プロ野球の色んなベストナインを考えてみる「開幕スタメンの年に引退した選手編」
プロ野球大好きな大井川鉄朗が様々な観点から独断と偏見で勝手にベストナインを選んでみるというこの企画。
今回は先日2022年シーズンでの引退を発表した福留孝介選手にちなんで「開幕スタメン入りした年に引退したベストナイン」。
福留選手は2022年3月25日に行われた東京ドームでの開幕戦となった巨人戦でスタメン入りを果たし、44歳10カ月で開幕スタメンという球界最長記録となった。そんな福留選手のように、開幕スタメン入りした年に引退、自由契約などでチームを離れた選手たちでベストナインを考えてみる(トレード、FA移籍は含まない)。
投手:野茂英雄(近鉄)
・1994年開幕投手→引退・メジャーリーグ挑戦
4年連続最多勝、最多奪三振に輝いていた野茂英雄さん。1994年の開幕戦であるライオンズ戦に先発登板し、8回までノーヒットピッチングを続けるが9回に交代し、リリーフ投手が打たれ敗戦投手に。右肩に苦しみ思うような成績を残せずにシーズンを終えた。
その後監督やフロントとの確執があったとされ、結局引退として近鉄を対談することに。その後メジャーリーグに移籍した。ちなみにこのとき近鉄の監督だった鈴木啓示さんも1985年に開幕投手を務め、その年に引退している。
1994年最終成績 17試合8勝7敗 防御率3.63
捕手:里崎智也(ロッテ)
・2014年開幕スタメン→引退
2005年にロッテを日本一、2006年の第1回WBCでは日本代表を世界一に導き、大会ベストナインにも選ばれた名捕手。2014年は開幕マスクを被ったものの、2013年から度重なる故障に泣かされ、最後まで回復せず、現役引退を発表。引退試合後にはなぜか球場外のステージで歌唱を披露する即興リサイタルを開催して話題になった。2000年代~2010年代前半のロッテを支えた功労者だが、意外にも通算安打数は890安打。数字以上の存在感がある選手だった。
2014年最終成績 17試合 打率.243 0本塁打4打点
一塁手:落合博満(日本ハム)
・1998年開幕スタメン(4番、当時最年長開幕スタメン)→引退
1997年に巨人から日本ハムに移籍した落合博満さん。1998年は開幕戦に4番で出場し、これは2022年の福留選手に抜かれるまで44歳3カ月で史上最年長スタメンの記録となった。開幕から好調をキープし、4番に座って打率は3割をマークしていたが、徐々に打率が下がり打順も降格。この年限りで引退となった。
1998年最終成績 59試合 打率.235 2本塁打18打点
二塁手:篠塚和典(巨人)
・1994年開幕スタメン→引退
巨人屈指の巧打者として現役時代、高い打撃技術で安打を量産し、首位打者2度を含め打率3割を7度マーク。8度のリーグ優勝、3度の日本一を経験した球界を代表する二塁手。1994年の開幕戦は4番落合博満さんに続く5番として出場。しかし徐々に若手に出場機会を奪われ、持病の腰痛も悪化し「過去にしがみつくより惜しまれながらやめたい」として現役引退を決めた。
1994年最終成績 57試合 打率.238 2本塁打13打点
三塁手:長嶋茂雄(巨人)
・1974年開幕スタメン(4番)→引退・巨人監督就任
この年2月に38歳になっていた長嶋さん。後楽園での開幕戦で4番に座り、5年連続10本目の開幕戦ホームランを放つも、5月には成績が悪化。6月にはスタメン落ち、慣れ親しんだ4番ではなく新人のオールスター依頼の1番での出場も経験。後半戦にはスタメン落ちする機会も増えた。そして巨人V10が消滅した10月12日に記者会見を開き、引退を発表。14日の引退試合であの有名な「我が巨人軍は永久に不滅です!」の名台詞が生まれた。
1974年最終成績 128試合 打率.244 15本塁打55打点
遊撃手:鳥谷敬(ロッテ)
・2021年開幕スタメン(遊撃手としては最年長)→引退
2019年オフに阪神を対談していた鳥谷さんは、2020年3月にロッテに入団。代走や守備固めでの起用が多かったが、移籍2年目の2021年はソフトボールとの開幕戦に7番遊撃手でスタメン出場。39歳9カ月での開幕スタメンは遊撃手としては史上最年長。しかし打撃成績が思うように伸びず、2軍でも打率が2割を切るなど復調せず、現役を引退した。
2021年最終成績 32試合 打率.170 0本塁打2打点
外野手:新庄剛志(日本ハム)
・2006年開幕スタメン→引退
3年間のMLB挑戦を経て、2003年オフに北海道日本ハムファイターズに入団した新庄さん。2004年のオールスターでのホームスチール、サヨナラ満塁ホームラン取り消しなど記録にも記憶にも強く残るプレーを見せた。中心選手だった2006年は6番センターで開幕スタメン入りをすると、なんと4月18日のヒーローインタビューで引退を宣言。以降新庄さん、チームへの注目度は増し「新庄劇場」として連日報道された。チームはリーグ優勝、44年ぶりの日本一を達成。最後まで主力としてプレーを続けた新庄さんに対し、ファンはシーズン中から現役続行を願う署名活動を行い、フロントも引退撤回要請を出したが本人の意思は固く、惜しまれながら引退となった。
2006年最終成績 126試合 打率.258 16本塁打62打点
外野手:高橋由伸(巨人)
・2015年開幕スタメン→引退・巨人監督就任
ルーキーイヤーから開幕スタメンデビューを飾り、巨人の中心選手として活躍を続けた高橋さん。2015年は開幕戦に6番レフトでスタメン出場。その後は代打の切り札として、代打打率.395という高打率をマークし、翌年も現役続行の示していた。しかし原辰徳監督の退任にともなって監督就任を要請され、それを受諾。2015年限りで現役を引退し、2016年から巨人の監督に就任することが決まった。
2015年最終成績 77試合 打率.278 5本塁打21打点
外野手:福留孝介(中日)
・2022年開幕スタメン(史上最年長)→引退
2022年、現役最年長となった福留選手は、開幕戦にスタメン出場を果たすも、本来の打撃を披露することはできず、初安打を放ったのは5月26日の交流戦、対ライオンズ戦。26打席目にしての初安打で、犠牲フライはあったものの20打数無安打を記録。その後2軍で調整を続けるも復調せず、9月8日に現役引退を発表した。
本当にお疲れ様でした!!!
2022年成績(9月13日時点) 22試合 打率.043 打点3
(Written by 大井川鉄朗)
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