってて」といった発信アシスタントの機能、天気予報など必要な情報を適切なタイミングで表示するスナップショット、ボイスメッセージの文字起こしといった、従来のPixelスマートフォンのAIを活用した機能にも対応します。

充実したカメラを含む最新のPixelスマートフォンの機能が、ミドルレンジの価格帯で使えるようになるPixel 7a。ドコモ、au、ソフトバンクの3キャリアで取り扱うことから、店頭で実機を触れる機会も増えそうです。一度手に取って、その魅力を確認してみてはいかがでしょうか。

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shnsk

宮原俊介(エグゼクティブマネージャー) 酒と音楽とプロレスを愛する、未来検索ブラジルのコンテンツプロデューサー。2010年3月~2019年11月まで2代目編集長、2019年12月~2024年3月に編集主幹を務め現職。ゲームコミュニティ『モゲラ』も担当してます

ウェブサイト: http://mogera.jp/

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