「天国よりも地獄に惹かれる」 巨匠フィル・ティペットが生んだ狂気のストップモーション・アニメ『マッドゴッド』12月公開
もう、釘付け。
『スター・ウォーズ』『ロボコップ』『スターシップ・トゥルーパーズ』シリーズなど、数々の特殊効果を手掛けた巨匠フィル・ティペットが手掛けた脅威のストップモーションアニメ『マッドゴッド』が、12月2日より日本公開されることが決定した。ポスタービジュアルと予告編が公開されている。
「天国よりも地獄に惹かれる」というティペットが本作で描くのは、かつて誰も見たことのない独創的な暗黒世界。“人類最後の男”に派遣された孤高のアサシンが、荒廃した地底に潜り、拷問された魂や不気味なクリーチャーがうごめく“裏側の世界”を巡っていくダークファンタジーだ。予告編で、不気味かつ独特の魅力に溢れたその世界観と、緻密な造形の数々を一部見ることができる。
ストップモーションアニメながら、ごく一部に実写の人間が登場しており、『レポマン』『シド・アンド・ナンシー』の監督として知られるアレックス・コックスが、人類最後の男=ラストマン役で出演している。
ティペットが本作のアイデアを閃いたのは『ロボコップ2』(90)の撮影後、今から約30年前だという。地道に製作を続けていたティペットだったが、時代が転換期を迎え、映像業界は彼の代名詞でもある手作りの視覚効果からCG映像へと移行。ティペットは「俺の仕事は絶滅した」とプロジェクトを中断してしまう。それから20年後、ティペット・スタジオの若きクリエイターたちが倉庫から奇跡的に当時のセットを発見。彼らの熱望により企画が再始動し、ティペットは新世代のアーティストと職人にその技術を教え、この作品に改めて命を吹き込んだ。クラウドファンディングによる世界中のファンからの支援も本作を支えた。
CGの技術が進み、どんな世界でもリアルに描けるようになった一方で、ストップモーションアニメにはストップモーションアニメにしかない緻密な手仕事の魅力が宿っている。かつては時代の変化に絶望した巨匠と、彼の手仕事を支持する若き職人たちと、ファンの愛をもって結実したこの一作を、是非ともスクリーンで堪能したい。
『マッドゴッド』
12/2(金)新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ渋谷、池袋シネマ・ロサ、アップリンク吉祥寺ほか全国順次公開
監督:フィル・ティペット 出演:アレックス・コックス
2021年/アメリカ/84分/1.78:1/カラー/5.1ch/原題:MAD GOD/日本語字幕:高橋彩/PG12
提供:キングレコード、ロングライド 配給:ロングライド
https://longride.jp/mad-god/
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