家事分担「妻9割、夫1割」が最多。夫婦で無理なく分担するには?
夫と妻が家事を分担している割合は、お宅ではどの程度だろうか? リンナイが、夫と妻にそれぞれ聞いたところ、「妻が10割」と回答したのは、妻のほうは23%いたが、夫のほうは8%しかいなかった。どうやら家事に対する認識にかなりの開きがあるようだ。
【今週の住活トピック】
「『夫婦の家事分担』に関する意識調査」を公表/リンナイ
家事分担の割合、夫と妻で認識にズレがある!
こんなことが、あるのではないだろうか?
「夕食は何を食べたい?」と妻に聞かれた夫が、負担をかけまいと「なんでもいいよ」と答えたら、なぜだか妻の機嫌が悪くなった。
食事の後、夫が妻をいたわって「皿洗いをするよ」と言ってくれた。その後、妻がキッチンに行ってみると、たしかに皿は洗っていたが、シンクやコンロまわりは汚れたままで、キッチンの生ごみもそのままだった。妻は黙って後片付けをしたが、なんかモヤモヤした。
筆者がこんな想像をしてしまうような調査結果だったのが、リンナイの「『夫婦の家事分担』に関する意識調査」だ。
最近の男性は家事参加にも積極的だというが、夫婦の家事分担割合を夫と妻それぞれに聞いた結果、最多は「妻9割、夫1割」(女性34%・男性28%)だった。夫が2割、3割という回答も多いが、特徴的なのは「妻10割」の結果だ。自分が10割していると思っている女性が23%いるのに対して、妻が10割していると思っている男性は8%しかいない。男性から見ると、自分も1割や2割はしていると思っているのに、女性側から見たら、家事の範囲とは思えないという認識のズレだろう。
夫婦の家事分担(N=男性1305、女性1045)(出典/リンナイ「『夫婦の家事分担』に関する意識調査」のリリースより転載)
男性が行っている掃除は、ごみ袋の取り替え!?
では、男性と女性がそれぞれ、自身は「どんな家事を行っている」と自認しているのだろうか? 掃除(男性53%/女性94%)、買物(男性50%/女性95%)、洗濯(男性41%/女性95%)が、男性が行っている家事のTOP3だ。女性が「パートナーにやってほしいと思う家事」の第1位(54%)が掃除なので、「掃除」は男性がしている、女性が男性にしてほしい、という点で一致しているように見える。
そこで、担当している具体的な家事について質問した結果を見よう。「掃除」については、次のような結果だった。なんと男性が行っている掃除の第1位は、「ごみ袋の取り替え」(37%)だった。
担当している具体的な家事:掃除(N=男性1305、女性1045)(出典/リンナイ「『夫婦の家事分担』に関する意識調査」のリリースより転載)
同様に、「食事」について見ると、男性が行っている第1位は「食器洗い・乾燥」(34%)だ。一方、女性は、「献立を考える」(94%)ことに始まり、調理後の「残った食材の保管・管理」(83%)や「食器・調理器具の収納」(83%)まで、一連の家事を8割以上で行っていた。
担当している具体的な家事:食事(N=男性1305、女性1045)(出典/リンナイ「『夫婦の家事分担』に関する意識調査」のリリースより転載)
「献立を考えるのが面倒」という人は多い。「負担に感じる家事」を具体的に聞いた結果を見ても、最多の57%の女性が、献立を考えることを選んだ。何を食べたいか聞かれたときに、「なんでもいい」という回答が、いかに気が利かないものかわかるだろう。今どんな食材があるのかを聞いて、それで作れる献立を答えたら、家庭の平和が保てるのではないかと思う次第だ。
また、女性が「パートナーにも気にかけてほしい家事」として最多だったのは、食事では「コンロなど調理機器の掃除・手入れ」(39%)、掃除では「換気扇の油汚れ掃除」(39%)だった。
女性は家事を行う際に、いろいろなことを考えている
家事に対する夫と妻の認識の開きは、まだある。それぞれの家事で「重視するポイント」を聞いた結果を見よう。
食事を例に挙げると、女性は、「食材・食事の費用を抑えたい」(74%)、「手軽に作りたい」(66%)、「後片付けを楽にしたい」(64%)など、費用や調理・後片付けの手間などいろいろ考えている。男性は「特にない」(35%)という人も多く、「手軽に作りたい」では22%しか重視していない。
コンロの魚焼きグリルに入れて焼くだけと思って、「魚でも焼いて…」と言ったりすると、魚焼きグリルの掃除はけっこう手間がかかるので、墓穴を掘るかもしれない。
家事に関して重視するポイント:食事(N=男性1305、女性1045)(出典/リンナイ「『夫婦の家事分担』に関する意識調査」のリリースより転載)
話し合って、上手に家事分担をしよう
リンナイのリリースには、「知的家事プロデューサー 本間朝子先生監修 家事シェア満足度チェックテスト」も紹介されている。その中からいくつか抜粋してみた。あなたの家庭ではどうだろうか?
■「家事シェア満足度チェックテスト」より抜粋
1.家事は家族で支え合ってするものだと思う
2.夫婦で家事のバランスややり方について話し合っている
3.散らかしたものはそれぞれ本人が片づけている
4.家事が思ったようにできなかった時も責められたり否定されることはない
5.家事が思うようにできない時は臨機応変にサポートし合っている
共働きだからといって、家事分担は5:5が理想的とは限らない。やり方にこだわりがある家事については、中途半端に分担しないほうがよい場合もあるし、互いにやり方を譲り合って共有し、互いの空き時間に行うのが効率的な場合もある。
また、女性が負担を感じる家事でパートナーに気にかけてほしい家事、たとえば「コンロなど調理機器の掃除・手入れ」、「水まわりの汚れ掃除」、「換気扇の油汚れ掃除」などを、男性が積極的に担当するといった分担もあるだろう。
女性である筆者は女性目線で記事をまとめてしまうのだが、女性の負担がいまだ大きいとはいえ、以前よりは男性の家事参加が増えていると感じている。SUUMOジャーナルの筆者の担当編集者は男性だが、家事分担サポートアプリを使って、妻との家事分担を話し合ったばかりだという。
家事を可視化して、無理のない分担方法を考えていくことで効率的に行うことができれば、空いた時間を子育てなど他のことに使うことができるだろう。そんな家庭が増えていくことを期待している。
●関連サイト
リンナイ「夫婦の家事分担」に関する意識調査
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