『シャザム!~神々の怒り~』宮野真守インタビュー「大迫力アクションにハートフルな絆が描かれている」吹き替えのこだわりも

『THE BATMAN−ザ・バットマン−』(22)、『ジョーカー』(19)など数々の大ヒット作を生み出してきたDC 最新作で、実は最強なのに…中身はコドモのヒーローと、神々との闘いを描く最強バトル・アドベンチャー『シャザム!~神々の怒り~』が大ヒット上映中。

シャザムが“神の娘”を怒らせてしまい、彼女たちが巨大ドラゴンを引き連れて地球に襲来。圧倒的なパワーでシャザムたちを翻弄します。主人公・シャザムの日本語吹替を担当する宮野真守さんに、楽しくて笑えてハラハラしちゃう本作の魅力を語っていただきました!

――本作大変楽しく拝見させていただきました!前作から『シャザム!~神々の怒り~』がどの様にパワーアップしていると感じましたか?

ヒーローとして活動しているけれど、街の人たちにはあんまり歓迎されていない…みたいな所が、他の作品には無い面白さだなと思いました。彼らは彼らなりに自分たちが出来る事にまっすぐ向かっているのだけれど、中身がまだコドモである分未熟な部分も多くて。今回、とても強大な敵と対峙しますが、カッコいい立ち向かい方ではなくて、コドモらしい「どうしよう、どうしよう」という感じで(笑)。そこが健気でもあり、シャザムの魅力だろうなと思いました。

――吹き替えではどの様なことを意識しましたか?

ザッカリー・リーヴァイさんのお芝居がとても面白くて。早口でまくしたてたり、急に驚いたり、急に落ち込んだり、様々な表情を見せてくれていたので、日本語で演じた時にその魅力が伝えられると良いなと思って挑みました。

――ザッカリーさんって、本当チャーミングで表情がコロコロ変わりますよね。

本当、チャーミングですよね! 僕、声優デビューは吹き替えなんです(ドラマ『私はケイトリン』)。その時は右も左も分からなかったので、音響監督さんに教えてもらいながらお芝居をしていました。その作品で僕が吹き替えを担当したキャラクターを演じる子役の方がとても上手だったから、「この子の面白さに乗っかっていこう」と思って、だんだんと自分なりに「こういうお芝居をしてみよう」とか「こういう事が出来るな」と色々発見が増えてきました。最近は舞台など実写の出演もまた増えてきて、体で演じる大変さも知っている自分だからこそ、俳優さんの演技とシンクロ出来る声のお芝居をしたいなと思っています。色々なお仕事をする中で、それぞれが良い影響をもたらしてくれていて、本当にありがたいです。

――今おっしゃっていただいた様に、今本当に幅広いお仕事に挑戦している中で、これを一番追求しているということはありますか?

作品の源流というか、作品やストーリーの背景を学ぶ事が必要だなと感じています。例えば、舞台『ウエスト・サイド・ストーリー』に参加させていただくときには、この物語が作られた1960年台のアメリカってどういう社会だったのだろうということを調べて頭にいれておく。そうすることで、自分が演技をする時に自信を持って挑めるんですよね。「こういう時代だったから、この話し方、表現の仕方をするんだ」と。

――今回はそういった機会が無かったと思うのですが、ザッカリーさんと直接お会い出来たら、とても面白いお話が出来そうですよね。

本当にそうですよね!以前、映画『ファンタスティック・ビースト』でエディ・レッドメインさんとお会いさせていただいた時に、彼が大事にしていること、役柄に対して突き詰めていることが本当にたくさんあったので。ザッカリーさんも絶対あると思うんですよね。「シャザムを演じるときにどんなことを一番大切していましたか?」と聞いてみたいです。

シャザムってすごく難しい役柄で、見た目はオトナだけれど中身はコドモという…。中身だけコドモに演じるって簡単に出来ることじゃないから、素晴らしいなと。そんな素晴らしい作品に後から声をつけさせていただくというのは責任感もあるし、吹き替えをするという意味合いはしっかりと考えて挑みたいと考えています。

――コメディで、楽しい作品ですけれど、演技でやっていることはすごい難易度ですよね。

僕もアニメの作品ではコドモ役を演じることがありますが…経験値を無くすということがなかなか難しいんですよね。「知っている」状態で演じるのはオトナの考えになってしまうので、「高校生の当事者じゃないよね」と監督に言われたこともあります。経験値を無くすという芝居の難しさを知っているから、ザッカリーさんってすごいなと思います。

――宮野さんが「中身はコドモだな」と自分に感じる部分はありますか?

年齢を重ねるに従って、やらせていただくお仕事の幅も増えてきて、その為には努力も必要だし、考えることも増えてきていて、だんだん「オトナ」の部分が増えてきました。でも、コドモっぽい部分はやっぱりあって。仕事現場とかで何か話をして、それがウケたら延々に繰り返しちゃったり(笑)。何度も笑いをとりにいってしまう部分はコドモだと思います。

――素敵です!(笑)『シャザム!』は普段アメコミ作品をご覧にならない方でも入りやすい作品だなと思っているのですが、宮野さんが思う本作の魅力を教えてください。

とてもハートフルなストーリーなのでたくさんの方に楽しんでいただけると思います。大迫力アクションなのですが、それだけではない絆が描かれていて、ビリーがそれを一番大切にしているという。まだ未熟な部分があるからすれ違ってしまったり、自分の思いをぶつけてしまったり…。でも、最後にちゃんと大切なものに気付いて行動が出来るから、そこが重要だなと思います。自分にとって一番大切なものは何なのかを、僕たちにも気付かせてくれますし、だから『シャザム!』って素敵な作品なんだなあと感じています。ぜひ映画館で楽しんでいただきたいです!

――今日は本当に素敵なお話をどうもありがとうございました!

撮影:オサダコウジ

(C)2023 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved TM &(C) DC

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藤本エリ

映画・アニメ・美容が好きなライターです。

ウェブサイト: https://twitter.com/ZOKU_F

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