「鯨飲馬食」とはどんな意味の四字熟語?その由来は?
たくさん飲み食いすることを「鯨飲馬食(げいいんばしょく)」と表現します。
これは度を越えて食べたり飲んだりすることを言う言葉です。
しかし、これら「鯨飲馬食」はどこから来たのでしょうか。
今回はその「鯨飲馬食」がどのような言葉なのか解説します。
特にここでは四字熟語としての成り立ちや類義語についても説明します。
「鯨飲馬食」とは
まずは「鯨飲馬食」がどのような言葉なのかを見てみましょう。
「鯨飲馬食」の意味
「鯨飲馬食」とはむやみに飲み食いすることの例えです。
また、一度にたくさんのものを飲み食いすることの例えとして使用されます。
これらはあれもこれもと飲み食いするような様子を表します。
特にむやみやたらと食べたり飲んだりことをいう表現です。
そのため、単に飲食している様子を指す表現ではありません。
そこは勢いよく飲み食いしている姿を言うと覚えておきましょう。
もちろん、少量を飲んだり食べたりすることも言いません。
あくまでも短時間で大量に飲み食いすることを言う表現です。
言うなれば大食い大会を思い浮かべるとわかりやすいかもしれません。
このように並外れた量の飲食をすることを言うのが「鯨飲馬食」という四字熟語となります。
「鯨飲馬食」の由来
では「鯨飲馬食」はどこから来た言葉なのでしょうか?
ここからは「鯨飲馬食」の成り立ちについてまとめます。
「鯨飲」の由来
「鯨飲」は鯨のようにたくさんの酒や水を飲むことの意味です。
これらの表現は中国盛唐の詩人である杜甫の「飲中八仙歌」からの引用したものとされています。
その書物によると杜甫は8人の酒豪の飲みっぷりを「鯨が100本の川を飲み干すようだ」と形容したそうです。
事実、鯨は大きな口で一度に飲み込みます。
その様子を人に例えた表現が「鯨飲」となるわけです。
決して鯨を飲み込むという意味ではないので注意しましょう。
「馬食」の由来
「馬食」は馬のようにたくさんのものを食べることの意味です。
これらは中国前漢の時代に司馬遷が編集した歴史書「史記-范雎伝」に登場する表現となっています。
そこには「令両黥徒夾而馬食之」というくだりがあります。
これは「馬のように口を食器に付けさせて食べさせる」という意味があるとか。
当時は大食いであることの意味はなかったと考えられます。
それが転じて、人に例えた表現として使用されるようになったのかもしれません。
もちろん「馬食」も馬を食べるという意味ではないので注意しましょう。
「鯨飲馬食」の類義語
最後に「鯨飲馬食」の類義語についても見てみましょう。
「鯨飲馬食」の類義語には「牛飲馬食」や「暴飲暴食」などがあります。
牛飲馬食
「牛飲馬食」とは大量に飲み食いすることの例えです。
また、人並み以上にむやみに飲み食いすることも言います。
これは牛が水を飲む様子や馬が草を食べる様子から来ました。
「鯨飲馬食」と比べると「鯨」が「牛」になっただけです。
このことからもわかるように、古代中国では大食漢などを動物に例えることが多かったと考えられます。
それらの点が「鯨飲馬食」と重なるのではないでしょうか。
暴飲暴食
「暴飲暴食」とは度を過ごして飲食することの例えです。
「暴」は程度が甚だしいことを言う表現となっています。
「飲」「食」は飲み食いを言う表現となります。
要は無茶苦茶に飲んだり食べたりすることを言う言葉です。
それらの点が「鯨飲馬食」に通ずるものがあるでしょう。
現代でもこの「暴飲暴食」は問題となっています。
特に際限なく食べたり飲んだりすることを言うので「鯨飲馬食」と併せて覚えておきましょう。
まとめ
「鯨飲馬食」は鯨のように飲み、馬のように食べることです。
実際にこれらの言葉はむやみやたらに飲み食いすることを言います。
現代人は特にこの「鯨飲馬食」の状態になりがちです。
だからこそ、普段から「鯨飲馬食」という言葉を胸に刻み、飲みすぎや食べすぎに注意してみてはいかがでしょうか。
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