どの“クズ男”が一番許せない? 「ポスターの上から順なのかも…」 映画『もっと超越した所へ。』前田敦子&根本宗子(原作・脚本)の恋愛談義

稀代の劇作家・根本宗子の初映画化、前田敦子主演×菊池風磨共演、山岸聖太監督の最新作、映画『もっと超越した所へ。』が10月14日(金)より全国公開となります。

原作・脚本は、演劇界最高の名誉・岸田國士戯曲賞の最終候補に4度選出されるなど演劇界の最先端をひた走る劇作家・根本宗子。2015年スズナリで大評判となり、「映像化不可能」とも言われた傑作舞台「もっと超越した所へ。」を自ら映画脚本にし、クズ男を引き寄せてしまう4人の女性の恋愛模様と、彼女たちの意地とパワーが引き起こすミラクルを痛快に描き、恋愛するすべての人に捧げる映画が誕生。観終わった後、必ず感想を話し合いたくなる本作。前田敦子(主演)、根本宗子(原作・脚本)を迎え、トークイベントが実施されました。

7年前の舞台の映画化である本作、舞台では前田が演じた主人公・恋愛間違えがちなデザイナー・真知子役を演じた根本さんは「一方的にずっと前田さんのファンで、AKBの劇場に何度も握手をしに行った相手です。近年の女優活動もずっと拝見していました。6年ほど前に舞台を見にきてくださって、いつか一緒に作品をやりたいねと言っていたのがようやくこの日が来たって感じです」と打ち明けると、前田さんは「うれしいです。自慢です」と満面の笑顔に。

映画化のオファーがあった時について前田さんは「根本さんの作品の映画化が初めて、ということにびっくりでした。その一発目に参加できるなんて、ラッキーガールだなと思いました」と喜びを伝えると、「自分が演じていた役を、握手してた相手に演じてもらった作家はさすがに日本で一人だと思います(笑)」と答え、会場の笑いを誘います。

前田は「台本を読んだ時に『なんてパワーがあふれてるんだろう』とニコニコ読んだのを覚えてます。舞台を観れていなかったので、面白すぎる!とその時点でテンションが最高マックスになりました。映像化するのはすごくハードルが高いなとも思いました」と振り返る。

ネタバレ注意の話も多い本作、見終わったからこそ言える撮影エピソードについて話が盛り上がる中、予告編でも紹介されているクズ男たちに投げかける「泣いてないで、早く出てってよ!」の決めセリフについて話が及ぶと、前田さんは「あのセリフは、最初に撮影したのが趣里さんということもあり、彼女の演技が基準になっていて、それに合わせて演じたんです。間の開け方や伸ばし方の感覚とか。趣里さんの演技を見た時にみんなでヤバイ、、!となりました。このテンションなんだと!」と告白すると、「趣里さんは、本作の舞台を観てくれていたというのもありますし、昔から一緒に舞台をやってることもありますし、世界観をすごく理解してくださっているので、撮影が彼女スタートだったことで、素晴らしいバトンをつないでくれていい流れを感じました」と根本さん。

その演技について「趣里さんの白目にやられました。集中すると白目になる(漫画の)「ガラスの仮面」かと思いました」と公私共に仲の良い前田さんは尊敬の念を込めて振ります。

人見知りだという菊池風磨との初共演について「ジャニーズの菊池風磨くんがいるなんて、、と思っていて、向こうも『あっちゃんがいる、、』と思ってたみたいですが、二人のシーンが多かったので、これは突っ込んでいかないとなと。ケンカのシーンは仲いいのが前提だし、同じ年の設定だったので、比較的しゃべれた方がいいなと思っ」と距離を縮めていったと前田さん。

アフタートークならではのネタバレ話が盛り上がる中でも、千葉雄大演じるあざと可愛いボンボン・富について前田さんは「悪気ないのが一番傷つくんですよね」とため息をつくと、根本は「一番寂しがり屋だから、優しくしてくれる人のところに寄っていっちゃう」と分析しつつ「富が『またお茶でも行こうよ。僕このおうち好きだったな』というセリフは、自分で書いてるんですが、死ぬほど嫌だなと思います。自分だけ綺麗ないい思い出にしようとして、鈴(趣里)みたいに、出てってよ!と切れるしかないです」と暴露。

どの<クズ男>が許せないか、会場に挙手を促すと、ヒモストリーマー・怜人(菊池風磨)と、プライドの高い落ちぶれた俳優・慎太郎(三浦貴大)に票が集中。女性の年齢や経験、女性の母性によっても変わる結果に、ひとしきり盛り上がると、「年を重ねると許せないところも変わってくるのかも。もしかしたら、この映画ポスターの上から順なのかもしれない」という前田の発言に、会場は納得の様子。

恋愛あるあるがつまってる映画だが、根本さんは「もともと恋愛ものを書こうと意気込んで書いた作品ではないんです。群像劇として『いろんな人の生き方があるけど、わかりあうのって難しいよね』という話を当時すごく書いていた時期で、書いていくうちにどんどん男女の物語になっていったんです。実はそんなにクズを描いたつもりはなくて。男女のケンカで、言いたいことの倍くらい言っちゃったりするようなところを緻密に描けたらと思って書きました」と思いを込めます。

「恋愛がダメになったときのその先まで描きたかった。彼女たちが抱きしめ合えた時間は幸せだなと思っている。それは当時も7年越しに改めて書き直しても、ちゃんと描きたいポイントでした」と思いを告げると、前田は「ただ抱きしめ合えたら、それでいいのにって思いますよね」と答え、女子の恋愛談義は続きます。

うねりの熱量が楽しくてジェットコースターのような映画だと称されると前田は「一緒に乗ってきてもらえると、映画として盛り上がれるはず」とオススメし、「(試写で)初めてみたとき千葉くんが隣で、二人して『やばーい!』って爆笑しながら観ました。お祭り感覚で観てほしいです」と締めくくります。

映画『もっと超越した所へ。』は10月14日(金)より全国公開。

(C)2022『もっと超越した所へ。』製作委員会

  1. HOME
  2. 映画
  3. どの“クズ男”が一番許せない? 「ポスターの上から順なのかも…」 映画『もっと超越した所へ。』前田敦子&根本宗子(原作・脚本)の恋愛談義

藤本エリ

映画・アニメ・美容が好きなライターです。

ウェブサイト: https://twitter.com/ZOKU_F

  • ガジェット通信編集部への情報提供はこちら
  • 記事内の筆者見解は明示のない限りガジェット通信を代表するものではありません。