「恐れ入谷の鬼子母神」とはどんな意味の言い回し?どんな時に使う言葉?

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「恐れ入谷の鬼子母神」は「恐れ入りました」を洒落て言った言葉です。
このような言葉は江戸時代に生まれ、地口と呼ばれます。
しかし、なぜ「恐れ入谷の鬼子母神」と表現するのでしょうか。

今回はそれら「恐れ入谷の鬼子母神」について解説します。
同じく地口とされる言葉についても説明するので、ぜひ参考にしてみてください。

「恐れ入谷の鬼子母神」とは

まずは「恐れ入谷の鬼子母神」の意味を見ていきましょう。

「恐れ入谷の鬼子母神」の意味

「恐れ入谷の鬼子母神」とは「恐れ入りました」を洒落て言った言葉となります。

特に相手の言うことには同意するものの、そのまま認めるのは癪に障るという意味で使用される軽口を言います。
これらは承諾しながらも反発したい感情を表した言葉です。

嫌味や皮肉の意味が込められた表現とも言えるかもしれません。

ちなみに、読みは「おそれいりやのきしもじん」となります。
これらは「恐れ入谷」と略されることもあるので、どちらを使用しても問題ありません。

「恐れ入谷の鬼子母神」の成り立ち

では「恐れ入谷の鬼子母神」はどこから来たのでしょうか。
ここからは「恐れ入谷の鬼子母神」の成り立ちについてまとめます。

「恐れ入る+入谷」から来た言葉

「恐れ入谷の鬼子母神」は「恐れ入る+入谷」にちなみます。
事実「恐れ入る」の「入る」に地名としての「入谷」に掛けた表現となっているのです。

そこから転じて「入谷の鬼子母神」という表現となりました。
これはいわば江戸時代に流行った軽口の一種となります。
それら軽口は地口と呼ばれ、江戸時代に一種のブームとなったそうです。

入谷の鬼子母神とはどこのこと?

鬼子母神とは東京入谷真源寺に祀られている御神体のことです。
真源寺は東京都台東区下谷にある法華宗本門流の寺院です。

その御神体として祀られているのが鬼子母神となります。
なお、鬼子母神は出産・育児の女神とされています。
実際に妊娠など子育ての恩恵にあやかるために訪れる参拝者も多いです。

「恐れ入谷の鬼子母神」は地口のひとつ

「恐れ入谷の鬼子母神」は江戸時代に流行った地口の1つです。

地口とは江戸弁の言葉遊びの一種とされています。
これら地口は成句や熟語、ことわざなどをもじった遊びの一種です。

特に似通った発音の語句を掛けた語呂合わせのことを言います。
現代風に言えば、ダジャレやジョークのようなものに近いです。
要は特定の表現を洒落て言った言葉となります。

他にもある江戸の町にから来た地口

最後に江戸の町から来た地口について見てみましょう。

びっくり下谷の広徳寺

「びっくり下谷の広徳寺」はびっくりすることを言います。
これは「びっくりした」の「した」に「下谷」を掛けた地口となっています。

なお、広徳寺は現在の台東区役所付近にあったそうです。
それが関東大震災により崩壊して練馬区へ移転したのだとか。
現代でも残っている寺院なので、気になる方はぜひ見に行ってみてください。

情け有馬の水天宮

「情け有馬の水天宮」は情けがあることを言います。
これは「情けあり」の「あり」に「有馬」を掛けた地口です。

水天宮とは中央区日本橋にある寺院のことです。
ただし、この水天宮は全国各地にある神社とされます。
中でも福岡県久留米市にある水天宮が総本宮とされています。

なんだ神田の大明神

「なんだ神田の大明神」はなんだかんだという意味の言葉です。
これは「なんだかんだ」の「かんだ」に「神田」を掛けた地口となっています。

ここで言う大明神は千代田区外神田にあるものを指します。
ただし、単なる大明神も日本各地にあるので注意しましょう。

まとめ

「恐れ入谷の鬼子母神」はいわゆる地口の一種です。
これら地口は江戸弁で行う言葉遊びのことを言います。
実際に江戸時代にはある特定の表現を洒落て言う軽口が流行ったとされています。

現代では「恐れ入谷の鬼子母神」のような言葉は使用しないものの1つの文化として覚えておくのは面白いかもしれません。

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